2011年J2ベストイレブンとJ2各チームMVPと感想

2011年J2ベストイレブン:4-1-3-2

斎藤(愛媛)・豊田(鳥栖)・阿部(東京V)
柿谷(徳島)・早坂(鳥栖)
菊岡(東京V)
西嶋(徳島)・今野(FC東京)・森重(FC東京)・徳永(FC東京)
イホスン(札幌)

MVP:森重(FC東京)

FWは、断トツの得点王の豊田。
もう一人今季ブレークした阿部。
さらに反町監督にエヒメッシと命名された愛媛の斎藤をチョイス。
OHには、得点を量産したMFの柿谷と早坂。
DHには、DHながら多くの得点をあげた菊岡。
SBには、攻撃的な西嶋と攻守で高い存在感を見せた徳永。
GKには、札幌の堅守を支えたイホスン。

MVPには、CBながら6得点し、FC東京の堅守を支えた森重を推したい。

皆さんのベストイレブンとMVPはどんな感じでしょうか?

 

1位:FC東京

MVP:森重

MVPには、J2MVPにも推した森重。

攻守で圧倒したシーズン。
序盤戦こそ苦戦したが、ルーカスの加入後勢いが出てJ2制覇だけではなく、J2初の天皇杯制覇を成し遂げた。
序盤戦の苦戦は、平山の怪我と厚い厚い選手層が、災いして、なかなか成熟度の高い攻撃が出来なかった事が原因と言える。
しかし、その間守備は安定しており、なかなか負けなかったのは大きい。
序盤戦は、したいサッカーが見えてこず、昨季降格した様なサッカーをしていた。
試合を重ねる毎に安定感と成熟度が増し、戦力の整理が進んだ感じがした。
攻撃の一番の鍵は、前述した通りルーカスで間違いないだろう。
ロベルトセザーも最終的にはフィットし、多くの得点をする事ができた。
それでもまだまだ来季のためにもより最適化が必要なチームと言える。
その中で、ACL、ナビスコ、天皇杯、J1、ゼロックス、CWC等多くのタイトルを狙える状況でJ1に昇格出来た事は大きい。

2位:サガン鳥栖

MVP:豊田

J2得点王だし、文句なしでの選出。

主力が、何人か抜けた中での昇格。
序盤戦は、堅い守備を武器に安定した成績を残して来た。
中盤辺りから攻撃が機能し、大量得点する試合もあった。
ロングスローも大きな武器となり、スローインから多くの得点を生み出した。
そして、なんと言ってもエース豊田の活躍は大きいだろう。
ここぞという試合でしっかり決めてくれる頼れるエースの存在のは大きかった。
彼らの中心に攻撃的MFの選手が得点を重ね、取るべき選手が得点を取れた事は大きかった。
攻守共に噛み合い初昇格を掴んだ充実としたシーズンを終え、来季J1に臨む。

3位:コンサドーレ札幌

MVP:イホスン

多くの試合に出場し、堅守を支えたイホスンをチームMVPに推薦したい。

選手層の部分で不安な状態で開幕を迎えた。
その中で、序盤戦は、出遅れた。
なかなか勝てない試合が続いたが、守備は安定した。
攻撃も思う様に機能しなかった。
だが、持ち前の守備の良さが最後まで崩れる事無く、徐々に攻撃が噛み合って来ると順位も自然と上がっていた。
気がついた時には、昇格圏で、終盤昇格争いを繰り広げられた。
最終節首位のFC東京を破り、堂々のJ1昇格を決めた。
今季は、怪我人が少なく少数精鋭でJ2リーグを勝ち抜いた。
来季は、しっかり準備してJ1に残留したい。

4位:徳島ヴォルティス

MVP:柿谷

MFながら高いセンスを発揮し、多くの得点をした柿谷を推したい。

序盤から攻守安定サッカーを披露。
特にセットプレイの練習を重点的に行い失点が少なく得点が多かった。
順位は、安定して、上位に顔を出した。
選手の入れ替えが、年々行われて、実力がついてきた。
今季は、遂に昇格争いできるまでに成長する事ができた。
それだけに今季は昇格したかっただけに最終節とその前の節が悔やまれるシーズンとなった。
今季、昇格争いのプレッシャーを経験出来た事は大きい。
来季こそは昇格したい。

5位:東京ヴェルディ

MVP:阿部

J2の2位の得点をあげた阿部をチームMVPに推したい。

攻撃面に関しては、5位以上の物があった。
一方で、守備面は、土肥の怪我等もあり、平均的な数字に終わった。
大量得点の試合がある一方で、なかなか攻撃が機能しない試合もあった。
攻撃は、パスと個人技の融合した質の高いものを見せていた。
攻撃は最大の防御とは、彼らのための言葉と言っても良い。
高いポゼッションで、相手チームを圧倒したシーズンだった。
来季は、そういった試合を増やし、J1昇格したい。

6位:ジェフユナイテッド千葉

MVP:深井

深イイゴールを決めた深井をチームMVPに推したい。

序盤戦は、オーロイの高さを活かしたサッカーで他チームを圧倒した。
マークミリガンのロングスローも有効だった。
徹底した放り込みサッカーで、攻守共に高い安定感を発揮していた。
運動量をあまり必要としないので、相手が疲れて来た時間での得点が多く、勝負強さを発揮していた。
しかし、オーロイが怪我すると一気に失速した。
大島を補強するが、穴は埋めきれず、結局6位に終わってしまった。
来季は、オーロイに依存しないサッカーで昇格を目指したい。

7位:京都サンガF.C.

