阪神と巨人のチーム打撃成績:東京D型野球への違和感(7/6,159150,15)
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元大阪爺
2010年07月06日 09:23 visibility106
阪神と巨人の現時点までのチーム打撃成績を,去年の打撃成績(打点・本塁打等は1/2にしている)と比較します.
巨人(2010) 得点381,本塁打125,盗塁62,犠打60,四死球258
巨人(2009) 得点325,本塁打 91,盗塁42,犠打72,四死球219
阪神(2010) 得点361,本塁打90 ,盗塁33,犠打68,四死球231
阪神(2009) 得点274,本塁打53, 盗塁40,犠打82,四死球237
巨人も阪神も本塁打が増えて得点が増えています.阪神がより顕著ですが,盗塁・犠打・四死球が減っているにも関わらず得点が増えています.つまり,「盗塁・犠打・四死球なんて手間暇かけて点をとる必要はない.要は本塁打をうてばええんや.」という野球をしていることになります.それは,東京Dにあった野球であり,飛ぶボールに見合った野球であり,長嶋元監督が目指してきた野球ですが,長嶋「選手」が体現していた野球とは違います.
長嶋さんは,若い頃に,「自分の本分は3塁打を打つこと」という趣旨のことを言っていました.3塁打を打つには,長打力+脚力が必要です.加えて,守る方は,3塁に行かせないために,外野手・内野手が懸命に守ります.つまり,3塁打は野球の「打って走って守って」の真髄が一瞬の内に目前に展開される「ショー」なのです.だから,3塁打に我々は魅了される.
盗塁も四死球(=選球)も犠打も,点を取るための手段です.なんで,こんな手間をかけるかと言えば,点を取るのが一般に難しいからです.そして,その攻撃側の「打つ・投げる」の手間に対して守備側の「守る」があって,その過程を楽しむのが野球です.しかし,その手間暇かけて点を取るのが「常道」である中に,時折,「本塁打」という,それらの手間暇を一切無視するかのような「必殺技」が出て,一瞬の内にプレーが中断するのが,これまた野球のおもしろさです.この「手間暇」と「必殺技」のバランスが大切なのです.格闘技で必殺技だけで試合が終われば面白くないように,サッカーでオフサイドがなければ何のおもしろみもないように.
1番から8番まで本塁打を打てる打者を並べれば,得点効率は確かに上がる.それは,上記の巨人・阪神の打撃成績がそのまま勝敗に反映していることでもわかる.でも,その野球は「面白い」だろうか?いや,1チームや2チームそういうチームがいてもよいが,リーグ全体でそういう野球を目指し,「本塁打打者の人数が多い方が勝ち」というようなリーグ戦は面白いだろうか?何も,巨人が阪神に東京Dで負けていることだけが悔しいのではなく,巨人が広島相手にマツダスタジアムで「本塁打打者の人数が多い方が勝ち」というゲームを展開していることに違和感を感じていました.かつての巨人は,広島相手に,マツダスタジアムよりもっと狭い広島球場で,大野投手・川口投手相手に,いつも僅差の展開を強いられて・・・よく負けました.悔しかったけどスリルがありました・・・.
今シーズンの半分をすぎて,個々の成績を評価していて,自分が,最近のセリーグの野球に対して感じていた違和感が明らかになりました.巨人ファンですから,巨人が勝っていればうれしいのですが,この違和感はどうしようもないです.来年から,「飛ばないボール」になるとのことで,最初は「V5の最大の敵」なんて思っていましたが,これは,「歴史的必然」とか「神の手」かと思うようになりました.
今後,日記の更新頻度が下がると思います.いつも読んで下さっていた方々はご了解下さい.といっても,上記のような理屈を越えた所で私は巨人ファンですので,相変わらず,巨人の勝敗に一喜一憂していることには変わりはありません.したがって,他の方の日記にコメントを書きに行くのはかえって増えるかもしれないと思います.
これからもよろしくお願いします.
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