J2:7節:H:ファジアーノ岡山VS松本山雅FC「勝利するも2戦連続劣勢で、課題が残った試合」

岡山VS松本:1-0
得点者:20川又
観客数:7877人

●岡山スタメン

20川又
7キムミンキュン・36関戸
17服部・8千明・14仙石・2沢口
5植田・18竹田・3後藤
1中林

●リザーブ

GK:21真子
DF:22篠原
MF:25田所・13石原・11桑田
FW:19中野・10チアゴ

●途中交代

7キムミンキュン→13石原、20川又→19中野、17服部→25田所

 

●松本スタメン

19塩沢
8弦巻・32船山
16鐡戸・5小松・38喜山・14玉林
23多々良・28飯尾・4飯田
21野沢

●リザーブ

GK:25白井
MF:27大橋・30渡辺
FW:11片山・13木島徹也・33木島良輔・35久木田

●途中交代

5小松→33木島良輔、32船山→13木島徹也、38喜山→27大橋

●戦評

松本が試合に良い形で入る。
CKでは、ゾーンディフェンスから離れた位置に集まったり、ショートコーナーを使って来たりと岡山を研究しているのが良く分かった。
岡山は、DFラインがいつも違う事があって、終始安定感に欠けた。
松本は、そこを基本ロングパスを中心とした攻めで崩しにかかった。
それでも岡山は、少ないチャンスをしっかり物にして先制。
逆に松本は、守備に人数を割いてる分人数が足りないという拙攻が響いた。
カウンターから何度かチャンスを作りかけるか、最後のフィニッシュを良い形をで迎えれず最後まで岡山の守備を崩せなかった。
この結果、岡山を研究し、試合の主導権を握れながら松本は4戦連続無得点で、2連敗となった。

●得点シーン

☆20川又の得点(岡山1点目)

8千明が、サイドのスペースにいる5植田へパスを出す。
5植田がもって少しドリブルして、サイドのライン際に居る17服部へパスを出して、スペースへ走り込みDFを引きつける。
17服部が、7キムミンキュンへバックパスを出し、ダイアゴナルランを仕掛ける。
それを見ていた7キムミンキュンが、その走り込んだ先に出す。
DFが混乱し、その結果17服部がフリーとなる。
17服部は落ち着いて、20川又の足下へパスとも言えるぐらいの距離からグラウンダーのクロスをいれる。
それをそこしかないコース(21野澤の右横を抜けゴール内向ってカーブするシュート)に20川又がシュートを決めてゴール。

20川又の軌道は正直運もあったというゴールでしょうね。
流石に狙ってその軌道のシュートを打てる選手であれば、J1でもうとっくにゴール決めてますからね。
それでも同じ様な位置で、昨年岸田が外したりしてましたから運も実力のうちだったと思います。
昨年は、運がありませんでしたが、今季はあるので、二桁本気で狙えるのでは?

解説者も言ってましたが、5植田、17服部、7キムミンキュンの動きが良かったですね。
影山監督が確かアイデアとかを共有して創造性のある崩しで得点するのが理想という趣旨のコメントを度々残してますけど、まさにそのゴールに近い得点ではないでしょうか。
こういったプレイを増やしていけば、理想に近い面白いサッカーが出来るので、観客を楽しませる事ができますし、非常に価値のあるゴールだったと思います。

●松本の印象

ロングパス主体というシンプルな攻撃で、繋ぐというイメージはなかった。
ただ、その分攻撃の人数が少なく怖くなかった。
シュート数こそ良く打っているが、33木島良輔辺りが入って来るまでは、個人技で勝る選手も少なかったし、岡山に脅威を与えれてなかった。
セットプレイや攻撃スタイルを見ても岡山を研究しているのが、良く分かったが、得点奪うまでには至らなかった。
守備は、そこそこ堅かったが、攻撃はまだまだ課題が有りそうなチームと感じた。

●松本の印象に残った選手

38喜山選手ですね。
正確なロングパスから何度もチャンスを作ってました。
38喜山の展開から何度ピンチを迎えた事か。
FKも正確で、良い弾道でした。
伸びがありますよね。
この出来だと岡山に戻って来る可能性もありそうです。
8千明や14仙石の代わりにスタメンで出るのは、難しいかもしれませんけど。

