アスレチックスのGM:ビリービーンについて(その3),ビーンGMの野球はおもしろいか?(12/25,204000, 野球6,総合16)

ビーンGMは出塁率を重視する.裏返せばアウトにならないことをもっとも重視する.

犠打は論外,盗塁もヒットエンドランもアウトになるリスクの多さに比べ得点への寄与(リターン)が少ないので駄目.

つまり,打者は,打席では,積極的に打つことよりも,じっくり選球してできれば四球を選ぶことを求められる.ランナーにでたら,ヒットがでるまでじっとしているべきなのである.

また,監督は,試合が始まれば攻撃の時は何もするべきではないのである.ビーンGMは,
左右の打者に合わせて左右の投手を代えるのも効果がないとしているので守備の時も大してすることがない.やたらと動きたがる原監督なんて,あっという間にビーンGMからは首にされるだろう.だいたい,原監督のギャラも高いしね.

 つまりビーンGMの(セイバーメトリクスに基づく)野球は,勝てるかもしれないが,野球をやる方からすれば,本能的におもしろくないのである.まあ,ビーンGMが(セイバーメトリクスが)一番受け入れられない理由はそこにあるように思う.特に「play baseball」のMLBでは難しかろう.むしろ,選手に滅私奉公を求める日本の野球の方に受け入れ要素があるかもしれない.「川上監督や牧野コーチが現時点で指揮を取れば,セイバーメトリクスをどれくらい取り入れるかな?」などと思ったりもする.

 ビーンGMの野球が少数派の時はよいが,多数派になると,見る方もきっとおもしろくないだろうと思う.おもしろくなければ,観客は来ないから収入も減ることになる.ビーンGMとアスレチックスの野球は少数派だから興業として成り立つという見方もできる.

 最後に,清武巨人軍球団代表とビーンGMとを比較したい.
 清武さんは,あるとき,「私は,選手を評価するのはすべて数字で行いたい」という趣旨の事を言ったことがあるので,明らかにビーンGMの影響を受けている.他方,「でも,それだと,坂本は(ドラフトで)獲得できていない.」とも言っている.坂本を発掘した大森スカウトは「あんなに,楽しそうに練習をする選手はいない.」と言って清武さんを説得したそうである.数字とは全く無関係な獲得理由である.でも,清武さんは大森スカウトに耳を傾け,外れ一位ながら坂本を獲得し,坂本は巨人若手生え抜きのスターとなった.

 清武さんは,スカウトを首にするのでもなく,原監督を首にするのでもなく,両者に耳を傾け,セイバーメトリクスも考慮しながら日本野球におけるGMとしての道を模索しているのだろうと思う.

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