2017:J2:6節:H:vs東京ヴェルディ「カウンターの完成度の差で敗れる」

岡山vs東京V:0-1
得点者:2安西 幸輝(6安在 和樹)
観客数:8,551人

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

審判

主審:家本 政明:2.5
副審:山内 宏志、清水 崇之:2.5

H:岡山

監督

長澤 徹:3.0

スタメン

19片山 瑛一:2.5
27塚川 孝輝:2.5、10大竹 洋平:2.5
17朴 亨鎮(パク・ヒョンジン):2.5、16関戸 健二:3.5、7伊藤 大介:3.0、2澤口 雅彦:2.5
14喜山 康平:2.5、39篠原 弘次郎:2.5、6竹田 忠嗣:2.5
22一森 純:2.5

リザーブ

GK:1椎名 一馬
DF:31下口 稚葉、3久木田 紳吾
MF:8石毛 秀樹、21加地 亮
FW:11三村 真、30豊川 雄太

途中交代

27塚川 孝輝→30豊川 雄太:3.0
10大竹 洋平→11三村 真:3.5
7伊藤 大介→8石毛 秀樹:2.5

寸評

監督:長澤 徹:27塚川 孝輝のFW起用は、お見事。ただ、采配での勝利は引き寄せれなかった。
GK:22一森 純:何度もファインセーブし、ゲームを作ったが完封は出来なかった。
左CB:14喜山 康平:攻守での存在が際立つも結果に繋がらなかった。
中CB:39篠原 弘次郎:球際のデュエルで試合を通して戦った。
右CB:6竹田 忠嗣:久々のスタメンで、持ち味の攻撃参加をみせた。
DH:16関戸 健二:多くのプレーに絡むも危険なミスも目立った。
DH:7伊藤 大介:パスでの打開を図るも結果に繋がらなかった。
左WB:17朴 亨鎮:クロスでチャンスメークを図るもブロックに合ったり、その前にボールを奪われたことも目立った。
右WB:2澤口 雅彦:攻守でベテランらしい的確なプレーで効いていた。
ST:27塚川 孝輝:フィジカルの強さをデュエルで発揮し、パスやシュートで強い存在感を放った。
ST:10大竹 洋平:出場している時間は、チームに魔法をもたらした。
CF:19片山 瑛一:攻守で献身的なプレーで、ハードワーク出来ていた。
途中交代:30豊川 雄太:久々のスーパーサブとして出場も見せ場を作れず。
途中交代:11三村 真:局面打開を期待されるもなかなか持ち味のスピードを活かせず。
途中交代:8石毛 秀樹:精度の高いクロスでチャンスメークするも結果にはつながらなかった。

 

A:東京V

監督

ミゲル・アンヘル・ロティーナ:2.0

スタメン

9ドウグラス・ダ・シルバ・ヴィエイラ(ドウグラス・ヴィエイラ):3.0
7アラン・ロペス・ピニェイロ(アラン・ピニェイロ):2.5、10高木 善朗:2.5
6安在 和樹:2.5、27橋本 秀郎:2.5、17内田 達也:2.5、18高木 大輔:2.5
5平 智広:2.5、19永田 充:4.0、3井林 章:2.5
1柴崎 貴広:2.0

リザーブ

GK:26太田 岳志
DF:4畠中 槙之輔
MF:2安西 幸輝、8中後 雅喜、30高木 純平
FW:11中野 雅臣、38梶川 諒太

途中交代

19永田 充→4畠中 槙之輔:2.0
9ドウグラス・ヴィエイラ→2安西 幸輝:2.0
10高木 善朗→38梶川 諒太:評価不可

2、得点経過

A:東京V:0-1:2安西 幸輝(6安在 和樹)

経過

7伊藤 大介(前を伺ってキープする)→2安西 幸輝(背後から寄せてボール奪取からパス)→18高木 大輔(前へ当てるボール)→39篠原 弘次郎(空中で競ることを放棄)→7アラン・ピニェイロ(ポストプレーで頭でパス)→14喜山 康平(ボール奪取を試みるも触れずアフターでファールも流される)→10高木 善朗(ドリブルから絶妙なスルーパス)→6安在 和樹(裏へ抜け出してGKと1対1だか横パス)→22一森 純(前に詰める)→2安西 幸輝(足で合わせて無人のゴールへシュート)→ゴール

コメント

奇麗なボール奪取からのカウンターに沈んだと表現できる失点。始まりと終わりも2安西 幸輝というのも味噌であると思います。高いボール奪取能力に加えて、全体がコンパクトに保たれているので、そこからの攻守の切り替えが速い。また、ゴール前での流れを見ても技術の高さも感じる部分があり、7アラン・ピニェイロの高さも絡んでいる。競りにくいボールではあったが、39篠原 弘次郎が競れなかったのも痛かった。
一方で、岡山のカウンターには、スピードとテクニック、前への意識が不足しており、現段階では、この東京Vの様なカウンターは、難しいように思います。昨季から遅攻の割合が多く、カウンターを仕掛けられる場面でも早々に放棄し、バックパスで遅攻に切り替える。バックパスや横パスが悪いわけではないが、良い攻撃の形が作れていないのも事実です。矢島 慎也という中盤から縦にスピードを上げて、リズムを変える選手が、7伊藤 大介だけというのも得点力不足の原因と言える。