●DFの層が薄い

18竹田がCBの真ん中でしたけど、彼は空中戦に弱いので、5植田が背が高い選手をマークし、ポジションチェンジせざる得ない試合でした。
出来れば、こういった守備をしたくないのですが、仕方ない事です。
そう考えると18竹田のCB起用はネックでしょうね。
昨季のストヤノフも空中戦に弱くスピードが無かったので、そこを突かれました。
18竹田は、一番高い選手に当たらなくても空中戦で負けてましたし、これは痛かった。
ただ、岡山でパスを円滑に回せるCBって少ないですよね。
そういった意味で、4近藤、5植田、22篠原、24坂本を中央で起用できないのはその辺りにある。
空中戦に弱い18竹田を使わざる得ない現状というのはかなり厳しい。
左右のCBに関しては、22篠原や24坂本もある程度のレベルまで成長来ているし、今季は、彼らに出番があればなと思っている。
勿論、実力で勝ち取って欲しいので、なかなか出番がないだろうけど、その機会がくれば、良いプレイをしてスタメンを勝ちとって欲しい。
そして、少しずつ選手層を厚くしていって欲しい。

●中盤省略のサッカーに弱さをみせる

岡山の中盤の厚いを所を越して、3枚とWBが戻る前のスペースを使われると苦しい。
この試合でも38喜山辺りからサイドを使うロングパスで揺さぶられてましたね。
特に終了間際にパワープレイ気味にどんどん蹴られて守勢に回った事もあってカウンターでしか攻撃できない状態でしたね。
この試合では、セカンドボールをなかなか拾えなかったのもあって、主導権は松本にあった。
やはりDHの選手に上背が無いのがネック。
ここを松本の反町監督がロングパスを多用する様なサッカーにしたの理由の一つだと思います。

●36関戸と7キムミンキュンの同時起用は無しにしもあらず

タイプが似ていると思っていたので、同時起用は、難しいかなとも思ってましたが、この試合を見る限りはありですね。
二人ともチャンスを広げる効果的パスを出してました。
今までは、1トップの選手が、ストライカータイプではなかったので、得点能力が求められましたけど、20川又が1トップならば、パサーでも問題ないですね。
とは言っても、36関戸は飛び道具持ってますけどね。
ゴール出来るのは時間の問題と思っています。
正直7キムミンキュンより36関戸の方が、私は活躍すると思ってましたけど、この試合を見る限りは、7キムミンキュンでしたね。
今後この二人のレギュラー争いは、楽しみですね。
9アンデルソンとかが戻ってきたり、調子の良い選手をスタメン起用したら外れる可能性もありますし、本当に今季は、前線のレギュラー争いが熾烈ですね。

●主導権が握れない事に関して

やはり球際の弱さやプレスへの弱さがその理由にあると思います。
前項と重複するが、もう少しセカンドボールが拾えれば違うのですけど、8千明と14仙石のDHコンビだとそこで負けてしまう。
彼らに身長があれば、岡山に居ないかもしれないですけど。
ただ、世界的に見て小さくても活躍選手が居ますし、岡山のサッカーであるパスサッカーで主導権を握りたい。
現状では、パスミスが散見されるので、理想にはまだ遠いが、着実に影山監督の理想に近づきつつある。
私は6位予想としたが、千葉に勝って4連勝できるものなら十分可能性が出て来るだろう。
私としては、比較的影山監督を指示をしているので、よっぽどでない限り続投して欲しいですけど、フロントがどう考えるかですね。
まだ、序盤戦ですけど、そういった意味では、影山監督にとっては勝負どころでしょうね。

●評点

岡山側

GK1中林:6,0
ハイボール処理が安定していた。
一回落としかけて空中でキャッチし直したり、フィードが低弾道で、相手選手の元へ行ったりと怖いシーンもあった。

CB5植田:6,0
非常に評価が難しい選手。
クリアが真上に2度上がったり、クリアまで時間がかかったり、クリア精度を欠いたりと冷や冷やする守備もあった。
それでも得点に繋がるオフ・ザ・ボールの動きや相手の突破を防ぐ守備等良いプレイもあったのも事実。
完封もしたし、ある意味試合を盛り上げた。