MVP:久保

チーム最多の10得点をあげた久保を推したい。

序盤戦は3バックに取り組んだ。
しかし、思う様に機能せず、苦しんだ。
順位もなかなか上がらず、勝てない試合が続いた。
その中で、このシーズンに加入した若手が活躍していた。
終盤に4バックに変更して以降安定した実力を発揮し始める。
若手の活躍もあって最終的に7位まで順位を上げた。
終盤負けたのは、天皇杯を含めて、岡山とFC東京のみ。
非常に攻守で安定していた。
来季は、この勢いでJ1昇格したい。

8位:ギラヴァンツ北九州

MVP:池元

チーム最多得点の池元をチームMVPに推したい。

昨季の1勝と比べるとかなりの躍進を遂げた。
J1の出場機会に恵まれない有望な若手を獲得した事と三浦監督と言う良い監督に巡り合えた事は大きい。
昨季とは違い、攻守でクリエイティブなプレイが多くなった。
GKは、ベテランの佐藤がが守りチームを鼓舞した。
若いチームの中で彼の存在は大きかった。
また、今季は、ホームでの勝率が良かった事もこの順位に繋がった。
この躍進の勢いのまま来季は6位以上を狙いたい。

9位:ザスパ草津

MVP:熊林

中盤の選手として攻守で中心選手として活躍した熊林をチームMVPに推薦したい。

年々少しずつであるが、順位を上げて来た通り着実に力をつけている。
シーズン途中にラフィーニャがG大阪に期限付き移籍するというアクシデントがあったが、この順位つける事ができたのは大きい。
中盤には、パスセンスに優れた選手が多く、良いリズムでの攻撃を仕掛ける事ができた。
また、アレックスというパス精度と決定力の高い選手が居たことも大きい。
守備もそこそこ頑張っていた。
来季は、6位以上を目指して頑張りたい。

10位:栃木SC

MVP:リカルドロボ

12得点をあげたエースのリカルドロボをチームMVPに推したい。

序盤戦は、高い完成度を誇ったゾーンプレスの4-4-2システムで安定した成績を残し、昇格する勢いだった。
攻守で、良い感じに機能しており、上位チームに強さを発揮する等、高い熟成度の高いサッカーだった。
このまま昇格するのかと思っていたが、パウリーニョが怪我した事で、急激に失速した。
彼の存在が攻守でも多く、水を運ぶ選手を失った栃木は、結局10位に終わってしまった。
来季は、そういった薄かった選手層を厚くして、完成度の高いゾーンプレスで、J1昇格したい。

11位:ロアッソ熊本

MVP:南

長沢と迷ったが、頼れる守護神をチームMVPに推したい。

長沢やファビオといった選手を中心とした長身選手を的にした放り込みサッカーだった。
中盤省略の簡略なサッカーを展開した。
攻撃に人数を書けない、放り込みでの速攻サッカー。
そのため、序盤戦は守備が安定していた。
長沢の不調もあってチームは失速する事になった。
その間大迫が調子を上げて来る等、試行錯誤を繰り返した事で、好材料もあった。
このサッカーを来季も継続するのか気になるところである。

12位:大分トリニータ

MVP:森島

多くの試合に出場し、二桁得点を決めた森島をチームMVPに推薦したい。

チームの方は、当初は4バックでスタートした。
その中で、なかなか勝てない試合が続いた。
シーズン途中に3バックに変更した事で、巻き返しに成功。
FWの選手を多く起用した。
象徴的なのが、CBでの起用。
この起用には驚かされた。
そういった感じで、本職では無い選手を上手く起用して良いサッカーをする事ができた。
3バックの完成度は、そこそこ高く来季にも期待が持てる。

13位:ファジアーノ岡山

MVP:キムミンキュン

途中加入ながら多くの試合に出場し、4得点のキムミンキュンをチームMVP推薦したい。

3バックで臨んだ開幕戦5-0で大敗するという衝撃的スタートだった。
その後も苦戦するも途中加入の選手の活躍等で、徐々に調子を上げてきた。
色々と試行錯誤を続け、退場者が出て4バックに変えた時以外は、3バックを貫いた。
その結果、シーズン終盤には、シュート数で相手を上回る試合が多く、3バックの熟成度を上げる事ができた。
今季3バックをやる上で、ストヤノフの存在は大きかった。
植田、後藤の両CBは、ストヤノフの影響を受け、成長した。
今季の3バックの手応えを来季に繋げたい。

