J2:6節:A:徳島ヴォルティスVSファジアーノ岡山「内容では負けたが、試合には勝った」

徳島VS岡山:1-2
得点者:10鈴木、7キムミンキュン、20川又
観客数:5121人

●岡山スタメン

20川又
7キムミンキュン・19中野
17服部・8千明・14仙石・2沢口
4近藤・3後藤・30一柳
1中林

●リザーブ

GK:21真子
DF:5植田
MF:18竹田・25田所・13石原・36関戸
FW:10チアゴ

●途中交代

19中野→36関戸、8千明→13石原、17服部→5植田


●徳島スタメン

11津田・19キムジョンミン
10鈴木・7徳重
16斉藤・14濱田
24那須川・33福元・25大久保・27花井
1榎本

●リザーブ

GK:21オスンフン
DF:6西嶋
MF:17衛藤・18宮崎・20上里
FW:9ドウグラス・22ジオゴ

●途中交代

7徳重→6西嶋、11津田→17衛藤、19キムジョンミン→22ジオゴ

●評

前半は徳島が、プレスを非常に効果的に効かし、風を上手く味方につけた。
徳島は、流石小林監督という感じで、守備組織がしっかりしていた。
その守備から岡山のミスを誘発して得たFKのチャンスからPKを得て、それを10鈴木が決めて徳島が先制した。
ただ、徳島のサッカーは、非常に運動量がいるサッカーで、後半足が止まってきた。
そこに岡山が選手交代で流れを引き寄せた。
その結果、今季初のセットプレイから7キムミンキュンの得点が岡山に生まれた。
その勢いの乗った岡山が、その後すぐに20川又が勝ち越しゴールが決まり逆転。
岡山は、残り時間を上手く使い徳島のフラストレーションを溜めた。
それにイライラし、徳島の選手が二人退場し、勝負あり。
内容では、徳島だったが、選手交代をきっかけに流れを掴んだ岡山が劣勢の中勝利した。

●失点シーンと得点シーン

★1失点目

3後藤がボールを10鈴木に奪われてカウンターを受ける。
3後藤が10鈴木を後ろから追いかけてボールに触れるもファールを取られる。
そのFKを27花井が蹴るが、19中野がハンドでPK。
そのPKを10鈴木が決めてゴール。

3後藤のファールは、ボールにいってるからファールでない筈。
ただ、その前でボールを10鈴木に奪われた事が問題。
19中野も故意というよりは、反射的にだろうけど、勿体ない。

☆1得点目

14仙石のCKに24那須川のマークを振り切って7キムミンキュンがニアのスペースに走り込んでヘッドでゴール。

今季初のセットプレイからの得点という事で今後に繋がる得点だった。

☆2得点目

1中林のパントキックから相手にクリアされるが、セカンドボールを2沢口が拾って13石原へ。
13石原は、前を塞がれていたので、落ち着いて30一柳へバックパス。
30一柳は、フリーで近くにいる7キムミンキュンへパス。
7キムミンキュンは、振り返りながらボールを受けて20川又の位置を見てすぐ浮き球のスルーパスを出す。
20川又がすねでトラップして前へ落とす。
「25大久保に体を引っ張られていたが、倒れてPKを貰おうか悩んだが、ストライカーの性で、強引にシュートに持って行った(という趣旨のコメント何かで見た。)」というシュートを決めてゴール。

7キムミンキュンのパスが珍しく正確で、上手くスルーパスが通った。
20川又も今までの岡山に居ない様なパワフルなストライカーらしい素晴らしいゴールだった。

●徳島の印象と印象に残った選手

前半は、非常に運動量があり、組織的で連動性のあるプレスができていた。
岡山のDHコンビもなかなか仕事をさせて貰えないぐらいきつかった。
私は、岡山が主導権を握るものと思っていたが、主導権は徳島が握っていた。
高い位置で奪って良い攻撃に繋げる。
シュートカウンターが何度も見れて狙い通りの前半であった様に思う。
正直チームとしての力の差を感じました。
試合には勝ったものの風の影響を考慮しても内容では負けていましたし、昨季昇格争いしたチームだけありますね。

印象に残った選手は、10鈴木選手。
退場して評価は、低くなったものの再々ドリブルでチャンスを演出してました。
先制点のPKを得るFKを得たのも彼のプレイからですし、間違いなく、徳島の攻撃の中心選手の一人だと思います。
スピードとドリブルは、大きな武器の選手だと思いました。

●今季初のセットプレイからの得点

やっと入りましたね。
キッカーの14仙石のFKの精度は、平凡なんで、ここから多く得点をセットプレイから取るという事は、やはり難しい。
その中で、この試合でのセットプレイの7キムミンキュンの得点の様にスペースに走り込んだ所へ蹴れれば得点チャンスは増えて来る。
高さは、そこそこありますし、それを活かしていきたいですね。
後、岡山の選手のFKでのゴールというのが少ないので、そこでどれだけ取れるかは、今後昇格を狙う上でポイントとなる。

●17服部か?25田所か?

