
天皇杯:決勝:FC東京VS京都サンガ「終始シュート数で、圧倒したFC東京が、貫録の勝利」
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杉野雅昭
2012年01月02日 01:03 visibility95
FC東京VS京都:4-2
得点者:中山(13分)、今野(15分)、森重(36分)、ルーカス(42分)、ルーカス(66分)、久保(71分)
●FC東京スタメン
49ルーカス
39谷澤・22羽生・18石川
4高橋・10梶山
33椋原・6今野・3森重・2徳永
20権田
●リザーブ
GK:1塩田
DF:14中村北斗
MF:27田邉・32上里・MF35下田
FW:9ロベルト
セザー・11鈴木
●途中交代
22羽生→11鈴木、39谷澤→9ロベルト セザー、18石川→14中村北斗
●京都スタメン
13宮吉・9ドゥトラ
15中山・20工藤
7チョンウヨン・23中村充孝
16福村・8安藤・3森下・18加藤
1水谷
●リザーブ
GK:21守田
DF:26下畠・32内野
MF:1
中村太亮・22駒井
FW:28金
成勇・31久保
●途中交代
9ドゥトラ→31久保、23中村充孝→22駒井、18加藤→26下畠
●試合の流れ
序盤は、FC東京が猛攻を仕掛ける。
石川のスピードを活かした裏への抜け出しからの強烈なシュートやルーカスのミドルシュートを浴びせる等して、CKを得る等、惜しいシーンを作る。
しかし、そのCK等でも得点を奪えなかった。
すると一瞬の隙を突いて中山のゴールで、京都先制。
それでも数分後にCKから今野ゴールで同点。
その後は、一進一退の攻防となる。
しかし、高い個人技を持つFC東京がFKから森重が決めて勝ち越して逆転する。
さらにGKとの1:1からルーカスが決めて突き放して、前半終了。
後半は、久保を早い時間に後退させて、同点、逆転を狙う京都。
しかし、FC東京の守備は、堅固で、なかなか崩せない。
逆にFC東京のルーカスに駄目押しの4点目を決められる。
それでも、京都は諦めずに久保がCKからゴールを決めて2点差。
京都が、必死に攻めて頑張るが、力及ばず、4-2でFC東京の勝利に終わる。
●得点シーン
★京都1得点目
中山がパスを出そうとするが、FC東京の選手に当たるも再び自分の足に当たって前へ出る。
そのボールをドゥトラが拾ってドリブルを仕掛ける。
FC東京の選手の足に当たって防いだ様に見えるが、フリーで中山の所へ転がる。
権田が飛び出すも中山が落ち着いてシュートを決めて先制。
FC東京にとっては不運な失点と言える。
逆に京都にとっては、幸運な得点だった。
中山も落ち着いて良く決めた。
☆FC東京1得点目
石川のCKからショートコーナー選手を使って、石川がリターンを受ける。
そこから狙い澄まして石川がクロスを入れる。
それに今野がヘッドで合わせる。
京都の選手が必死にクリアしようとボールに触れるが、弾き出せず。
FC東京にとっては、失点した後だったので、価値のあるゴール。
逆に京都にとっては、幸運なゴールで先制しただけに痛い失点だった。
FC東京が意表をついてシュートコーナーを使った事が活きたゴール。
今野が後ろから走って来るのを石川が良く見ていた。
FC東京にとっては、狙い通りの得点と言える。
☆FC東京2得点目
FC東京のFKから。
石川がずらして、森重がブレ球のシュートを放つ。
良く落ちてシュートして、水谷が上手く対応できず、決まる。
森重のスーパーゴール。
水谷も笑うしかないという感じ。
☆FC東京3得点目
水谷のGKから。
高橋がドゥトラと競る。
高橋が競り勝ちボールがDFラインの裏へ飛ぶ。
ルーカスがフリーで抜け出す。
安藤を必死に追いかけるが、間に合わず。
ルーカスは、安藤が阻止できないタイミングまでドリブルして、GKとの1:1を落ち着いて決めて追加点。
競り合いからの失点という事で、京都にとっては不運なゴール。
ただ、安藤や森下選手のルーカスへのマークの付き方が悪かった。
競り負ける事も考えたポジション取りが必要だった。
