シーズンを凝縮した最終節の惨敗


3/8に開幕した、2008年度のJ2リーグ。9ヶ月にわたり、15チームが、3回ずつ対戦する45節42試合目の、最終節を5位で迎えたベルマーレ。3位自動昇格をかけた、仙台、セレッソとの勝ち点差は、それぞれ、2,1と、上位チームが引き分け以下、自身は勝利のみで3位になれる望みを繋いだ最終節です。


対戦相手は、奇しくも、昨年度残り2試合、ホーム最終戦で昇格の望みを絶たれる敗戦を喫した天敵福岡。今年はアウェイである事に加え、大陸から今年最大の寒気が流れ込み、飛行機の到着も危ぶまれ、急遽前日入りした強者サポーターも続々と到着。雪交じりの強烈な寒風を吹き飛ばす熱い応援を繰り広げようと、博多に集結したサポーター数は恐らく史上最高の人数。手足もちぎれんかのような寒さではありましたが(裸の人もいましたけど・・・)、大声を張り上げ、跳ね続けていたら、ちょっと暖かくなってきたものでした。


そんなサポーターの気合い、この試合の意味を十分に汲んだかのように立ち上がりから激しいプレスで優位に立っていた湘南のメンバーは、ベンチ含め、前節岐阜戦と全く変わらず。


   石原 原
 菊池     アジ
   坂本 雄三
ノブ 斉藤 ジャ 臼井
    金永基






トモ、山口、大山、望様、ツット。


監督交代から、ホーム負け無し、ここ十試合でも、山形との惜敗以外に負けがない、好調の福岡。簡単な相手では無いことは十分にわかっていたはずですが・・・。


   大久 ハフ
 久永     鈴木
   城後 中村
中島 丹羽 宮本 山形
     神山






サブは、六反、布部、久藤、中払、大山。


電柱戦略を前面に出していた、前監督よりも、電柱戦略の進め方が上手いのが不思議ですが、ダブルボランチとCBの安定感が今のチームの好調さを維持しているようで、厳しい当たりでボールを奪っても、なかなか攻撃の形を作るには至りません。ピッチの方は、やはり直前まで降って雪と、気温の低さのせいか、パスで繋ぐチームよりも、パワープレー向きのように見えました。


であれば、他の戦術を繰り出すのが戦略だと思うのですが、基本的に相手や外的要因によってサッカーを変えることはしない、菅野サッカーは、潔く意味気持ちの良い部分もありますが、結果を求められるプロとしては稚拙に見える時もあるのが事実。最悪なことに、その状況がこの最終戦にして、そのようになってしまいました。


ピッチを取り巻く状況や本人のコンディションの問題もあったと思いますが、非常に残念なことに、この日はアジがブレーキとなっていた事は明らかながらも、いる限りは預けるのが、今年のうちのスタイル。トラップは流れ、ドリブルは止められ、パスはカットされるという、攻撃の中心が文字通り三重苦のまま、なんとか前半をイーブンで終え、後半は頭からツットプラスアルファで流れを変えるしか無いのではと思っていた矢先に、セットプレー崩れをハーフナーに決められ失点。


後半も始まり、残り時間が刻一刻と少なくなっていく中、特に有効な手立ても打たずに、開始早々に相手ながら見事なミドルを決められてしまい、ビハインドは2点に。時間はあるとは言え、3得点がノルマとなってしまったまま、10分近くそのままだったベンチには、少々苛立ちを通り越した感情も抱いてしまったことは事実。だれもが遅すぎると、思っていたトゥット投入から、程なく3失点目を喫し、いよいよ窮地に追い込まれていきます。


2失点までは、1点獲ればと思いましたが、3失点目は痛かった。直後に坂本の素晴らしい、彼らしい、左足の確度のないところからのシュートがきまり、再び2点ビハインドまで押し戻したものの、交代選手を使いながら逃げ切るには十分の戦術、選手を持つ福岡に対し、その後はさしてチャンスを作ることも出来ないまま、ロスタイムの4分も含め、あっというまの終戦。


今年、数々の勝負所を1つもとることができなかった、チームの力量の限界点を、残酷なまでにさらけ出されて、今シーズンの幕を下ろすこととなってしまいました。昇格争いに参加していることで満足感を得る状況は通り過ぎていたはずです。選手は誰一人手を抜くことなく、チームのポリシーに従い、走り続けたシーズン。


良くも悪くも、シーズンを凝縮した最終節の惨敗。来年こそは、サポーターも、スタッフも、チームも、選手も、足りなかった何かを具体的に課題として、必ず克服しなくてはいけない、そう強く思ったゲームでした。

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