2016:天皇杯:2回戦:A:vsコンサドーレ札幌「リーグ戦とは少し違った戦術」その2

2、得点経過

A:岡山:0-1:30豊川 雄太(10矢島 慎也)

岡山(ビルトアップ)→10矢島 慎也(裏へのロングスルーパス)→30豊川 雄太(裏へスピードで抜け出す)→ボール(1バウンドするもそこまで伸びず30豊川 雄太が追いつく)→30豊川 雄太(ダイレクトでしっかりミートしたシュートを放つ)→21阿波加 俊太(全く動けず)→ゴール(右ポストバーに当たって内側に跳ねて決まる)

A:岡山:0-2:20藤本 佳希(10矢島 慎也)

岡山(北海道陣内でパスを回して隙を伺う)→19片山 瑛一(少しドリブルして10矢島 慎也のマークを引き付ける)→10矢島 慎也(マークが外れた事で出来る一瞬の時間に精度の高いスルーパスを出す)→ボール(アウトにかけた回転で1点目同様伸びずに20藤本 佳希が追いつく)→24福森 晃斗(20藤本 佳希のシュート阻止するには少し遠い)→20藤本 佳希(倒れる様にシュートを放ち先に触ってコースを変える)→21阿波加 俊太(飛び出すも触れず)→ゴール

H:北海道:1-2:9都倉 賢(PK)

北海道(パスを繋いで隙を伺う)→24福森 晃斗(楔形パス)→44小野 伸二(ダイレクトで浮き球の背後へのパス)→9都倉 賢(フィジカルを活かした仕掛けでDFと入れ替わろうとする)→6竹田 忠嗣(体を入れていたが、入れ替わられた所で手を使って倒す)→PK(北海道)→9都倉 賢(左に強く蹴る)→22椎名 一馬(逆を突かれる)→ゴール(しっかり枠に飛んで決まるも同時に試合終了)

3、戦評

数値評

攻撃評価:B
守備評価:B
采配評価:B
総合評価:B

文章評

ベテランの主力を温存し、若いフレッシュな選手で臨んだこの試合。
その狙い通り、前線からのスピードのある寄せであったり、スピード感のあるカウンターは、見ていて気持ちよかった。
20藤本 佳希と30豊川 雄太が10矢島 慎也の1本のパスで抜け出して、ゴールを決めたが、二人とも前半から狙う動きを見せており、それを決めきる力と、シュートを選択するまでの速さという積極的な姿勢が実った得点。
一方で、サイドを上手く使って攻める事が出来ていたが、肝心の精度を欠くシーンも目立ち改善の余地がある。
しかし、スペースに上手く走り込んでクロスまで行ったり、仕掛けてクロスまで行く。
こういった事が多かった事を考えてもサイドの主導権を握れた事は、9都倉 賢と13内村 圭宏を9都倉 賢のPK1本の失点に抑えるという成果に繋がった。

少し気になったのは、前半の速い時間帯に5-4-1に近い守備組織を引いた事。
実は、これは、前線の3人を考えた時に理に適っている。
普段は、24赤嶺 真吾、14押谷 祐樹、7伊藤 大介といったスピード無い3人が担っている。
しかし、この試合では、20藤本 佳希、30豊川 雄太、11三村 真というスピードのある3人だった。
つまり、先制した状況では、カウンターを狙う方が、良い形を作れる可能性は高い。
実際に攻められてもスペースを与えない守備で、北海道の攻撃をしっかりと抑えて、カウンターで追加得点かという決定機も作った。
この試合では、高いポゼッションを誇っていた北海道だったが、シュート数が少なかった事を考えてもこの選択は、結果として勝利に繋がった。

この試合の最大の発見は、リーグ戦では若手、中堅、ベテランといった選手を上手く起用している事が良く分かる内容だった事である。
選手の事を良く考えたチーム戦術を採用している事は、前半から逃げ切りシステムを採用した事からも分かる。
基本となる戦い方を変えず、確実に自分達の戦い方を確立し、少しずつ戦術に幅を持たせている。
一年目は、前任の影山 雅永監督のサッカーの戦い方からのシフトチェンジとチーム構成に苦しんだが、35岩政 大樹のカリスマによる多くの選手が集まった。
過去最高の戦力の総和を出番の少なかった選手を起用して、結果を残した事で、高める事が出来た。
この内容と結果は選手起用や戦術の幅が広がるものであり、確実に次の試合へと繋がるだろう。

試合評

MOM:10矢島 慎也(岡山)
MIP:44小野 伸二(北海道)
満足度:7点(10点満点)

岡山から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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