2015年ファジアーノ岡山総括

1、内容

2:攻撃編
3:守備編
4:総合編
5:2015年ベストイレブン
6:MVP

2、総括(攻撃編)

今季は、堅守速攻を目指す中で繋いで崩すのではなく、リスクの少ないロングパスで攻めようと意識が高かった。
そのため支配率が下がり、攻撃時間が短くなった。
加えて、10千明 聖典がDHのゲームメーカーとして出ていた際は、前へのパスが少なく、攻撃がより停滞していた。
しかし、24矢島 慎也が、DHのゲームメーカーとプレーし始めると縦への長いパスをどんどん狙うようになり、監督のやりたい堅守速攻のサッカーが再現し易くなった。
終盤は、前線の選手数が揃うと、2トップも導入し、そのパスからDFラインの背後を突きより、ゴールで近い所にボールを運ぼうという試みが行われた。
一方で、サイド攻撃というのが物足りなく、サイドからのドリブルの崩しというのが、ほぼ皆無であり、対戦相手からすれば、怖さが無かった。
この部分をどう改善していくのかが課題の一つ。
また、終盤に守備を固めた時にどうカウンターの芽を残すのか。
そういったバランスの保ち方も課題。
そして、なんと言ってもセットプレーの得点力を如何に増やすのか。
シュートを増やして、CKを増やして、ドリブルで、如何に良い位置でファールを貰うのか。
ここにトライして行かないといけない。

3、総括(守備編)

危険な所を数でしっかり消す。
この隙の無い守備が出来ていた。
一時期攻撃的にシフトした際にそのスペースを突かれて、失点を重ねて、チームの状態を崩す要因になった時期もあった。
運動量というのがベースとあり、夏場に攻守でハードワークが求めれ、その負荷に耐えうるインテンシティをチームとしてどう保つのか。
35岩政 大樹の言うゲームの中でのペース配分、行く時と我慢する時の見極め。
これも大事な要素と言える。
また、35岩政 大樹が、どっしりと後ろに構える事で、空中戦に対して、非常に強かった。
加えて、ドリブルやパス回しの地上戦に対して、1対1のデュエルを避けて、数的有利の守備機会を作る事で、危険なシーンを極力減らしている。
また、その数的有利の守備の作り方が、今季は格段に巧い。
8渡邊 一仁が走り回っている事と、21加地 亮のポジショニングというのも大きい。
昨季からのベースにあった守備意識の高さもあって、昨季以上の守備の固さを誇った。
前線からのハイプレスも良く見せていたが、後半にペースダウンした所から守備の綻びが生まれるという試合が少なくなかった。
ペース配分であったり、そういったハイプレスで、如何に奪いきれるか。
そういった部分も煮詰めて行かないといけない。

4、総括(総合編)

監督不信。
今季は、サポーターからそういった趣旨の声が聞かれた。
見ていて楽しいポゼッションサッカーを捨てて、より守備にシフトした堅守速攻のサッカーへの移行。
内容より結果重視のサッカーと言える。
非常に手堅い一方で、単調で以前の様な魅力に欠けた。
その要因としてWBの選手にドリブラーを起用しなくなった事。
ロングパスが増えた事。
全体的な走力が減った事。
ポゼッションサッカーの中で活きる流れに変化を齎せる選手を起用しなくなった事。
その監督不信を解消するためには、堅守速攻の醍醐味であるダイナミックな迫力あるカウンター。
また、劣勢を跳ねのけて、勝利を掴むジャイアントキリング。
この部分を解決しての勝利を重ねる事。
そういった意味で、続投という事で、このチャンスで、そういった魅力をどう発揮していくのか。
これが大事である。

5、ベストイレブン

監督

長澤 徹

スタメン

14押谷 祐樹
33伊藤 大介、19片山 瑛一
25田所 諒、24矢島 慎也、8渡邊 一仁、21加地 亮
6竹田 忠嗣、35岩政 大樹、39篠原 弘次郎
1中林 洋次

リザーブ

GK:22椎名 一馬
DF:4近藤 徹志
MF:17島田 譲、26田中 奏一、15三村 真
FW:7黄 辰成(ファン・ジンソン)、9岡本 英也

選考理由は、選手評と重複する部分があるため省略します。

6、MVP

24矢島 慎也

アシストもゴールも記録できる超攻撃的なボランチとして、岡山に新たな風をもたらした。
基礎技術の高さがこれだけサッカーに華やかさを齎すのか。
ある意味、サッカーの新たな魅力を教えてくれたこれからが楽しみな若手。

岡山から世界へ 
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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