2017:J2:35節:H:vs大分トリニータ「絶望から渇望へ」

岡山vs大分:0-3
得点者:48川西 翔太(11林 容平)
観客数:9,858人

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

審判

主審:廣瀬 格:2.5
副審:関谷 宜貴、日高 春樹:2.5

H:岡山

監督

長澤 徹:4.0

スタメン

24赤嶺 真吾:3.0
16関戸 健二:3.0、10大竹 洋平:3.0
11三村 真:3.0、5渡邊 一仁:3.5、27塚川 孝輝:3.5、21加地 亮:3.0
19片山 瑛一:3.5、39篠原 弘次郎:3.5、3久木田 紳吾:4.0
22一森 純:3.5

リザーブ

GK:13櫛引 政敏
DF:33張 碩元(チャン・ソグォン)
MF:7伊藤 大介、17朴 亨鎮(パク・ヒョンジン)、8石毛 秀樹
FW:30豊川 雄太、18ニコラス・オルシーニ(オルシーニ)

途中交代

3久木田 紳吾→18ニコラス・オルシーニ(オルシーニ):2.5
5渡邊 一仁→8石毛 秀樹:3.0
11三村 真→17朴 亨鎮(パク・ヒョンジン):3.0

 

A:大分

監督

片野坂 知宏:2.5

スタメン

11林 容平:2.0
27三平 和司:2.5、9後藤 優介:2.5
16山岸 智:2.5、48川西 翔太:2.0、33鈴木 惇:2.0、7松本 怜:2.0
6福森 直也:2.5、4竹内 彬:2.5、5鈴木 義宣:2.5
21上福元 直人:2.5

リザーブ

GK:31高木 駿
DF:14岸田 翔平、35坂井 達弥
MF:8黄 誠秀(ファン・ソンス)、10フランシスコ・ソウザ・ドス・サントス(シキーニョ)、17國分 伸太郎
FW:18伊佐 耕平

途中交代

11林 容平→18伊佐 耕平:2.5
16山岸 智→10フランシスコ・ソウザ・ドス・サントス(シキーニョ):2.5
27三平 和司→8黄 誠秀(ファン・ソンス):評価不可

2、得点経過

A:大分:0-1:48川西 翔太(11林 容平)

 岡山がビルトアップからの崩しに失敗し、バックパスからプレスを受けてロングボールを前線に入れて繋がらなかったシーンから始まります。ボールを奪った大分が一気に前線の11林 容平につけて、そこに向かって走っていた48川西 翔太が、ラストパスを受けます。前に39篠原 弘次郎がいる状況でしたが、構わず48川西 翔太はシュートを打ちます。これが39篠原 弘次郎に当たってコースが変わり、22一森 純は、逆を突かれてしまい動けず、あっさり失点。

 前節同様に岡山の後ろからの組み立ての不味さにより、逆襲を受けての失点。直接的なミスは少ないものの後ろの展開力の部分で物足りなさを感じた。

A:大分:0-2:33鈴木 淳

 大分の縦へ付けるパスを18伊佐 耕平がポストプレー。9後藤 優介がそのパスを受けて切り込んで行き、深い位置から中へクロスを入れます。後方からやってきた27三平 和司のシュートは、22一森 純がファインセーブ。しかし、そのセカンドボールに反応した33鈴木 惇が、強烈なボレーシュートを放ちます。これが、クロスバーに当たって入っていましたが、プレーが続いていました。しばらくすると、副審のアピールに主審が気付いて、大分が追加点が正式に認められ、岡山にとっては痛い失点。

 ゴール前に集まった所を外からやられてしまう失点パターン。守り方的にこの失点パターンであれば、仕方ないです。素晴らしいゴールでありましたが、個の守備力を向上しない限り、こういった守り方になりがちかと思いますので、押されている時間帯に如何に個人の守備範囲を広げ、多くのスペースをカバーできるのかという点は、1つのポイントになるかと思います。

A:大分:0-3:7松本 怜(27三平 和司)

 大分がビルトアップからしっかり繋いで、岡山の陣地にパスで迫っていきます。その過程でバイタルエリア付近で、27三平 和司がドリブルで、キープして、右サイドへスルーパスを出します。このスルーパスに反応した7松本 怜がトラップして、右足でコースを突いたシュート放ちます。これが左に決まって、大分が駄目押しの追加点を奪って勝負有り。

