2012:A代表:親善試合:日本VSブラジル「ドイツW杯から差を縮めったどころか広がった事を痛感する悔しい敗戦」

日本VSブラジル:0-4
得点者:5パウリーニョ、11ネイマール、11ネイマール、8カカ

1、日本情報

ザッケローニ監督

スタメン

4本田
圭佑
10香川 真司、14中村 憲剛、8清武 弘嗣
7遠藤 保仁、17長谷部 誠
5長友 佑都、22吉田 麻也、15今野 康幸、6内田
篤人
1川島 永嗣

リザーブ

GK:12西川 周作、23権田 修一
DF:16栗原 勇蔵、3駒野 友一、21酒井
宏樹、25酒井 高徳
MF:13細貝 萌、20高橋 秀人
FW:9乾 貴士、19宮市 亮、24佐藤
寿人、11ハーフナー・マイク

途中交代

6内田 篤人→21酒井 宏樹、14中村 憲剛→9乾 貴士、17長谷部 誠→13細貝
萌、8清武 弘嗣→19宮市 亮、22吉田 麻也→16栗原 勇蔵

 

2、ブラジル情報

マノ・メネゼス監督

スタメン

11ネイマール
8カカ、10オスカル、20フッキ
7ラミレス、5パウリーニョ
14レアンドロ・カスタン、4ダビド・ルイス、3チアゴ・シウバ、2アドリアーノ・コレイア
1ジエゴ

リザーブ

GK:12ビクトル、22ジェフェルソン
DF:13デデ
MF:15フェルナンド、16サンドロ、17ルーカス、18ジュリアーノ、19チアゴ・ネービス
FW:9レアンドロ・ダミアン

途中交代

20フッキ→18ジュリアーノ、8カカ→17ルーカス、11ネイマール→9レアンドロ・ダミアン、7ラミレス→16サンドロ、10オスカル→19チアゴ・ネービス

3、戦評

入りは、互角の展開。
しかし、余裕を持って、日本にパスを回させていたブラジルが、一瞬の隙を突き先制。
さらにPKで、ブラジルが追加点。
後半は、日本は、選手が、交代した事もあり、前半より内容が酷くなる。
ボールをほとんど回せなくなり、ブラジルが、ボールを回す。
日本は、ブラジルに嘲笑われるかの様に3点目、4点目と追加点を奪われ格の違いを見せつけられた。
ブラジルは、サッカー王国の実力を遺憾なく発揮して、完勝。

4、得点分析

ブラジル:1得点目:5パウリーニョ

4ダビド・ルイスのロングフィードを6内田が、ヘッドで、クリアミスし、10オスカルに渡る。
10オスカルは、スペースに走り込んで来た5パウリーニョへパスを出す。
5パウリーニョは、そのままダイレクトで、シュートを放つ。
1川島が飛び付いて手の伸ばすが、その手の上を越えて左隅に決まってゴール。

ミスを見逃さないですね。
技術の高さを感じるゴールでもありました。

ブラジル:2得点目:11ネイマール

5パウリーニョが、サイドの8カカへパスを出す。
8カカは、後ろから駆け上がって来た2アドリアーノ・コレイアにパスを出す。
2アドリアーノ・コレイアは、そのままサイドを駆け上がり、クロスを入れる。
クロスを受けた8カカに15今野が対応するが、スライディングタックルした際にハンドを犯してしまいPK。
このPKで、11ネイマールが、1川島の動きをしっかり見て冷静に真ん中に蹴り込んで、ゴール。

ブラジルのサイドでの連携が素晴らしかったですね。
最後の15今野のハンドが、勿体なかった。

ブラジル:3得点目:11ネイマール

10オスカルのCKから。
10オスカルは、ファーサイドへ蹴る。
5長友が、ジャンプするが、届かず11ネイマールが、胸トラップする。
そして、11ネイマールは、シュートを放ちそれが、22吉田の足に当たってコースが、変わった事で、逆を突かれた1川島は、動けずそれが、転がって入りゴール。

