2014:J2:41節:H:vsロアッソ熊本「今季を象徴する引き分けでJ1の夢は来季に持越し」その3

4、試合から見えるポイント

4-1:際立つ3後藤 圭太の存在

空中戦の強さ、1対1での強さ、ボール奪取力、頭脳的守備、攻撃センス。
こういった能力を最大限発揮してくれた。
現状の岡山の中で、最強のCBであり、どの選手とのCB組んでも、どの位置でのCBとして出ても高いパフォーマンスを見せてくれた。
この試合では、柔軟な体を活かした鋭いスライディングタックルで、ピンチの芽を摘んだり、効果的インターセプト、空中戦での強さ。
こういったプレーを存分に発揮し、終了間際まで0点に抑える堅守を支えた。
本当に良く伸びた選手であり、控えに回る事のあったCBの中で、今季一つ抜き出た。
ホーム最終戦で、そういった評価を確固たるものとし、安定感は、年々増し、この試合でもパフォーマンスが、際立った。

4-2:ようやく輝いた4近藤 徹志の守備

大ピンチという場面での果敢なスライディングによるシュートブロック。
的確なポジショニングによる危機察知能力。
こういった4近藤 徹志らしさ。
チームとしての重心がある程度低くあればこれだけのパフォーマンスを見せてくれる。
今季怪我で、苦しんだシーズンだったが、その中で、持てる力を起用法によってこの試合初めて引き出せた。

4-3:偶然ではない必然的終盤の弱さ

他チームは、終盤に入れば好守で高い連動性を得ているチームが多い。
しっかしとした自分のサッカーがあるチーム(湘南・松本)は、それを年間通して実行。
試行錯誤を繰り返しつつ的確な補強、監督交代などを経て、しっかりとした方向性のもと戦う。
岡山もそれを繰り返してきたが、守備に関しては、正直良かった。
ただ、攻撃があまりに酷かった。
夏場の移籍期間で、逆に戦力ダウンし、1点の軽さに苦しんだ。
こんなにも簡単に失点してしまうのか。
どれだけリトリートしても個の守備の力が、J2の中堅レベル。
守備意識と数の力で、守ってきたに過ぎない。
そのため個の力で、ごり押しくる選手に弱いし、1点を守りに行ったとしても波状攻撃を受ければ失点する。
結局は、個の力不足であり、偶然ではなく、単なる実力不足である。
上を目指すためには、ボール奪取力を向上させ、攻撃にある程度人数をかける。
もしくは、前線の守備的負担を軽くするといった事を可能にする守備の個のレベルアップは、必須。

4-4:機能する前線

岡山の前線が機能するパターンとして、ストライカータイプ2人にバランサー1人の組み合わせが機能するパターンが多い。
ストライカータイプ3人を並べる事があったが、結局中盤と前線の繋ぎ役がおらず、機能しなかった。
18関戸 健二、20妹尾 隆佑が、怪我で、本来のパフォーマンスを発揮出来なかったのが、痛かった。
ここが、一つの補強のポイント。
もう一方で、新たな組み合わせを含め、どういったチーム構成にするのかも注目。

4-5:14押谷 祐樹爆発の裏

所謂巻き込むシュート。
左のシャドーは、14押谷 祐樹が、一番嵌る。
今季1トップとしては、正直満足のいく仕事が出来なかった。
また、30清水 慎太郎のフリーランとポストプレーによってより生きている。
そして、今季は、新境地としてスルーパスの回数も増えている。
組み合わせや質が良い方向に向かえばより活躍出来る選手。
シュート意識、シュート技術というのは、外国の選手に近いものを持ってる貴重な選手。
この試合でもそれを存分に発揮し、自身初の二桁得点で、新たなステップに進んだ。

5、満足度

4点(10点満点)

これしかないとはいえ、今季でのPO進出が無くなり、J1昇格は来季以降に持ち越し。
致命的な弱点を今季も晒して、結局クリア出来なかった。
ただ、その中で、長所を伸ばし、新たな新境地を切り開いた事実は、評価できる。

岡山から世界へ 
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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