神が降りて来たって言われても信じる

どんなに願っていても

どんなに工夫を凝らしても

同じ事は2度と起こらないだろうという瞬間がある



偶然と偶然は実はそこかしこで重なっているが

競演する機会は2度とないだろう瞬間

それを人は奇跡と呼ぶ




私はサッカーの練習をしている間に2つの奇跡を見た事がある。
一度はまだ大学生の頃だ。

向かい合って浮き球のパスを練習している2人の近くで私は同じ様にパス回しをしていた。
私に向かって出されたパスはコントロールを失っていて、あろう事か2人の方に転がっていく。
背中を向けて練習していた片方の足元に転がったのでケアを呼びかけようと思ったが時は既に遅かった。

死角から足元に来たボールに気付かずに、そのチームメイトは綺麗に滑った。
踏みつけて転ぶ中で、彼はその小さなボールの上で綺麗に後ろ回りをしてのけたのだ。
それだけでも雑技団顔負けであるが、ひっくり返った反動で太陽を指した足先にちょうど浮き球のボールが飛んで来ていたのである!

美しくも力強いオーバーヘッドが決まった。

いや、オーバーヘッドなんて言ったら失礼に値する。
きっと魅せ技競技なら Back Rolling to Overhead on the Friendとか大層クールな名前がつくんだろう。


何が起こったかも分からず立ち上がりこちらを振り返った彼を見て、一同大爆笑だったのは言うまでもなし。

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