 実は、7松本 怜へのスルーパスが出た時なのですが、39篠原 弘次郎がオフサイドを狙った動きを見せていました。この時普段からラインコントロールをしている選手は、しっかり戻ってオフサイドトラップを仕掛けていましたが、普段は、DHをやっている27塚川 孝輝が残っていた事で、オフサイドになりませんでした。その結果、7松本 怜のシュートコース阻止が難しくなり、実際にシュートまでいかれてしまいました。このシーンを見てもCBとしての練習不足と連携不足が出た事で、それが、致命傷になったという失点であったと思います。この時期にきて、チームの多様性や柔軟性というチーム作りが出来ていなかったと感じる失点内容と言えると思います。

3、戦評

数値評

評価基準

良:A~E:悪

H:岡山

攻撃評価:D
守備評価:E
采配評価:E
総合評価:E

A:大分

攻撃評価:B
守備評価:B
采配評価:B
総合評価:B

文章評

 讃岐戦の敗戦を受けて、可能性をある限り戦い続ける岡山にとってホームでの連敗は許されない試合。しかし、チームを引っ張ってきたキャプテン14喜山 康平を出場停止で欠くという厳しい条件という事もあり、そこをどう補って戦うのかというのは1つのポイントとなりました。対する大分もPOの可能性が、岡山以上にあり、大分にとっても勝ちたい1戦。岡山と大分は同じシステムのミラーゲームであり、個の局面でどう戦うか気持ちを見せるかという試合でした。
 しかし、結果は、讃岐戦に続いて敗れ、しかも大差での完敗でした。この結果を受けて、POは、現実的ではなくなってしまいました。チームとしては、可能性がある限り戦い続けるでしょうけど、かなり厳しい道で、自分達を殻をどう破っていくのか、そういった点に注目していく事になります。

 さて、この試合ですが、14喜山 康平を出場停止で欠いた事もあり、守備的な布陣で入って行こうという意図があったと思います。しかし、逆に攻撃面でのビルトアップの面で、前節暴露された弱点をこの試合でも突かれてしまい逆に負担になってしまいました。それが、前半での選手交代に繋がりました。18ニコラス・オルシーニが、流れを少し引き寄せるも決定機逸機もあると、後半に追加点と駄目押し点を許してしまいました。結局なかなか攻撃の形を作れなかった岡山に対し、岡山の14喜山 康平というキャプテンを欠いて、バランスを崩していた岡山が、最後まで得点を奪えず、意地も見せれず、痛すぎる連敗となってしまいました。

 この試合で指摘すべき点いくつかありますが、まず1つ目は、3久木田 紳吾のCBとしての限界です。飛び出しの判断が悪くなってきており、インターセプトも減り、ビルトアップでもミスが目立つようになってきました。判断の質という部分で、物足りなく感じました。岡山の戦力としては、限界が近づいてきていると思います。
 2つ目は、27塚川 孝輝のCBです。判断の質の部分で、他のレギュラーと比べて、大きく劣っていたと思います。ラインコントロールの部分で、1人だけ残りオフサイドを取れなかったシーンを含め、ビルトアップや1対1の守備でも不安定で、チームとして形にするには、まだまだ時間がかかると感じました。このパフォーマンスであれば、今季は、CBを任される可能性は低いと思います。序盤戦であれば、我慢して起用する事も考えられましたが、終盤戦という事を考えると、プレーオフ進出が消滅しない限り、まずないでしょう。
 3つ目は、この時期に選手の持ち味を活かし切れていないのは、痛いですね。8石毛 秀樹、10大竹 洋平といった技術を持った選手を巧く起用できておらず、チームの一員としてのフィットしきれていないのは痛いと思います。この試合でもほぼ見せ場はなく、得点という結果に繋げる事が出来ませんでした。この辺りに監督の攻撃における限界を感じました。

 最後にプレーオフ進出からJ1昇格の可能性こそ僅かに残っているもののチームの完成度を考えると、難しいと思います。可能性ある限り、ベストメンバーで戦うでしょうけど、チームとしての戦力を活かし切れなかった部分は大きく、かなり難しいでしょう。終盤に失速する事は例年通りで、長澤 徹監督の采配や選手起用だけではないと思いますが、時期や状況を考えると、ここで、1つの選択肢を選ぶという決断としても良いと思います。J1を目指して、足踏みをしている状態を続いている事を考えると、そろそろ大きな変化に繋がる選択肢を選んでもいいと改めて感じた1戦となりました。この結果、今季でのJ1昇格に対しての「絶望」から来季での改革への「渇望」に変わりつつあると状況的には言えそうです。残り試合J1昇格を目指す事は勿論ですが、例えそれが潰えても来季以降を見越した大事な試合になりますし、1戦必勝で、最後まで戦い抜いて欲しいです。

試合評

MOM:33鈴木 惇(大分)
MIP:18ニコラス・オルシーニ(岡山)
満足度:2点(10点満点)

岡山から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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