不運と言えば不運だが、田中
マルクス闘莉王を思わせる胸トラップする落ち着きが素晴らしい。

ブラジル:4得点目:8カカ

15今野が、22吉田へバックパス。
22吉田が、11ネイマールのプレスを受けてダイレクトで、前へパスを出すが、5パウリーニョにカットされてそのボールが、11ネイマールに渡る。
11ネイマールはダイレクトで、8カカへパスを出す。
8カカに22吉田が、対応する。
それでも8カカは、シュートまで行き1川島が、左足で、触れるも右隅に決まってゴール。

見事なカウンターでは、あるのですが、22吉田の安易なパスが、悔やまれる。
加えて前掛かりになっていた後ろの選手が、少ないので、パスを出す相手が、限定されバックパスせざる得なくなったという事情もあるにせよしっかり繋がなければならない。

5、レビュー(日本側)

ザッケローニ監督への不満点

1、21酒井 宏樹を25酒井 高徳より評価している事

6内田に代えて21酒井
宏樹を投入した事で、6内田が、上手くビルトアップしていたいのに21酒井
宏樹になった事で、右サイドの攻撃が機能不全に陥った。
交代するにしても3駒野か25酒井 高徳であるべき。
この辺り21酒井
宏樹の評価が、高い事が、伺えるが、個人的に25酒井 高徳がみたい。

2、宮市の投入の遅さ

足が止まりつつあった8清武に代えて、19宮市をもっと早く投入しても良かったのではないかと。

3、本田の1トップ起用及び最後まで出場させた事

24佐藤や11ハーフナーを起用すべきでは?
起用しないぐらいなら呼ぶな。
特に24佐藤。
11ハーフナーは、フランス戦で起用していたので、まだ理解できる。
4本田の1トップも機能しなかった訳ではないが、やはり完全なるフィニッシャーでは無いので、動きの質がMFで、誰が、決めるのかという問題があった。

この試合で、この3つは、少なくとも言えたと思います。
実力差があるとはいえ、それを縮めるのが監督であり、あまりに無策だった。

チームとしての課題

1、3人目のボランチ

7遠藤と17長谷部の代役としての選手が13細貝では、イマイチだった。
特に攻撃面が…
他の選手の招集も検討した方が良いレベル。

2、1対1の強さ

やはり、育成からまだまだ足りない部分は多い。
まだまだ日本は、実力的に発展途上。
それだけ個の部分で、1対1で、負けていた。
全体的サッカーの底上げが、まだまだ必要というの再認識出来た。

3、ストライカー不足

南アフリカW杯の時からFWが、本職でない選手を1トップ起用する等、得点力不足を露呈した。
そういった意味で、ストライカーらしい選手が欲しかった。
この辺り、ザッケローニ監督の選手を見る眼、選手を活かす戦術。
そういった部分が、足りないという側面もある。

他にも足りない部分や不満があると思うが、現状の立ち位置というのが、見えた。
監督の選考を含めて、考えるべきかもしれない。

通用した部分

1、パス回し

相手が、パスを回せていた部分があるが、細かい所をしっかり繋ぐ事は、出来ていた。
後は、誰が決めるか。

2、創造性

決して、ゴール前のアイデアが、なかった訳では無い。
工夫したスルーパスや、スペースを突く動き出しやパスを出せていた場面もあった。
この辺り日本サッカーの成長と言える部分です。

3、運動量

決して、ブラジルに比べて少なかったという事は無いと思います。
ここが、日本の誇るべき所だと思います。

結論

日本の足りない物。
日本の通用する物。
それを再認識できた。
ブラジル様な強いチームと試合をする事で、より明確な目標が出来たと思います。
すぐには、良くなる事は無いですし、自身(自信)を完全に失うことなく、プライドを持って、次回の対戦で、リベンジして欲しい。

6、レビュー(ブラジル側)

