巨人の補強についての個人的感想
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元大阪爺
2007年11月12日 20:23 visibility195
「今シーズンは,優勝したものの,福留抜きの中日や先発陣が崩壊した阪神と,ほとんど横並びだった.その中日・阪 神が積極的な補強に乗り出しているのだから,優勝したとは言え,巨人も補強すべきだ.」というのが,補強を強く主張される方の意見です.まあ,正論で,そ れゆえ,巨人フロントも福留獲りに参戦しているわけですが,個人的には賛成できません.優勝した年の次のシーズンくらいは,弱点は「若手の底上げ」を主体 とした解消を試みてほしいと思います.その3つの理由を以下に述べます.
1・ロマンがない.最近言われなくなったけど,「大 リーグに追いつき、追い越せ。」は巨人の目標でした.これには,(たとえ高慢といわれようと),日本の野球全体のレベルを挙げて,かつ,その中で巨人が一 位になるという理想があったはずです.FAで有力選手をとるということは,自チームの戦力を上げるだけでなく,他チームの戦力を落とすことになり,効率的 かも知れないけれど,上記の理想を考えれば志が低いのではないかと思います.何より,長年のライバル球団の有力選手を(要はお金で)味方にするというのに どうも違和感があります.「巨人の星」で,「ジャイアンツに,花形や左門がFAで来て星飛雄馬と共に常勝巨人を築きました.」というストーリーが面白いで しょうか?他チームに強い選手がいて,それを上回る選手を自前でそだててはじめて,「リーグのレベルも上がり,それ以上に巨人のレベルも上がる」のです. 青臭いかもしれないけれど,優勝した次のシーズンくらい,そういうものを目指してほしい.野手で,生え抜きレギュラーは,高橋・阿部・二岡の3人だけで, その3人も大学時代からスター選手というのはあまりにさびしいでしょう.
2・本当に戦力が足りないのか?チームの打率・本塁 打・得失点差でダントツの1位.チーム防御率で僅差の2位にもかかわらず,中日・阪神と差がつかなかったのは,采配(戦術)面に問題があったと考えるべき です.要は「大差で勝つが,僅差勝負に弱い」ことを意味します.原監督の目指す方向(スモールボール)と,チームの実態(ビッグボール的体質)のずれが原 因だと思います.来シーズンは,その差を小さくすることに努めて,現有戦力でどれくらい勝てるかというのを私は見てみたい.それではじめて,本当の弱点が 見えてくると思います.
3.優勝後の「大型補強」はチームを本当に強くするか?1994年優勝後にヤクルトからハウエル・広沢を獲得した が,1995年は3位.1996年リーグ優勝後に清原を獲得したが,1997-1999年は優勝を逃す.2002年優勝後に松井が大リーグに行ったとはい え,ペタジーニを獲得したが3位(ペタジーニを取られたヤクルトと同率3位!).簡単に言えば,大型補強は,どうしてもチームバランスを崩すので,1+1 は2にならない.たとえば,リーグ優勝を決めた試合では,矢野・清水の連続ヘッドスライディングによる内野安打で巨人はサヨナラ勝ちし,原監督の目指す 「スモール ボール」を実現した幕切れでしたが,その到達点を示した二人は,たとえば福留が来れば,出られなくなります.1シーズンかけて得た到達点を,福留が来れば 失うことになるのです.それって本当にプラスなの?
以上,気弱でマイナーな巨人ファンの繰言でした.
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