巨人がリーグ優勝を逃した理由を考える(その2)(10/7,9,179025 )

巨人の対戦チーム別成績(10月6日現在)は以下の通りです.

中日  :9勝15敗0分 91得点,98失点,34本塁打,打率.247,防御率3.89
ヤクルト:12勝10敗1分 112得点,89失点,30本塁打,打率.247,防御率3.38
阪神  :12勝12敗0分 128得点,107失点,33本塁打,打率.284,防御率4.03
広島  :17勝6敗0分  151得点,109失点,48本塁打,打率.291,防御率4.16
横浜  :16勝8敗0分  125得点,93失点,38本塁打,打率.285,防御率3.56

10月6日時点の巨人は,試合が終了した首位中日と1ゲーム差の3位ですから,中日に大きく負け越したのが優勝を逃した直接の理由であることがわかります.単純に言えば,1勝でも余分に勝っていれば,逆に巨人が首位になっていました.上記をみてもわかるように,中日戦では,失点は必ずしも多くはなく防御率も,チーム平均(3.90)に比べて悪くはありません.むしろ,得点が少なく,打率もチーム平均(.268)に比べて2分も落ちます.

つまり,中日に負け越して優勝を逃したのは,「中日戦で投手が打たれたせい」ではなく,「中日戦で打者が打てなかったせい」であることがわかります.

巨人は中日相手に東京Dでは7勝4敗でしたが,ナゴヤドームでは,2勝10敗で,特に,7月以降はナゴヤドームで9連敗でした.この9試合での巨人の得点は12点にすぎず,1試合あたり最大でも3点しかとれませんでした(残り1試合は長野球場で行なった.)

したがって,「ナゴドの中日戦で打てなかったことが優勝を逃した原因」になります.

実際,東京Dでの巨人の得点63,失点=中日の得点40に対し,ナゴヤDでの巨人の得点25,失点=中日の得点48となっていて,東京Dでもナゴドでも同様に得点できる中日に対し,ナゴドでは,まるっきり点が取れない巨人というのが浮き彫りになっています.

次に,中日戦での巨人本塁打数を見てみます.

ナゴヤドームの本塁打数:12試合中8本:1試合あたり0.75本
東京ドームでの本塁打数:11試合中25本:1試合あたり2.3本

となっていて,本塁打の出にくいナゴドで巨人打線は低調だったことがわかります.この傾向は,交流戦でも見えていて,東京Dではパリーグ相手に勝ち越しましたが,一般に広いパリーグの本拠では負け越しました.

つまり,チーム全体として,本塁打の出にくい球場では打線がお手上げだったということです.本塁打の出やすい東京Dに打線が特化しすぎてしまい,まさに,「本塁打でしか点がとれない」打線になってしまったということです.

これは,東京Dという環境が招いた「必然」でしょう.監督やコーチがいくら「小技が大事,きっちりした野球が大事」といった所で簡単には改まらないでしょう.打者は誰だって,本塁打を打つ方が気持ちがよいですからね・・・てっとり早く点が取れるし,本拠地でヒーローにもなれます.

・優勝を逃した原因が,むしろ野手にあり,しかも,それは投手より深刻だと私が思う理由は上記の通りです.

*今年,巨人の路線とは反対方向を目指す中日が優勝し,来年「飛ばないボール」が採用されることで選手や首脳陣の意識が変わることを願っています.

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