川口コーチの「先発5人,中5日ローテ」を考える.

川口コーチが「今年は(先発陣を)中5日で回す可能性が高い。スタートから交流戦までが重要。」といったと言う報道を見て,「何を馬鹿なことを言ってるんだ.先発5人なら6連戦以上なら,必ず1人は中4日で回さなくてはならない.杉内・大竹は故障あがりなのに,前半で無理をさせてどうするんだ.キャンプ前に,投手陣に危機感を持たせるための発言にすぎないだろう.」などと思っていましたが,「スタートから交流戦まで」という所が気になって,巨人の試合日程を見てみました.すると,交流戦(5/20-6/22)までに6連戦以上があるのは,4/1-6,4/8-13, 4/15-20,5/3-11, 5/13-18の5回です.(交流戦期間中は最大でも4連戦でなので),6回目の6連戦以上があるのは7/1-6です.7回目が7/11-16, (オールスターを挟んで)8回目が8/5-10でそれ以降は6連戦が続きます.6連戦期間中には雨で試合が流れることもあるでしょうから,率直にいって「同格の先発6人」が必要なのは8月以降で,それまでは,「同格の先発5人+谷間用の先発1人」がいればよいということになります.「谷間用の先発」は,誰かを固定する必要はないわけで,それが川口コーチの発言につながったと考えられます.実際は,上述のように,中5日でなげるのは時々で基本は中6日です.
 
 例えば,先発5人を順番に「1:内海,2:菅野,3:澤村,4:杉内,5:大竹,6:谷間」と仮定して,交流戦までの先発登板を細かく見てみます.順調に日程を消化したとして,交流戦までで中5日で投げなくてはならないのは,4/3-5に投げる3人(内海・菅野・澤村),5/1,7に投げる内海,5/9-11に投げる3人(菅野・澤村・杉内)だけです.内海だけ3回,菅野・澤村が2回,杉内が1回(大竹は0回)中5日で投げることになります.故障明けの杉内や大竹への負担はほとんどないことになります.その分,表ローテの3人には頑張ってもらう必要がありますが・・・

 さて,先発6人→先発5人+谷間にするメリットは何かといえば,1軍登録枠を1つあけられるということですね.その分,リリーフをもう1人増やしてもよいし(その場合は,ロングリリーフ役の投手が「谷間」先発となる),野手を一人増やしても良い(その場合は,「谷間」先発は二軍からあげてすぐに落とすことになる).選手をたくさん使いたい原監督としては,ありがたいシステムですし,2軍の選手のチャンスが増えると見ることもできます.毎試合準備が必要な捕手・野手やリリーフ投手に比べて,先発投手は1週間に1回なげればよいというのは不公平といえば不公平なのでそのギャップを解消しようとしているともいえます.当然のことながら,「谷間」投手の結果がよければ,「谷間」投手が「先発5枠」に入って,だれかが外れることになりますから,先発投手の競争も激しくなりますね.

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