今年の球は飛ぶのか(その2)

4月8日の日記で「今年のボールは飛ぶと言われているが,試合数も少ないし結論を出すのはまだ早い」という趣旨の事を書きました.また,その日記のコメントの所で,「30試合位終われば、リーグ内のすべてのチームが、それぞれ、ホームとビジターで戦い終えますから様子が分かると思います。」とも書きました.昨日(5月2日)時点で,ほぼ,その条件が整いましたので改めて本塁打率(1チームの1試合当たりにでる本塁打数)を調べてみます.

 2013年5月2日までのセリーグの総試合数(単純に各チームの試合数の和)は174で本塁打数は124.本塁打率は124/174で0.71(ちなみに,4月8日時点では0.82).

・2012年以前の本塁打率は,0.53(2012年),0.56(2011年,統一球導入),0.99(2010年),0.89(2009年),0.84(2008年),0.94(2007年)となっている.2011年から数値が半減しているのは,この年から統一球が導入されたからである.他方,それ以前でも0.1程度の数字の増減はあるので,30試合経過時で,その2倍の0.2程度の数値の増加があれば「今年の球は飛ぶ」と言えるだろうと個人的には思っていた.そして結果は上述の通り0.71で2012年より0.18の増加である.ウーン,ちょっと微妙である.

結論を出す前にパリーグの方を見てみよう.

 パリーグの5月2日までの総試合数は168で総本塁打は106なので本塁打率は0.63.2012年以前の本塁打率は,0.49(2012年),0.53(2011年),0.85(2010年),0.88(2009年),0.87(2008年),0.74(2007年).したがって,2012年の0.49が2013年は0.63となっていて,その差は0.14.増えてはいるが,やはり微妙な数値である.パリーグは数値の変動がセリーグより小さいが,それでも0.1を越える変動が統一球導入前にもあるからである.

今度は,セリーグに限って球団別に見てみよう.球団ごとの今シーズンの本塁打率を書いてみる(括弧内は2012年の本塁打率).巨人:1.21(0.65),阪神0.45(0.40),広島:0.43(0.53),ヤクルト:0.69(0.63),DeNA:0.97(0.46),中日:0.53(0.49).となっていて,明らかに増えているのは,巨人,DeNAだけで,この2球団の分が全体の数値の底上げにつながっている.DeNAについては,打ちまくっている新加入のブランコ選手の分(16本)を除くと数値は0.41となり去年並になってしまう.巨人にしても新加入のロペスの7本と覚醒したボウカーの6本を引くと0.76となり前年の0.65に比べて明かな上昇とは言えなくなってしまう.もちろん,ブランコ選手やロペス・ボウカーが打てるようになったのも(今年からとぶようになった)統一球のおかげなのかもしれないが,単にこの3選手の個人的能力で全体の本塁打が増えているということも可能である.

*ということで,結論としては,またも「保留」である.繰り返しになるが,巨人ファンとしては,贔屓チームで本塁打がやたらとでるので「球が飛ぶ」という印象は確かにある.本塁打率が増えている球団以外の球団のファンの方の意見や印象をお聞きしたい.

参考
 パリーグの球団別本塁打率.括弧内は2012年の値.

西武:0.52(0.54),ロッテ:0.39(0.44),ソフトバンク:0.79(0.49),楽天:0.70(0.36),日ハム:0.79(0.63),オリックス:0.59(0.51).明らかに増えているのはソフトバンクと楽天のみ.パリーグに関しては,詳しくないのでこれ以上の言及は控えるが,ソフトバンクも楽天も昨オフに積極的な補強を行った球団なので,本塁打率が上がったのはその補強の影響ということも可能と思える.

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