天皇杯:決勝:FC東京VS京都サンガ「終始シュート数で、圧倒したFC東京が、貫録の勝利」

FC東京VS京都:4-2
得点者:中山(13分)、今野(15分)、森重(36分)、ルーカス(42分)、ルーカス(66分)、久保(71分)

●FC東京スタメン

49ルーカス
39谷澤・22羽生・18石川
4高橋・10梶山
33椋原・6今野・3森重・2徳永
20権田

●リザーブ

GK:1塩田
DF:14中村北斗
MF:27田邉・32上里・MF35下田
FW:9ロベルト
セザー・11鈴木

●途中交代

22羽生→11鈴木、39谷澤→9ロベルト セザー、18石川→14中村北斗

 

●京都スタメン

13宮吉・9ドゥトラ
15中山・20工藤
7チョンウヨン・23中村充孝
16福村・8安藤・3森下・18加藤
1水谷

●リザーブ

GK:21守田
DF:26下畠・32内野
MF:1
中村太亮・22駒井
FW:28金
成勇・31久保

●途中交代

9ドゥトラ→31久保、23中村充孝→22駒井、18加藤→26下畠

●試合の流れ

序盤は、FC東京が猛攻を仕掛ける。
石川のスピードを活かした裏への抜け出しからの強烈なシュートやルーカスのミドルシュートを浴びせる等して、CKを得る等、惜しいシーンを作る。
しかし、そのCK等でも得点を奪えなかった。
すると一瞬の隙を突いて中山のゴールで、京都先制。
それでも数分後にCKから今野ゴールで同点。
その後は、一進一退の攻防となる。
しかし、高い個人技を持つFC東京がFKから森重が決めて勝ち越して逆転する。
さらにGKとの1:1からルーカスが決めて突き放して、前半終了。

後半は、久保を早い時間に後退させて、同点、逆転を狙う京都。
しかし、FC東京の守備は、堅固で、なかなか崩せない。
逆にFC東京のルーカスに駄目押しの4点目を決められる。
それでも、京都は諦めずに久保がCKからゴールを決めて2点差。
京都が、必死に攻めて頑張るが、力及ばず、4-2でFC東京の勝利に終わる。

●得点シーン

★京都1得点目

中山がパスを出そうとするが、FC東京の選手に当たるも再び自分の足に当たって前へ出る。
そのボールをドゥトラが拾ってドリブルを仕掛ける。
FC東京の選手の足に当たって防いだ様に見えるが、フリーで中山の所へ転がる。
権田が飛び出すも中山が落ち着いてシュートを決めて先制。

FC東京にとっては不運な失点と言える。
逆に京都にとっては、幸運な得点だった。
中山も落ち着いて良く決めた。

☆FC東京1得点目

石川のCKからショートコーナー選手を使って、石川がリターンを受ける。
そこから狙い澄まして石川がクロスを入れる。
それに今野がヘッドで合わせる。
京都の選手が必死にクリアしようとボールに触れるが、弾き出せず。

FC東京にとっては、失点した後だったので、価値のあるゴール。
逆に京都にとっては、幸運なゴールで先制しただけに痛い失点だった。
FC東京が意表をついてシュートコーナーを使った事が活きたゴール。
今野が後ろから走って来るのを石川が良く見ていた。
FC東京にとっては、狙い通りの得点と言える。

☆FC東京2得点目

FC東京のFKから。
石川がずらして、森重がブレ球のシュートを放つ。
良く落ちてシュートして、水谷が上手く対応できず、決まる。

森重のスーパーゴール。
水谷も笑うしかないという感じ。

☆FC東京3得点目

水谷のGKから。
高橋がドゥトラと競る。
高橋が競り勝ちボールがDFラインの裏へ飛ぶ。
ルーカスがフリーで抜け出す。
安藤を必死に追いかけるが、間に合わず。
ルーカスは、安藤が阻止できないタイミングまでドリブルして、GKとの1:1を落ち着いて決めて追加点。