17服部の良い所はボールをパス以外で簡単に失わない事とクロス精度。
さらにトラップの技術は、かなり高いと思います。
一方で、25田所の良い所は、ポジショニングと運動量。
守備もがつがつ行くので、良い感じです。
この二人をどう起用していくかは、監督の腕の見せ所。
この試合の様にプレスがきつい場合は、ボールをあまり失わない17服部の方が良いでしょうね。
25田所だと、ミスから失点という可能性もあったのではないかと。
その辺りをしっかりリサーチしながら長所や短所を把握した上での起用が出来るのが理想。
どちらとも抜けた存在とは言い難く併用というのが、私の結論。
17服部もベテランですし、休ませつつ良い状態で試合に臨ませたいですね。

●右WB一番手は?

恐らく13石原。
2沢口を起用しているのは、後半切るカードが減るから。
2沢口の時より13石原の方が攻撃が機能している。
本来ならば、13石原のスタメンもありえる。
ただ、そうした場合、終盤での切り札を失ってしまうし、途中交代で出ている時より相手が疲れていない分スピードで、振り切るのが難しく持ち味を発揮できない。
それに2沢口がベンチだとあまり意味がない。
13石原がベンチならOHでも起用が可能だし、OHの9アンデルソンが怪我している現状だと2沢口にせざる得ない。
この状況でも34田中が、サッカーにフィットして13石原の様な活躍をすれば、長い時間右サイドを中心に崩す事が可能になるだろう。
勿論、2沢口の守備力も確かにあるが、13石原の攻撃のメリットの方が大きい。
それでも、2沢口スタメンで13石原途中交代の方が流れは変えやすい。
そういった事を考えれば前項でも述べた通りWBでの競争が昨季以上に熾烈で、今後どう起用していくのか楽しみなポジションであり、今後注目したい。

●FW一番手は?

間違いなく20川又。
ポストプレイ、得点能力、フィジカルは20川又が一番。
競り合いの強さや足下の巧さは10チアゴ。
アイデアは、19中野。
この3人を比べて時、ストライカーらしいのは20川又。
得点できるし、前線で起点となれる選手が居るのは大きい。
球際で勝って裏へ抜け出せるフィジカルの強さも目立つ。
ゴールを見てもJFL以降の岡山史上最高の選手だろう。
今季は、二桁得点する事も十分可能な選手である。
今後の活躍に期待したい。

●36関戸はスタメンで起用すべし

本来は、スタメン起用したい選手である。
ただ、8千明と14仙石のパックアップとしてベンチに入れておきたいという監督の考えだろう。
OHで起用しておいて、下げる手もあるが、万全の状態の方が良い。
ただ、それでも個人的にはスタメンで起用すれば活躍してくれる選手だと思うし、ベンチは勿体ない。
セットプレイのキッカーとしても期待できる選手であるし、彼が出れば、得点できる可能性は上がりそうである。
もしかするとOH(ST)として得点能力を影山監督が疑問視している可能性もある。
7キムミンキュンと少しタイプがだぶるのも関係している可能性もある。
DHで起用すれば、8千明と14仙石と違うタイプもあるが、悪く言えば球離れの悪く、良く言えばキープ力あるので、OH(ST)での起用がベストだが、本職であるDHでも悪くない。
7キムミンキュン、19中野よりパスが上手い選手だし、そこで起用すべき。
チームアシスト王になれるポテンシャルのある選手。
得点能力に関しては、もう何試合か見て見極めたい。
ただ、シュートテクニック・力・精度は7キムミンキュン以上の選手ではないかとという片鱗を感じる。
そう考えると7キムミンキュンより36関戸の方がスタメンというのが本来の形。

●徳島のプレスをいなすぐらいでないといけない

予想以上の徳島のプレスだったとはいえ、前半はFKからのシュートのみという酷い内容だった。
8千明と14仙石のコンビをもってしても中盤でポゼッションする事ができなかった。
8千明に関しては、珍しくボールを失うというらしくないプレイをしてしまった。
J1だとこれぐらいのプレスをしてくるチームもあるし、これぐらいで自分達のサッカーができない様だと、昇格争いは厳しい。
そのためにパス精度、連携、ポジショニング、運動量全ての面で、ランクアップする必要がある。
今の岡山のサッカーは、パスで主導権を握るサッカーだと思っているし、そういったサッカーで内容でも結果でも勝てる試合を増やしていきたい。