そういった意味で、秋本不在が響いた失点と言える。
ルーカスも良く落ち着いて決めたゴール。
☆FC東京4得点目
森重が京都の選手のクロスをヘッドでクリアしたボールを谷澤が受ける。
梶山とのワンツーで谷澤がスペースへ走る。
谷澤が、安藤に寄せられるが、ワンツーのボールをダイレクトで、前の裏のスペースへ浮き球のボールを入れる。
そこに走り込む椋原。
その椋原へ森下が寄せて来るが、椋原がダイレクトで、グラウンダーのクロスを入れる。
それがルーカスへ通る。
福村がスライディングタックルをするが、ルーカスがかわす。
水谷も必死に防ごうとするが、倒れ込んだ体の上を超える浮かしたシュートをルーカスが放ち追加点。
見事なカウンターのゴール。
スペースにしっかり走り、相手のDFが何もできないところへ、ピンポイントで出した素晴らしい流れからのゴール。
京都としては、防ぐのが難しかったゴールではないだろうか。
シュートで、終わりたかったと悔やまれる京都。
★京都2得点目
チョンウヨンのCKから。
大きくスライドするボールに高橋のマークを振り切り久保が頭で合わせてゴール。
流石の権田も何もできなかった。
マークについていた高橋にとっては悔やまれる失点であるだろう。
チョンウヨンのCKの精度も良かった。
それを決める久保を流石。
●両チームの印象と印象に残った選手
FC東京の印象
ピッチを広く使うというサッカーというより、後ろからしっかり組み立てるサッカーという印象を持った。
というのもサイドチェンジがそこまで多く無かった。
基本中央で組み立てて、SBのオーバーラップを利用したり等、相手チームの開いたスペースを使うというサッカーだった。
個人技が高いため相手を誘いだす様なパス回しをできる。
また、この試合有利にたった事で見れたカウンターは、切れ味があり、完成度が高かった。
守備もしっかりしているし、J1でもこの武器を使えるのではないだろうか。
印象に残った選手は、ルーカス。
やっぱり、凄い選手。
東京のサッカーにフィットしているし、来季の活躍に期待。
京都の印象
この試合では、あまり持ち味を発揮できなかった。
それでも随所にシュートパスを繋ぐというサッカーが、垣間見れた。
サイドからクロスというシーンは、少なく、中央突破というサッカーだった様に思う。
ただ、この試合では、そのサッカーが裏目に出てカウンターを受けるシーンが、何度も目に付いた。
印象に残った選手は、久保。
若いながら風格のある選手。
これからの成長が楽しみ。
●注目の試合だった試合
やはり初のJ2対決の試合だった事で注目が集まった。
結果から言ってしまえば、J2の1位とJ2の7位の差が出た試合と言っても良いだろう。
それだけJ1とJ2の実力差が無くなってきているのを感じる。
京都も決して弱くは無かった。
実際に2点と取っている。
ただ、この試合秋本の出場停止が響いた試合と言えるかもしれない。
それにしても4失点は頂けない。
京都の選手層の薄さを感じた。
●セットプレイが鍵を握った
この試合の6得点の内、セットプレイ絡みが3得点。
やはり、セットプレイで大きな武器を持って居たFC東京。
数多くのCKのチャンスで、2度活かせたのは大きい。
FC東京のセットプレイのバリエーションがあった事も評価したい。
京都は、精度の高いボールを蹴る事ができるキッカーが居た事も大きい。
ただ、京都は高さが無いので、その辺りがネックになってしまった。
出来れば来季に向けて、高さのある選手が欲しいところではあるだろう。
●主導権を握ったFC東京がそのまま勝利
CWCの柏の様に主導権を握りながら負ける事がある中で、FC東京は、しっかりチャンスをものに勝利した。
相手のレベルに差があるもののFC東京は、先制されながらも逆転に成功し、突き放した。
主導権を握ったFC東京の順当な勝利とも言える。
逆に京都は、運が良い形で、先制しながら逆転負けするという悔しい敗戦だった。
流石にJ2王者の貫録を感じる試合となっただろう。