14位:湘南ベルマーレ

MVP:坂本

MFながら6得点の坂本をチームMVPに推したい。

序盤戦は、高い組織力で、堅守を築き昇格圏を行っていた。
このままJ2を突きぬけるのではという勢いがあった。
しかし、一度大敗してから、攻守の歯車が狂いだした。
守備をベースに取り組んだシーズンだったが、その守備が崩れてしまい歯止めが効かなくなった。
その結果ずるずる順位を下げ、最終的に14位に終わった。
来季に向けて一からチームを作って再びJ1を目指したい。

15位:愛媛FC

MVP:斎藤

反町監督にエヒメッシと評された斎藤をチームMVPに推したい。

序盤は、3位につける事もあった。
今季は、齋藤の加入が大きかった。
個人の力で打開できるその個人技は大きな武器となった。
周りとの連携も良く攻撃に良い影響を及ぼした。
しかし、斎藤の起用方と斎藤が怪我で調子を落とした事、絶対的SBだった関根の怪我等が響きシーズン途中から迷走。
苦しい中で3バックにチャレンジした。
それでも勝てない試合が続き、大きく順位を下げた。
その中での収穫は、東が可能性を感じるプレイを見せた事だろう。
来季も3バックにするのか気になるところである。

16位:カターレ富山

MVP:苔口

8得点の苔口をチームMVPに推したい。

シーズン開幕前から3-3-3-1の新システムに注目の集まったシーズンだった。
ただ、運動量が要求されるシステムで、後半崩れる事が多かった。
なかなか勝てない試合が続き苦しい序盤戦となった。
シーズン途中から3-6-1に変更。
これが、チームに好影響をもたらした。
勝てる様になり順位を少しあげる事に成功。
来季も3バックを継続するなら熟成度をあげたいところである。

17位:水戸ホーリーホック

MVP:本間

守護神としてチームを引っ張った本間をチームMVPに推したい。

開幕戦に勝利良いスタートを切った。
闘将の気合いが注入されたチームは、高い集中力で勝負強さを発揮した。
今季の水戸はやるぞという感じがしたが、中盤に差し掛かる辺りで失速。
鈴木のアマチュア契約での男気溢れる加入があったが、チームの流れを変える事ができず。
なかなか勝てない試合が続いた。
鈴木と林谷監督の熱さが象徴的なチームとなった。
来季も気持ち溢れるサッカーを展開したい。

18位:横浜FC

MVP:カイオ

9得点のカイオをチームMVPに推したい。

優勝候補にも名前を上げられる戦力を持ちながらこの順位に終わった。
内容で相手を上回っても勝てない試合が続いた。
多くの試合に出場したカズも無得点に終わった。
途中加入のフランサも目立った活躍できなかった。
岸野監督の熱い気持ちがチームに浸透する事を期待されていたが、熱い気持ちが、空回りするシーズンだったと言える。
来季は、その気持ちを良い方向に発揮させたい。

19位:ガイナーレ鳥取

MVP:実信

多くの試合に出場し、9得点の実信をチームMVPに推したい。

シーズン序盤は、良い感じのスタートを切った。
早い段階でJ2初勝利をする等、鳥取がJ2で十分通用すると誰もが思った。
しかし、夏場辺りに運動量の少なさが響き持ち味の組織的守備が機能しなくなり中盤が間延びする時間が増える様になりなかなか勝てなくなった。
順位も19位まで下がり、そこから上げる事が出来ず低迷した。
18位とは大きく差が開いてしまい実力差を痛感したシーズンとなった。
来季は、一つでも上の順位を目指したい。

20位:FC岐阜

MVP:押谷

9得点の押谷をチームMVPに推したい。

シーズンの早い時期に最下位になって以降一つも順位を上げる事ができなかった。
中盤辺りまで、得点と失点がワーストという厳しいシーズンだった。
それでも終盤には、昇格した鳥栖相手にノーガードの打ち合いで引き分ける等、攻撃が機能し始める。
その結果得点のワーストから脱した。
一つでも上の順位を目指し、気持ちの入ったプレイを見せる結局上げられず、サポ、選手にとって悔しいシーズンとなった。
来季から降格の可能性がある事を考えると、終盤の攻撃の様にチーム全体で勝ちにいきたい。


皆さんのチームMVPは誰になりましたか?
皆さんの応援するチームはどんな感じでしたか?

●最後に

J2から天皇杯優勝チームと準優勝チームを輩出するというJ2のレベルも上がってきている事を証明するシーズンとなった。
FC東京は、圧倒的な差をつけて昇格する事も考えられたが、予想以上に苦戦。
得失点差でこそ大きな差をつけたが、勝ち点では、戦力を考えると満足のいく数字では無かった事は確かである。
2位の鳥栖は、オリジナル10で最後の昇格チームとなった。
来季は、J1で是非残留を決めて欲しい。
3位札幌は、サポの数を考えてもJ1に相応しいチーム。
是非J1定着を目指して、もっとビッククラブに成長して欲しい。
一方で岐阜は苦しいシーズンとなった。
来季は、巻き返して欲しい。
来季から6位以上にJ1昇格のチャンスがあるという事で、楽しみなシーズンである。
今季以上の盛り上がりに期待したい。

Jリーグから世界へ

To Be Continued

by杉野雅昭


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