●冴える監督采配

スタメンの修正能力の高さがここまで目立っている感じがします。
悪い選手をすぐ変えて、良い選手に変えている。
パフォーマンスの悪かった11桑田を見切った辺りが良い例ですね。
他にも開幕戦でパフォーマンスの悪かった18竹田をすぐ外したりとかスタメンに拘らず状態の良い選手を起用するという姿勢が伝わってきます。
選手を起用するポジションでも、36関戸のOH起用も大学時と違う起用方ですし、13石原のWB起用や5植田のWB起用。
選手を見る眼の向上が伺えます。
私の中での影山監督の評価は、上がりつつありますね。
私の予想である、6位以上であれば是非続投して欲しい。

●評点

岡山側

GK1中林:5,5
流石にPKは止められなかった。
これといった見せ場は無かった様に思う。
フィードが、低弾道で、相手選手の元へ行った時は危なくなりかけた。

CB4近藤:5,5
一柳が上がる分しっかり守ってバランスを取った。

CB3後藤:5,5
失点に繋がるミスがあった。
それでも、随所随所に見せるプレイは、質が高い。

CB30一柳:6,0
積極的攻撃参加で、右サイドの攻撃に厚みをもたらした。

DH8千明:5,5
ボールを失うという珍しいシーンがあった。
全体的にプレスに苦しみ持ち味を出せなかった。

DH14仙石:6,0
正確なパスで、攻撃を組み立てた。
CKから7キムミンキュンのゴールをアシストした。

WB17服部:5,5
パスを通せればチャンスというシーンで、何度かカットされた。

WB2沢口:5,5
WBでは、豊富な運動量、DHでは、体を張った守備を見せた。

ST7キムミンキュン:6,5
この試合のMOM。
1ゴール1アシストとチームを勝利に導いた。

ST19中野:5,0
あまり良い所がなかった。
ハンドをしてPKを与えてしまった。

FW20川又:6,5
豪快なストライカーらしい決勝ゴールを決めた。

途中交代

36関戸:5,5
流れを変えるプレイを見せた。

13石原:6,5
右サイドを制圧してチャンスを多く作った。

5植田:評価不可

影山監督:6,5
交代で、流れを変えて逆転に導いた。

徳島側(的外れな評価もあるかもしれませんが、ご了承ください)

GK1榎本:5,5
的確なポジショニング等で、シュートを防いだが、2失点は防ぐのは難しかった。

CB33福元:5,5
読みを活かした守備を見せた。

CB25大久保:5,0
ファールすれすれの守備をするも20川又のゴールを防げなかった。

SB24那須川:6,0
ポストに当たる惜しいFKを放ち持ち味を発揮した。

SB27花井:5,5
テクニックを活かした攻撃参加を見せた。

DH14濱田:4,5
退場してチームの反撃の機運を下げた。

DH16斉藤:5,5
視野の広いパスで攻撃を支えた。

SH10鈴木:5,0
良いプレイを見せてチャンスを作っていたが、二人目の退場者となり、実質試合を終わらせてしまった。

SH7徳重:5,5
攻撃の流れを作った。

FW11津田:5,5
決定機を作るポジショニングが光ったが、決め切れなかった。

FW19キムジョンミン:5,0
思った様な仕事ができなかった。

途中交代

6西嶋:5,5
攻撃参加を見せた。

17衛藤:5,0
流れを変えるまでは至らず。

22ジオゴ:5,5
ポストプレイで、起点を作っていた。

小林監督:5,0
守備はしっかりとしたチームを作ってきたが、後半劣勢に立った時に流れを呼び戻す采配ができなかった。

審判:4,0
カードを出し過ぎて、ゲームをコントロールできなかった。
微妙な判定もいくつかあった。

●松本戦希望メンバー

☆スタメン

20川又
36関戸・19中野
17服部・8千明・14仙石・2沢口
5植田・3後藤・30一柳
1中林

☆リザーブ

GK:21真子
DF:4近藤
MF:18竹田・25田所・13石原・7キムミンキュン
FW:10チアゴ

☆変更点

17服部と5植田をスタメン希望とした。
試合を有利に進め相手が5バック気味になると予想されるので、25田所よりクロス精度の高い17服部が良い。
同様の理由から攻撃参加の多い5植田をスタメンにする方がより有利に進められると考える。

岡山から世界へ

To Be Continued

by杉野雅昭


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