CB18竹田:6,0
空中戦では、流石になかなか勝てなかったが、カバーリングやポジショニングで良い守備もあった。
攻撃では、ビルトアップで無難に繋いだ。

CB3後藤:6,5
積極的攻撃参加で、何度かクロスをあげた。
CBながら運動量が多く良く走った。
守備でも1:1や空中戦で、強さを見せた。

DH8千明:5,5
いつものインターセプトとサイドチェンジといった持ち味を発揮した。
ただ、その回数は、いつもより少なく、ミスパスが目立った。

DH14仙石:6,0
長距離の楔パスを通したり、正確なサイドチェンジでチャンスを作った。
惜しいシュートを放ち積極的にゴールを狙うプレイもあった。

WB17服部:6,0
消えてる時間もあったが、アシストのシーンは良い動きをした。

WB2沢口:5,5
1:1で攻守で活躍が光った。
クロスを上げるもこの日は合わなかったが、そこそこの精度だった。

OH36関戸:5,5
消えてる時間も結構あったが、ボールを持てばいいプレイをする確率は高い。
良いロングパスや、高いキープ力を活かしたプレイが光った。

OH7キムミンキュン:6,0
服部のアシストに繋がるスルーパスを通した。
高いテクニックが随所で見られた。

FW20川又:6,5
この試合のMOM。
ゴールは素晴らしかった。
それ以外のシーンでもストライカーらしくゴールに迫るプレイを見せた。

途中交代

13石原:6,0
スピードを活かしたプレイをで、存在感を示した。

19中野:5,5
シュートを狙うを枠に飛ばなかった。
フリーだったし、落ち着いて狙って欲しかった。

25田所:5,5
守備に追われて攻撃ではあまり見せ場が無かったが、投入の狙いである守備で仕事をしあ。

影山監督:5,5
交代カードは、13石原以外は、あまり機能しなかった。
ただ、20川又と17服部は、運動量が落ちてきていたので、交代自体は妥当。

松本側(的外れかもしれませんが、ご了承ください)

GK21野沢:5,5
ポジショニングが良かった。
フィードやFKで味方の選手と連携して工夫して蹴っていた。

CB23多々良:5,5
対応に苦しんでいた。

CB28飯尾:5,5
空中戦で強さを見せた。

CB4飯田:5,5
そこまで崩される事は無かった。

DH5小松:5,0
早い時間に失点した事で、持ち味をあまり発揮できなかった。

DH38喜山:6,0
視野の広さを感じる正確なロングパスを何度か通した。
FKでもほとんど蹴り良いボールを蹴っていた。

WB16鐡戸:5,5
正確なクロスを入れていた。

WB14玉林:5,0
ファールが多かった。

OH8弦巻:6,0
懐が深く、裏を欠く上手いターンやパスで見せ場を作った。

OH32船山・FW19塩沢:5,5
前線から果敢にプレスをかけた。

途中交代

33木島良輔:6,0
ドリブルで、存在感を示した。

13木島徹也:5,5
あまり印象に残らなかった。

27大橋:評価不可

反町監督:6,0
岡山を研究している事が良く分かる攻守の形を見せた。
攻撃も流れを変えようとしているのが分かった。

審判(主審:村上・副審:五十嵐・間島):5,5
荒れることなく、上手いジャッジでコントロールしていた。

●8節希望スタメン

20川又
7キムミンキュン・36関戸
17服部・8千明・14仙石・2沢口
5植田・3後藤・22篠原
1中林

リザーブ

GK:21真子
DF:24坂本・18竹田
MF:25田所・13石原
FW:19中野・10チアゴ

変更点

36関戸をスタメン希望に。
この試合で7キムミンキュンとの共存もありそう。
30一柳と4近藤は怪我なので外した。
18竹田より22篠原を見てみたい。
ただ、フィード精度も良い物を持っているが、守備で多少不安がある。
そういった意味では、18竹田の方が無難と言えば無難。
その辺りどういった選手起用するのか注目したい。

岡山から世界へ

To Be Continued

by杉野雅昭


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