競り合いからの失点という事で、京都にとっては不運なゴール。
ただ、安藤や森下選手のルーカスへのマークの付き方が悪かった。
競り負ける事も考えたポジション取りが必要だった。
そういった意味で、秋本不在が響いた失点と言える。
ルーカスも良く落ち着いて決めたゴール。

☆FC東京4得点目

森重が京都の選手のクロスをヘッドでクリアしたボールを谷澤が受ける。
梶山とのワンツーで谷澤がスペースへ走る。
谷澤が、安藤に寄せられるが、ワンツーのボールをダイレクトで、前の裏のスペースへ浮き球のボールを入れる。
そこに走り込む椋原。
その椋原へ森下が寄せて来るが、椋原がダイレクトで、グラウンダーのクロスを入れる。
それがルーカスへ通る。
福村がスライディングタックルをするが、ルーカスがかわす。
水谷も必死に防ごうとするが、倒れ込んだ体の上を超える浮かしたシュートをルーカスが放ち追加点。

見事なカウンターのゴール。
スペースにしっかり走り、相手のDFが何もできないところへ、ピンポイントで出した素晴らしい流れからのゴール。
京都としては、防ぐのが難しかったゴールではないだろうか。
シュートで、終わりたかったと悔やまれる京都。

★京都2得点目

チョンウヨンのCKから。
大きくスライドするボールに高橋のマークを振り切り久保が頭で合わせてゴール。

流石の権田も何もできなかった。
マークについていた高橋にとっては悔やまれる失点であるだろう。
チョンウヨンのCKの精度も良かった。
それを決める久保を流石。

●両チームの印象と印象に残った選手

FC東京の印象

ピッチを広く使うというサッカーというより、後ろからしっかり組み立てるサッカーという印象を持った。
というのもサイドチェンジがそこまで多く無かった。
基本中央で組み立てて、SBのオーバーラップを利用したり等、相手チームの開いたスペースを使うというサッカーだった。
個人技が高いため相手を誘いだす様なパス回しをできる。
また、この試合有利にたった事で見れたカウンターは、切れ味があり、完成度が高かった。
守備もしっかりしているし、J1でもこの武器を使えるのではないだろうか。

印象に残った選手は、ルーカス。
やっぱり、凄い選手。
東京のサッカーにフィットしているし、来季の活躍に期待。

京都の印象

この試合では、あまり持ち味を発揮できなかった。
それでも随所にシュートパスを繋ぐというサッカーが、垣間見れた。
サイドからクロスというシーンは、少なく、中央突破というサッカーだった様に思う。
ただ、この試合では、そのサッカーが裏目に出てカウンターを受けるシーンが、何度も目に付いた。

印象に残った選手は、久保。
若いながら風格のある選手。
これからの成長が楽しみ。

●注目の試合だった試合

やはり初のJ2対決の試合だった事で注目が集まった。
結果から言ってしまえば、J2の1位とJ2の7位の差が出た試合と言っても良いだろう。
それだけJ1とJ2の実力差が無くなってきているのを感じる。
京都も決して弱くは無かった。
実際に2点と取っている。
ただ、この試合秋本の出場停止が響いた試合と言えるかもしれない。
それにしても4失点は頂けない。
京都の選手層の薄さを感じた。

●セットプレイが鍵を握った

この試合の6得点の内、セットプレイ絡みが3得点。
やはり、セットプレイで大きな武器を持って居たFC東京。
数多くのCKのチャンスで、2度活かせたのは大きい。
FC東京のセットプレイのバリエーションがあった事も評価したい。

京都は、精度の高いボールを蹴る事ができるキッカーが居た事も大きい。
ただ、京都は高さが無いので、その辺りがネックになってしまった。
出来れば来季に向けて、高さのある選手が欲しいところではあるだろう。

●主導権を握ったFC東京がそのまま勝利

CWCの柏の様に主導権を握りながら負ける事がある中で、FC東京は、しっかりチャンスをものに勝利した。
相手のレベルに差があるもののFC東京は、先制されながらも逆転に成功し、突き放した。
主導権を握ったFC東京の順当な勝利とも言える。

