落合監督退任の報を聞いて

(ほめ言葉として)敵として嫌な監督だった.
はっきり言って,原監督なんて,最初の頃はやられっぱなしだった.
勝っていたのは,選手を使い切っても平気な大胆さのみだった.
落合さんは,常に,後のことを考えて選手を使い切ることにためらいがあったように思う.
そういう意味で,長期戦(リーグ戦)に強い監督だった.2007年での巨人相手のCS3連勝とその後の日本シリーズ優勝で短期戦に強いイメージがあるけどね.

落合監督に勝てたと思えたのは,2009年のシーズンのみ.ペナントレース終盤の8月末に,ナゴドでの3連戦で,3連勝を狙って,珍しくローテーションを崩して「チェン投手・川井投手・吉見投手」をたててきたのに対し,こちらはローテーション通りに「ゴンザレス・東野」ときて,3戦目は谷間なので負けを覚悟で「久保」を先発させたのに3連勝し(そう,昔はナゴドで3連勝なんてできたこともあったのだ),その次の9月の東京Dでの中日戦にも3連勝して優勝を決め,リーグ戦では,16勝8敗と大きく勝ち越し,CSでも中日を退けた時だ.

 しかし,2010年には,序盤もたもたしていた中日が,夏場にはしっかり体制を立て直して優勝したのに巨人は3位.今年も,序盤はもたもたしていた中日が,現時点で,ヤクルトを追える唯一のチームとなっている.巨人は相変わらずもたついているのにね.

「勝てる」監督だった.選手のえり好みは激しく,選手にプロ意識を求めた.逆にプロ意識のないと見なす選手は使わなかった.結果的に若手の登用にはあまり積極的ではなかった.マスコミやファンへの説明が下手だった.選手への説明も下手だった.サード:森野選手,ファースト:ブランコ選手,レフト:和田選手という布陣が示すように,決して守備重視の監督ではなかった.ブランコやグスマンといった選手の起用にこだわったように,チームには長距離砲が必要というこだわりを持っていた.
 にも関わらず,去年も今年も投手中心のチームとして勝ち進んだ.決して落合監督の理想とするチームではなく,大型補強があった訳でもないにも関わらず勝てるチームを作るところがすごかった.森ヘッドコーチも有能なのだろうが,任せる落合監督も立派だと思う.心配された今日のヤクルト戦だが,5安打で11安打のヤクルトに3-2で勝った.このしぶとさが,落合監督が作ってきた中日というチームだと思う.谷繁捕手や和田選手の後任という問題は解決できていないけれど・・・

 外部への説明不足,マスコミ嫌いが,観客動員減少をもたらし,退任にいたったようだ.後任は,球団OBの高木守さん(70才)で,これは,明らかに次の立浪監督へのつなぎだろう.プロ野球は興業なので,「勝っても人気のない監督」より,「実力は未知数だが,人気のある監督」が好まれるのだろう.割り切れない話ではある.

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