全てにおいて圧倒的で、日本を翻弄した。
守備では、無理に取りに行かず、1対1で、しっかり勝ち防いだ。
攻撃では、攻めさせて、見事なカウンターで、何度もチャンスを演出。
このサッカーを支える個人技の部分で、世界最高峰。
シンプルプレイでもしっかりチャンスにする差を感じた。
また、個が不和を起こすことなく、調和の取れたサッカーが、出来ていた。
本当に強い。

7、評点

日本側

ザッケローニ監督:3.0:色々と不満を感じる采配をみせた。

GK1川島
永嗣:4.0:4失点喫した。
CB15今野 康幸:4.0:インターセプトからオーバーラップを見せていたが、PKを献上した。
CB22吉田
麻也:4.0:前へのパスを尽くカットされた。
SB5長友 佑都:5.5:20フッキを上手く抑えた。
SB6内田
篤人:6.0:ビルトアップで、右サイドを活性化し、守備でも11ネイマールを厳しくマークした。
DH7遠藤
保仁:6.0:劣勢でもしっかりボールを繋ぎ、攻撃を牽引した。
DH17長谷部 誠:5.5:攻守で、総合力の高さを見せた。
SH10香川
真司:5.0:ドフリーのオフサイドさえ枠にシュートが飛ばなかった。
SH8清武
弘嗣:5.0:円滑なパス回しを見せていたが、決定的仕事が出来なかった。
OH14中村
憲剛:5.0:パスを回せていたが、決定的仕事が出来なかった。
FW4本田
圭佑:5.5:シュートを狙うも1点が遠かった。

途中交代

9乾
貴士:5.0:ボールを少し持ち過ぎていて、パス成功率が、低かった。
21酒井 宏樹:4.0:ビルトアップが、酷過ぎ。
13細貝
萌:5.0:ボールを奪っても前にパスを繋げなかった。
19宮市 亮、16栗原
勇蔵:評価不可。

ブラジル側

マノ・メネゼス監督:7.0:選手を最大限活かす選考、サッカーが、少なくともこの試合は、出来ていた。

GK1ジエゴ:6.5:危ない場面もあったが、しっかり防ぎ完封。
CB4ダビド・ルイス:7.0:しっかり潰す守備をし、攻撃もしっかり組み立てた。
CB3チアゴ・シウバ:7.5:的確なポジショニングや1対1で、無失点に貢献。
SB14レアンドロ・カスタン:6.5:攻守で、持ち味を発揮した。
SB2アドリアーノ・コレイア:7.0:PKを誘うクロスを入れた。
DH7ラミレス:7.0:守備では、しっかりパスコースを切り、攻撃では、推進力を見せた。
DH5パウリーニョ:8.0:DHながら1得点を決め、決定機ももう1回あった。
SH8カカ:7.5:攻守で、上手くバランスを取り、カウンターでも何度か良いパスを見せ、自身もゴールを決めた。
SH20フッキ:6.0:決定的クロスを入れていたが、全体的には、パフォーマンスが悪かった。
ST10オスカル:7.0:精度の高いCKで、11ネイマールのゴールをアシスト。
FW11ネイマール:7.5:もっと出来る選手だが、それでも2得点の活躍。

途中交代

18ジュリアーノ:6.0:上手くゲームに入った。
17ルーカス:6.5:決定機を作るも決め切れなかった。
6レアンドロ・ダミアン、16サンドロ、19チアゴ・ネービス:評価不可

主審:6.0:上手く裁いてゲームを作った。
副審:4.0:明らかなゴールをノーゴールと判定する誤審をした。

8、MOM

「5パウリーニョ」

DHながら攻撃で、存在感を放った。
勿論守備の方でも、しっかりパスをカットし、攻撃に繋げた。
2度の決定機の内、一度しっかり決めた。
先制ゴールだったし、チームに勢いを作った。

9、満足度

2点(10点満点)

本来は、0点だが、ブラジルのサッカーが、面白かったので2点とした。

日本から世界へ
To
Be
Continued

by杉野雅昭

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