逆に京都は、運が良い形で、先制しながら逆転負けするという悔しい敗戦だった。
流石にJ2王者の貫録を感じる試合となっただろう。
終盤は、岡山とこの日のFC東京以外には、無敗を誇った通り良いサッカーができていただけにこの試合でも勝ちたかったところだろう。
ただ、今季のFC東京の対戦では、6-1、4-1で負けており相性が悪かったと言うのもあるかもしれない。

●来季に向けて

FC東京は、J1、ACL、ナビスコ、天皇杯、ゼロックスと5タイトルへ挑戦する権利を得た。
一つでも多くを取れる様に新監督の元に、今季の守備力をベースにより質の高い攻撃をしていきたいところであるだろう。
降格した際は、ホームで、勝てない事が多かったので、来季は、是非ホームで、しっかり勝って成績を残して欲しい。

京都は、若手の成長と3バックから4バックに変更した事で、常勝軍団に生まれ変わった。
来季は、J1昇格と天皇杯のリベンジを目指して頑張って欲しい。
今季活躍した若手もより実力をあげて来るだろうし、終盤見せた強さを発揮して、良いシーズンとして欲しい。

両チームとも来季に向けて楽しみなチームだと思うし、頑張って欲しい。

●評点

FC東京

GK20権田:5,5
1失点目は、防いで欲しかったが、流石に酷か。
2失点目は、厳しい。
後は、安定感のある守備を披露。

CB6今野:6,0
失点した後すぐに価値ある同点ゴールを決めた。
ボールを奪った流れから攻撃参加する積極的姿勢を見せた。

CB3森重:6,5
FKからファインゴールを決めた。
守備でも安定していた。

SB2徳永:5,5
強烈なミドルシュートを見せた。
クロスやドリブルで、見せ場を作れなかった。

SB33椋原:6,0
ルーカスの2点目をアシスト。
絶妙なグラウンダーのクロスを入れた。

DH10梶山:5,5
ゲームをしっかり作った。

DH4高橋:5,5
守備で貢献。

SH39谷澤:5,5
ドリブル等でテクニックの高さを見せた。

SH18石川:6,0
ポストに当たる惜しいシュートがあった。
CKのボールも良い精度のボールを蹴った。

OH22羽生:5,5
豊富な運動量でチームへ貢献。

FW49ルーカス:7,0
この試合のMOM。
2得点と高い決定力の高さを見せた。
オーバーヘッドや、オープニングシュートとなる強烈なミドルシュートを放つ等、攻撃で高い存在感を示した。

途中交代

11鈴木:5,5
決定機を決め切れず。

9ロベルトセザー:5,5
見せ場を作るも結果を残せず。

14中村北斗:評価不可

大熊監督:6,0
交代カードは、当たらなかったものの優勝に導いた。

京都

GK1水谷:4,5
見せ場があったが、防げなかった。
防ぐのは、難しかったが、ポジショニングや倒れるタイミング等改善点もあるかもしれない。
それでも何回かは、ファインセーブがあった。

CB3森下:5,0
FC東京の攻撃を防げず。

CB8安藤:4,5
慣れないポジションで苦しんだ。

SB16福村:5,0
なかなか見せ場を作れず。

SB18加藤:5,0
クロスを防がれ、カウンターを受け失点に繋がった。

DH23中村充孝:5,0
ゲームを作れず。

DH7チョンウヨン:6,0
精度の高いセットプレイでのボールを蹴り、見せ場を作った。

OH15中山:5,5
価値ある先制ゴールを落ち着いて決めた。

OH20工藤:5,0
持ち味の攻撃に多様性を作る事ができず。

FW9ドゥトラ:5,5
ドリブル等で、存在感を示した。

FW13宮吉:5,0
シュートを打てず。

途中交代

31久保:6,0
途中出場ながらCKからゴールを決め決定力の高さを感じた。
囲まれて物怖じしない様は、年齢以上の貫録を感じる。

22駒井:5,0
見せ場を作れず。

26下畠:評価不可

大木監督:5,5
久保の投入が当たったが、勝利まで導けず。

審判:6,0
大きな誤審も無かったですし、流すとこは流して、ストレス少なく見れた。
審判の貢献は大きい。

Jリーグから世界へ

To Be Continued

by杉野雅昭


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