巨人の選手を勝手に査定その5(野手編2)(71450. 8)

松本 25才,6百万円,129試合,打率.293,0本塁打,15打点,出塁率.338,長打率.328,16盗塁


育成上がりで今年急成長した選手.昔,大洋ホエールズ(現横浜ベイスターズ)にいた近藤和彦選手の天秤打法を彷彿とさせる独特のフォーム(バントか強打かが直前までわからず守備側としては守りにくいフォーム)による打席での粘りが特徴.自分の俊足を生かすために,ゴロを打つことに徹しようとしているところも良い.外野守備や走塁でもよいところを見せ,2008年のシーズンでレギュラー定着と思われた鈴木尚をあっさりと抜き去り,巨人の懸案の一つだった2番に定着した.ゴールデングラブ賞を獲得し,今年のセリーグの最優秀新人として有力視されている.ただし,課題もまだまだ多い.27犠打をきめているが,大事なところでのバントミスが結構あり,必ずしもバントは得意でない印象をうける.得点圏にランナーがいるときは淡白な打撃に終わることが多い(得点圏打率:.247).守備は派手なダイビングキャッチ等が目立つが,結構ポカもあり,ポジショニングや打球判断に課題があるとも言える.まあ,実質1年目であり,課題が多いのは当たり前でその分来期以降の伸びも期待できる.タイトル料も入れて来期の年俸は3-4千万円というところ.





小笠原 36才,3.8億円,139試合,打率.309,31本塁打,107打点,出塁率.384,長打率.543,2盗塁


日本ハムから2006年オフにFA移ってきてから3年連続の3割・30本塁打をクリアし,さらに今年はこの3年間で最大の107打点であった.2005年-2006年と2年連続でBクラスに沈んだ巨人復活の最大の功労者である.成績だけでなく,その野球に取り組む姿勢が,若手のみならず中堅選手の見本となっている.松井が2002年オフにFAでヤンキースに行った後,チームリーダー不在に悩んだ巨人がこの人を獲得したのは正しかった.それはつまり,若手育成だけではチームを強く出来ないことも示している.2010年までの4年契約なので,来年も現状維持の3.8億円だろう.






ラミレス 35歳,5億円,144試合,打率.322,31本塁打,103打点,出塁率.347,長打率.544


レギュラーシーズン(144試合),CS(4試合),日本シリーズ(6試合)すべてで4番を打ち,今年は首位打者も獲得した.シーズンを通して安定した成績を残したことに加え,勝負どころの8月後半から9月にかけて,特に2位の中日相手に打ちまくり優勝に大きく貢献した.陽気な性格でチームを明るくするし,ファンを大切にする態度も立派である.首位打者を争っているのに,ペナント終盤,試合に出続けたこともすばらしい.打撃に加え,守備や走塁でも,大事なところで光るものを見せる.プロとしての「上手な抜き方」を知っている選手といえるだろう.その結果が怪我の少なさにつながっていると思う.来期からの年俸は現状維持の5億円の2年契約ですでに双方了承済みとのこと.妥当な金額だと思う.




おまけ


小笠原・ラミレスが巨人復活(日本一奪回)の原動力であることは間違いない.この二人は今後少しずつ衰えていくはずだから(本塁打数の減少はその兆候と思える),この数年間に後釜を育てられるかどうかが巨人の課題である.それが出来てはじめて「育成の巨人」と言えるはずである.




谷 36歳,2.2億円,101試合,打率.331,11本塁打,48打点,出塁率.383,長打率.533


木村拓同様,スーパーサブ的な扱いだったが,打撃好調が認められ,亀井が1塁に回ったペナント後半からスタメンライト6番で使われ続けた.得点圏打率は4割と抜群の勝負強さを見せ,美しいスイングでヒットだけでなく本塁打も量産した.出塁率は巨人NO1で36歳にしてバッティングの新たな境地に立ったような感じすらさせる.二位中日と2.5ゲーム差で迎えた8月25日の首位攻防戦初戦,延長10回表に勝ち越しタイムリーを谷が打ち勝利→対中日3連勝したのが,ペナント制覇の大きな鍵となった.スーパーサブ的な扱いをされることに不満はあるはずだが,それを表に出さず黙々と仕事をする態度もすばらしいと思う.ただ,2.2億円というのはいささか高いので,10%減〜現状維持の2-2.2億円という所か.




おまけ


ルーキー長野は,この谷を抜かなくてはレギュラー出場はできないわけで,これは相当大変である.


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