2018:A代表:欧州遠征:A:vsウクライナ「チームとしての完成度に不安を残したが選手選考の中でどこまで高められるか」
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杉野雅昭
2018年04月06日 00:27 visibility132
日本vsウクライナ:1-2
得点者:オウンゴール(22植田 直通)、20槙野 智章(7柴崎 岳)、20オレクサンドル・カラバエフ(10イェウヘン・コノプリャンカ)
1、チーム情報&評点
評価基準
良:1~5:悪
日本
監督
ヴァヒド・ハリルホジッチ:2.5
スタメン
9杉本 健勇:3.0
8原口 元気:2.5、7柴崎 岳:3.0、4本田 圭佑:2.5
17長谷部 誠:2.5、16山口 蛍:3.0
5長友 佑都:2.5、20槙野 智章:2.5、22植田 直通:3.0、21酒井 高徳:3.0
1川島 永嗣:2.5
リザーブ
GK:12東口 順昭、23中村 航輔
DF:3昌子 源、6森重 真人、24遠藤 航、2宇賀神 友弥、19車屋 紳太郎
MF:26三竿 健斗、25大島 僚太、10森岡 亮太
FW:11宇佐美 貴史、18中島 翔哉、14久保 裕也、13小林 悠、15大迫 勇也
途中交代
9杉本 健勇→13小林 悠:3.0
4本田 圭佑→14久保 裕也:3.0
7柴崎 岳→18中島 翔哉:2.5
17長谷部 誠→26三竿 健斗:評価不可
8原口 元気→11宇佐美 貴史:評価不可
ウクライナ
監督
アンドリー・ムイコラーヨヴィッチ・シェフチェンコ:2.5
スタメン
41アルテム・ベセディン
10イェウヘン・コノプリャンカ、17オレクサンドル・ジンチェンコ、8ルスラン・マリノフスキ、11マルロス・ロメロ・ボンフィム
6タラス・ステパネンコー
5エドゥアルド・ソボル、44ヤロスラフ・ラキツキー、18イバン・オルデツ、2ボフダン・ブトコ
12アンドリー・ピヤトフ
リザーブ
GK:1デニス・ボイコ
DF:3イェウヘン・ハチェリディ、4ミコラ・マトビエンコ、20オレクサンドル・カラバエフ
MF:14ルスラン・ロタン、15ビクトル・ツィハンコフ、29ビタリー・ブヤルスキー、34イバン・ペトリャク
FW:9アルテム・クラベツ
途中交代
8ルスラン・マリノフスキ→29ビタリー・ブヤルスキー
2ボフダン・ブトコ→20オレクサンドル・カラバエフ
5エドゥアルド・ソボル→4ミコラ・マトビエンコ
17オレクサンドル・ジンチェンコ→14ルスラン・ロタン
10イェウヘン・コノプリャンカ→15ビクトル・ツィハンコフ
11マルロス・ロメロ・ボンフィム→34イバン・ペトリャク
2、得点経過
ウクライナ:0-1:オウンゴール(22植田 直通)
経過
ウクライナから見て右サイドで、ウクライナが繋いで仕掛け、繋ぐ、仕掛けるという流れが続き、日本がウクライナからボールを奪えない時間が続きます。そこから中央に展開されて、バイタルエリアにスペースが出来て、日本の寄せが遅れた事で、ミドルシュートを許して、22植田 直通がクリアしようとしますが、逆にコースを変えてしまい1川島 永嗣が逆を突かれて反応出来ず、ゴールネットに突き刺さって、日本が失点。
コメント
中盤でパスをカットできる回数多かった一方で、ゴール前に運ばれた時にラストパスであるスルーパスやクロスというアクションを許す事が多く、1対1の対人守備の脆さを露呈したしまった。チームとして守ろうとする一方で、バイタル付近での球際の部分、つまりデュエルの部分に真剣に向き合っていく必要があると改めて感じた。サイドで流れを切る事が出来ていれば、バランスも大きく崩れなかった可能性もありますし、そこでのデュエルが問われる。この辺り本番まで準備期間が短いので、チームとしてそういった局面を少なくしつつ、しっかり守り切る。そういった事が出来るかが本番で問われることになると感じた失点までの流れでした。
日本:1-1:20槙野 智章(7柴崎 岳)
経過
8原口 元気が仕掛けてFK獲得。日本が攻める方向に見て、左45度のより少し後ろのペナルティエリアから10m程離れた所でのFK。キッカーは、7柴崎 岳。7柴崎 岳の蹴ったボールは、フリーで抜け出す事に成功した20槙野 智章へのピンポイントのボールで、そのボールを20槙野 智章がヘッディングシュートを打ち、これが決まって日本が同点に追いつく。
コメント
やはり仕掛ける選手がいることは大きいと感じた得点ではありました。8原口 元気の好守での貢献度は、大きいと思いますし、突破が出来なくてもFKを獲得する事が出来れば大きなチャンスになるので、そういったシーンを多く作って欲しいです。
7柴崎 岳の右足も精度が高かったです。元々技術のある選手なので、止まった状態で蹴れば、そこそこのボールを蹴れるので、キッカーとして一定の魅力があると思いますので、良いアピールになったのではないでしょうか。
そして、20槙野 智章がなぜフリーになったかというと、ウクライナは、ゾーンで守っていて、ファーサイドのウクライナの選手の前に20槙野 智章と22植田 直通がポジションをとっていました。7柴崎 岳がFKを蹴った時に、ウクライナの選手がもう1人の22植田 直通に意識が行き、20槙野 智章の動きについていく事が出来ませんでした。加えて、ウクライナの選手が、ボール方向にスライドして対応しようとしていましたが、その背後であったためにウクライナの選手が対応出来ずに、20槙野 智章が、フリーでヘディングシュートを打つことに成功しました。