3、戦評

数値評

評価基準

良:A~E:悪

H:岡山

攻撃評価:C
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C

A:東京V

攻撃評価:B
守備評価:A
采配評価:B
総合評価:B

文章評

両チームハイプレスが効果的で、攻守の切り替えが速く、フェアな試合であり、ピッチ内でのプレーが多い試合でした。特に前半は、決定機こそ少なかったですが、見応えがありました。このハイプレスを活かせた東京Vにこの試合の軍配が上がりました。今回は、そのハイプレスを中心に述べていきたいと思います。

まずは、岡山のハイプレスに関して述べたいと思います。この試合から19片山 瑛一が、怪我から復帰して、フル出場しました。20藤本 佳希にはなかった献身的な守備というのを90分間で、適切なタイミングとしっかり行えていました。もちろん、20藤本 佳希の時もしっかりコースを切るような守備の仕方をしていましたが、インテンシティに関しては、物足りないというのが、正直な感想です。更にこの試合では、27塚川 孝輝と10大竹 洋平も交代するまで19片山 瑛一のプレスを合図に連動したプレスを仕掛けられていました。ここまでの6試合で、一番プレスのインテンシティがあった試合であったと思います。しかし、19片山 瑛一の下のポジションの2人の組み合わせになった時は、19片山 瑛一の疲労、2人の連動性の部分で、ハイプレスの効果が低下していました。今後の課題として、90分間通して、如何に守備を機能させるかというのは、大きなポイントとなります。
また、岡山のハイプレスは、ハイラインを保つためには必要であり、同時に岡山の弱点である高さ不足を隠すためにも必要です。ここまでの6試合は、この部分がある程度機能しているので、高身長で空中戦に強い選手が戻ってくれば、オプションが増え、攻守で良い方向に向かうと思います。現状は、セットプレーの得点がPKのみで、高さ不足が、攻撃で出ており、24赤嶺 真吾、19片山 瑛一、33張 碩元、27塚川 孝輝といった選手をどう起用していくのかが、浮沈を握る鍵になりそうです。

そして、東京Vのハイプレスに関してですが、距離感と数的有利が1つのポイントと言えると思います。岡山でも単発で、ボールを奪いに行くという事もありました。しかし、東京Vのハイプレスの特徴は、素早く寄せる事が出来ているので、ボールホルダーにプレッシャーをかけてプレーの選択を狭めるだけではなく、プレーの成功率を下げる事が出来ていました。その特徴が、特に出たのは左サイドの17朴 亨鎮の攻防であると思います。17朴 亨鎮は、クロスに特徴のある選手なのですが、得点に絡む事も多い選手です。しかし、この試合では、なかなかクロスを上げたり、中に入っていくというプレーまでなかなかできず、制限されていました。その際に、1人だけではなく、複数の選手で守備することもあり、マークされていました。
クロスをなかなか上げれない(通せない)ハイプレスと、比較的クロスの上げやすい(通しやすい)ハイプレス。この差は、非常に大きいと思います。シュートを9本放つことが出来ましたが、決定機らしい決定機が無かった通り、ゴールの決まりやすいシュートコースは開いていなかった。もしくは、限定されていた。形は出来ているが、決定機をなかなか作れなかったのは、そこにあったと思います。しかし、J1昇格から定着、そして、優勝を目指すのではあれば、こういった部分を突き破れる攻撃の形の構築を進めなければならない。加えて、東京V以上の守備組織の構築も目指して欲しい。

最後に前線の3人について述べてしめたいと思います。
まずは、27塚川 孝輝ですが、フィジカルの強さとメンタルの強さを活かしたプレーが光っていました。デュエルの部分で、しっかり戦えていましたし、FWとして、しっかり得点を狙えていました。また、シャドーとして、ポストプレーやパスの起点として機能していました。運動量も豊富で、ミスを恐れない新人離れした素晴らしい選手であると思いますので、これからの活躍が楽しみです。
次に19片山 瑛一ですが、公式戦で、久々のFWでの出場。この試合では、守備が非常に良かったと思います。寄せる所で、しっかり寄せて、後ろの選手を助けていました。回数も質も良く、岡山のサッカーをしっかり理解しており、頼りになります。ポストプレーもしっかり出来ており、攻守で、重要な仕事の出来る選手であると思います。24赤嶺 真吾が戻ってきた時に、彼の負担を軽減し、時には、同時起用により、攻守で活躍して欲しいです。
最後に10大竹 洋平ですが、ハイプレスにより数と距離を制限されていましたが、繊細なタッチで、ボールを奪われず、攻撃の形を作っていました。守備でもセンスがあり、ボール奪取出来るシーンもあり、デュエルの部分でも臆さず、アタック出来ていました。10大竹 洋平が、出場していた時間帯は、攻守で、岡山のサッカーが機能しており、まるで魔法がかかっているかの様に錯覚してしまうぐらい大きな期待感を持つことが出来ます。コンディションの部分で向き合う必要があるので、フル出場が難しいのが、残念です。魔法がかかっている時間帯にどれだけプレーを大事に出来るかどうか。これは、勝敗を左右するぐらい重要な事で、エースである24赤嶺 真吾の様にしっかり結果を残せるか。それが、序盤から中盤に向けての1つの指針になると思います。

試合評

MOM:2安西 幸輝(東京V)
MIP:27塚川 孝輝(岡山)
満足度:6点(10点満点)

岡山から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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