巨人の今年の補強選手(ドラフト以外)を評価する.

ペナントも終盤になったので(加えて昨日試合がなかったので),巨人の昨オフ~今年の外部補強選手(ドラフト以外の補強選手)を評価します.

昨オフ~今年の外部補強選手(年俸・契約金は推定で単位は万円.年俸には契約金が含まれている場合もあります

FA
・大竹投手(31才,FA補償は一岡投手,年俸+契約金20,000)
・片岡内野手(31才,FA補償は脇谷内野手,年俸+契約金15,000)
トレード
・井端内野手(39才,右,年俸4,500)
外国人
・アンダーソン外野手(32才, 左,年俸6,000)
・セペダ外野手(34才,両,年俸+契約金20,000)
・セドン投手(31才,左,年俸+契約金8,000)
・メンドーサ投手(20才,右,年俸不明)

成績と評価(◎,○,△,×で評価します)

投手
大竹:22試合,129回,9勝6敗,防御率3.98,評価:○
 大竹に期待したのは,「バリバリのエース」ではなく,先発4番手で10勝前後ということですから合格とします.中日キラー(6勝1敗,防御率2.96)だったのももプラス評価です.終盤でケガでローテーションを外れたのは問題ですが,故障持ちの大竹に中5日で投げさせた首脳陣にも問題があるということで私は不問としたい.

セドン:9試合,49回,4勝4敗,防御率4.20,評価:△
 長身と特異なモーションに相手が戸惑っている内は通用するが,慣れられると打たれてしまう投手.もう少し通用するかなと思っていましたが,日本の球団が流石に対応が早く,2度目の対戦の時には通用しないケースが多かった.内海(32才)・杉内(34才)に続く左の先発が育ってきていないという状況があるので,ペナント終盤~ポストシーズンの成績によっては残留があるかも・・・

メンドーサ:1軍出場無し.2軍:3試合,4回2/3,0勝0敗,防御率1.93,評価:不明
 2軍では図抜けた球威.リリーフなら1軍でも十分通用すると思われるし,1軍のリリーフは不安定なので使ってみたい筈だがなぜか上げない.今年は育成に徹すると言う話があり,契約内容が(キューバ側の要求で)そのようになっているのかもしれない.1年契約の筈だが,まあ,来年もあるのでしょう.

野手
片岡:115試合441打席,打率244,出塁率300,6本塁打,28打点,22盗塁,評価:X
(去年の寺内:114試合274打席,打率225,出塁率265,2本塁打,12打点,6盗塁
 去年の中井:48試合149打席,打率324,出塁率361,4本塁打,17打点,2盗塁)
 春先~交流戦は良かった.その後はボロボロ.守備も下手だし(致命的なエラーもあった),合格点をやれるのは盗塁くらいかな.寺内よりは打つけど,守備は寺内の方が上だし,7-8番で起用するのなら,中井を使う方が良い.大体,セカンド守備にしたって中井よりうまいのか?・・・と若手ファンなら愚痴りたくなる.次の井端と共に,巨人の内野手育成の方針をひっくり返してしまったのだから,もっと活躍してもらわないと納得できない.片岡を獲得したいために,「中井はセカンド失格」宣言をした原さんだって内心は困っているだろう.9月に入って復調の兆しが見えるので,今後の巻き返しに期待したい.

井端:77試合164打席,打率264,出塁率331,2本塁打,12打点,評価:○
 井端自身に対して不満はない.内野の万能控えとして,去年までの古城以上の役割を果たしている.ただ,井端・片岡が優先起用されたために,藤村(25才)・中井(25才)・坂口(24才)・大塁(24才)・辻(20才)・和田恋(19才)・奥村(19才)と長期的な視野をもって行ってきた内野手育成計画がすっかり狂ってしまった.どちらか片方だけなら,藤村・中井・坂口・大塁に1軍でのチャンスがもっと与えられて,見極めができたろうし,辻・和田恋・奥村は2軍公式戦でもっとチャンスを与えられたろう.結局,藤村以下の4人が一軍でどれくらい使えるかが分からなかったので,来年も井端は内野の万能控えとして現役続行だろう.片岡を取るのなら井端を取るべきでは無かったし,井端を取るのなら片岡を取るべきではなかったと私は思っている.

アンダーソン:76試合,283打席,打率320,出塁率385,11本塁打,40打点,評価:○
 キャンプ段階では全く期待していなかった.バッティング練習の時点で,左の打撃投手が打てなかったのだから.しかし,(たぶんコーチの助言で)オープンスタンスにしてから打撃開眼,1軍公式戦では,右投手への打率が286に対し,左投手は379と左投手の方を打っている.守備は外野も1塁も下手だが,これだけ打ってくれれば使う価値がある.本来はセペダの保険だったように思えるが,セペダより保険の方が打っちゃったということだろう.ロペス・セペダとの兼ね合いもあるが,来年も雇うと考える.

セペダ:52試合132打席,打率194,出塁率333,6本塁打18打点,評価:X
 四球に対する意識の高さとスイングの鋭さ以外に評価する点無し.阿部が不調だったので,8月以降,セペダが4番に座って結果を出していたら,「巨人の編成は先の先まで読んでいるなあ.」ということになったのだろうがダメでした.まあ,日本の投手は優秀だということでしょうね.ポストシーズンに大活躍すれば別ですが,まあ,来年はないでしょう.
 外野守備は下手で,基本的に「打つだけ」の人なので,横川や坂口ともろにキャラがかぶり,セペダに投資した打席数の分,横川や坂口はチャンスを与えられなかった.大田や中井だってもっと打席が与えられていただろう.ただ,「キューバルート」の開拓のために,セペダを獲得したと言う図式はあるので,来年,メンドーサが活躍すれば,セペダ獲得の意義はあったと思うことにします・・・でも,来年は,メンドーサと抱き合わせ契約だったらいやだなあ.


*毎年優勝しようと思えば,過剰と思えるほどの戦力を用意する必要はわかるので,私は外部補強を否定はしません.要は育成とのバランスが重要で,昨オフ~今年はそのバランスが崩れていたと思います.昨年の日本シリーズで,楽天(星野監督)に「悪役」にされた上に負けたのがよほど悔しかったのか,今年が球団80周年のせいだったのか(あるいはその両方だったのか),理由は分かりませんが・・・

 

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