よって、7柴崎 岳のキックの精度の高さは良かったものの、ウクライナ選手の対応の緩さ、20槙野 智章と22植田 直通がファーサイドで巧くミスマッチを誘ったポジショニングという3要素によって生まれたFKでの得点であったと思います。
ウクライナ:1-2:20オレクサンドル・カラバエフ(10イェウヘン・コノプリャンカ)
経過
10イェウヘン・コノプリャンカが、サイドで受けて、寄せに来た21酒井 高徳をボールコントロールからスピードに乗ってまず振り切り、そのカバーに来た16山口 蛍のスライディングタックルを突破して、クロスを入れます。そのクロスは、触った選手がいるかもしれないが、そのまま流れ8原口 元気が棒立ちしていた事でフリーとなっていた20オレクサンドル・カラバエフへと通ります。日本の選手が慌てて寄せて行きますが、20オレクサンドル・カラバエフは、1トラップ後に落ち着いて、空いているシュートコースに地を這うシュートを放ち、日本DFと1川島 永嗣の左を抜けて行き、ウクライナが勝ち越しに成功し、これが決勝点となってしまいました。
コメント
ボールを奪い切れそうで奪い切れなかったデュエルでの負けが1つ。次に22酒井 高徳が寄せに行ったにも関わらず、抜かれてはいけない切るべき選択肢である縦に突破されてしまった失態が1つ。そして、これは難しい所ですが、16山口 蛍がその22酒井 高徳の裏のスペースをカバー出来ていなかった事。22酒井 高徳が寄せて塞いでいたコースに居た事で、10イェウヘン・コノプリャンカの突破出来るコースを空けていた。ただ、違う選手にマークに付いていたので、強く非難する事は出来ない。最後に一番問題であるのは、ハードワークで疲労していた事も一定の理解が出来る一方で、8原口 元気が、このシーンでずっと歩いて静観していた事。もし、周りを少しでも見て状況を把握する努力でもしていれば、そこまでハードな動きをしなくても20オレクサンドル・カラバエフの動きを察知し、マークに動けていた筈であるので、失点防げたかもしれない。この失点シーンの一番の問題のあるプレーであったと思います。良いプレーをしていただけに残念なプレーであったと思います。
3、注目ポイント
Q.1「テストされた選手の出来は?」
A.「22植田 直通は、やはり判断の甘さが目立つことが多かった。プレーを焦ってパスをカットされてしまうシーンがあるなど、ミスが多いのは気になった。ポジション上、シンプルにリスクの少ないミスに留めたかったところ。
4本田 圭佑は、献身的な守備を見せるなど、何をすればアピールすれば評価されるか最低限プレー出来た。一方で、得点に絡めなかった事で、大きなアピールにはならなかった。
9杉本 健勇の持ち味を発揮できたとは言い難い。パス交換で、崩す形を作りかけるシーンこそあったが、決定機は演出できなかった。
7柴崎 岳は、FKでのアシストがあったもののインテンシティの部分でやや不安が残る。守備面を考えると、力強さも欲しい。」
Q.2「課題は?」
A.「やはり、デュエルの部分での連動性。ハリルジャパンの目指すサッカーは、綿密な守備組織が、鍵を握るサッカーなので、その辺りをしっかり意思統一し、2失点目の様な判断ミスの多さが目立つようなシーンを減らして、果敢にデュエルを挑んでもカバーできる状態を作っていかなければならない。
また、攻撃では積極性も欲しい所。大事に行く気持ちの強さからシュートまで行けないシーンも何度かあった。この辺りは、日本人のシュートレンジの狭さも関係あるかもしれないが、チームとして好機で、縦に速く突けて、しっかりシュートまでいく。シンプルな事ではあるが、この辺りがしっかり出来る様にならないとインテンシティの高いチームの多いと思われるロシアW杯では、勝利する事は、なかなか難しくなると思いますので、その辺りに練習で、コンディションを上げつつ、チームの練度を本番までどれだけ高める事が出来るかがポイントとなる。」
Q.3「収穫は?」
A.「思った以上にインターセプトが出来ていた事。この辺り巧くパスコースを限定してそこからショートカウンターというシーンを何度か作れた。これは、向うもそういう守備をして距離感が近い事も関係していたかもしれないが、ある程度ボール奪取出来た事は大きく、そこから攻守で安定して攻撃に転じるか。そういった事が出来れば、欧州にチームに対してもある程度戦えるのではないかという点で僅かではあるが、期待が持てた。
また、18中島 翔哉が、この試合でもドリブルで掻き回して、存在感を見せてくれたので、非常に楽しみなプレーでした。是非とも本大会で見てみたい選手と感じたので、個人的に絶対選んで欲しい選手。そう感じる堂々たるプレーぶりであったと思います。」
4、数値評
評価基準
良:A~E:悪
日本
攻撃評価:C
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C
ウクライナ
攻撃評価:B
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C
5、試合評
Man Of the Match(MOM):10イェウヘン・コノプリャンカ(ウクライナ)
Most Impressive Player(MIP):4本田 圭佑(日本)
満足度(10点満点):6点(★★★☆☆)
日本から世界へ
To Be Continued
by 杉野 雅昭(Masaaki Sugino)
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