終盤は、岡山とこの日のFC東京以外には、無敗を誇った通り良いサッカーができていただけにこの試合でも勝ちたかったところだろう。
ただ、今季のFC東京の対戦では、6-1、4-1で負けており相性が悪かったと言うのもあるかもしれない。
●来季に向けて
FC東京は、J1、ACL、ナビスコ、天皇杯、ゼロックスと5タイトルへ挑戦する権利を得た。
一つでも多くを取れる様に新監督の元に、今季の守備力をベースにより質の高い攻撃をしていきたいところであるだろう。
降格した際は、ホームで、勝てない事が多かったので、来季は、是非ホームで、しっかり勝って成績を残して欲しい。
京都は、若手の成長と3バックから4バックに変更した事で、常勝軍団に生まれ変わった。
来季は、J1昇格と天皇杯のリベンジを目指して頑張って欲しい。
今季活躍した若手もより実力をあげて来るだろうし、終盤見せた強さを発揮して、良いシーズンとして欲しい。
両チームとも来季に向けて楽しみなチームだと思うし、頑張って欲しい。
●評点
FC東京
GK20権田:5,5
1失点目は、防いで欲しかったが、流石に酷か。
2失点目は、厳しい。
後は、安定感のある守備を披露。
CB6今野:6,0
失点した後すぐに価値ある同点ゴールを決めた。
ボールを奪った流れから攻撃参加する積極的姿勢を見せた。
CB3森重:6,5
FKからファインゴールを決めた。
守備でも安定していた。
SB2徳永:5,5
強烈なミドルシュートを見せた。
クロスやドリブルで、見せ場を作れなかった。
SB33椋原:6,0
ルーカスの2点目をアシスト。
絶妙なグラウンダーのクロスを入れた。
DH10梶山:5,5
ゲームをしっかり作った。
DH4高橋:5,5
守備で貢献。
SH39谷澤:5,5
ドリブル等でテクニックの高さを見せた。
SH18石川:6,0
ポストに当たる惜しいシュートがあった。
CKのボールも良い精度のボールを蹴った。
OH22羽生:5,5
豊富な運動量でチームへ貢献。
FW49ルーカス:7,0
この試合のMOM。
2得点と高い決定力の高さを見せた。
オーバーヘッドや、オープニングシュートとなる強烈なミドルシュートを放つ等、攻撃で高い存在感を示した。
途中交代
11鈴木:5,5
決定機を決め切れず。
9ロベルトセザー:5,5
見せ場を作るも結果を残せず。
14中村北斗:評価不可
大熊監督:6,0
交代カードは、当たらなかったものの優勝に導いた。
京都
GK1水谷:4,5
見せ場があったが、防げなかった。
防ぐのは、難しかったが、ポジショニングや倒れるタイミング等改善点もあるかもしれない。
それでも何回かは、ファインセーブがあった。
CB3森下:5,0
FC東京の攻撃を防げず。
CB8安藤:4,5
慣れないポジションで苦しんだ。
SB16福村:5,0
なかなか見せ場を作れず。
SB18加藤:5,0
クロスを防がれ、カウンターを受け失点に繋がった。
DH23中村充孝:5,0
ゲームを作れず。
DH7チョンウヨン:6,0
精度の高いセットプレイでのボールを蹴り、見せ場を作った。
OH15中山:5,5
価値ある先制ゴールを落ち着いて決めた。
OH20工藤:5,0
持ち味の攻撃に多様性を作る事ができず。
FW9ドゥトラ:5,5
ドリブル等で、存在感を示した。
FW13宮吉:5,0
シュートを打てず。
途中交代
31久保:6,0
途中出場ながらCKからゴールを決め決定力の高さを感じた。
囲まれて物怖じしない様は、年齢以上の貫録を感じる。
22駒井:5,0
見せ場を作れず。
26下畠:評価不可
大木監督:5,5
久保の投入が当たったが、勝利まで導けず。
審判:6,0
大きな誤審も無かったですし、流すとこは流して、ストレス少なく見れた。
審判の貢献は大きい。
Jリーグから世界へ
To Be Continued
by杉野雅昭
まだまだ未熟なので、おかしい点があるかもしれないので、反対意見歓迎ですし、間違いなどありましたらご指摘などのコメント宜しくお願いします。
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