#268 雷から身を守ろう!①(再)

 

 

数回にわたって、この時期に多い『落雷』についてふれていきます。

 

九州北部を中心に『落雷』について、ニュースで取り上げられていますが‥界雷と呼ばれる雷は、寒冷前線が通過するときに発生します。

 

これは、夏季に限らず、夜間にもありえます。

 

夕立タイプの雷は、熱射の強い、これからの時期(7~8月)と言われ、九州地方では年間でも一番多く「雷」が発生するのが、夏季と言われています。

 

これは、地域によって様々で違いがあるようです。(下記サイトを参照のこと)

 

【フランクリンジャパン 観測統計データ】

http://www.franklinjapan.jp/cgi-bin/franklin/siteup.cgi?category=4&page=2

 

【年間雷日数偏差値とランキング】

http://todo-ran.com/t/kiji/13685

 

【北陸電力のデータ】

http://www.rikuden.co.jp/kaminari/tokucho.html

 

【雷情報ナビ】

http://tenki.aikotoba.jp/

 

【サッカー試合中の落雷事故】(youtubeより)

http://youtu.be/CpxKEGdfDxI

 

 

では、どのようにして「雷から身を守れば良いのか?」というテーマで述べていきたいと思います。

 

 

前回ふれた『交通事故』については、“細心の注意を払うしかない”=「不注意の排除」がポイントでしたが、今回は『雷』の特性を未然に知り、未然に防ぎ得る“危険からの回避”=「避難の判断」がポイントとなります。

 

 

まずは、2つの事例を紹介しますが、学校や大会主催者は「避難の判断ミス」=罪だという認識の元、練習や試合などの活動に臨んで欲しいと願います。

 

 

 

 

<事例①> 1996/8/13 大阪府高槻市

 

雷鳴が響く中、開始されたサッカー大会の試合中に高知県の土佐高校1年生1人が落雷に遭い、意識不明の重体となり、意識は戻ったが重い後遺症を負った。

危機管理配慮の欠如を元に、学校及び主催するサッカー協会に対して損害賠償請求が行われ、高松高裁は2008年9月17日に学校と主催者に3億700万円の支払いを命じる判決を下した。

 

 

<事例②> 1997/10/14 福岡県久留米市

 

中学校のサッカー部員が練習中に激しい雨が降り始めたため、校舎に避難する途中で落雷に遭い、中学2年生1人が心肺停止となる。蘇生したが重い後遺症を負った。(他、6人負傷)


 

 

 

~ 雷から身を守るには ~

 

 

(1)雷を知る

 

雷の性質を覚えておく。

 

 

 

①大気が不安定な時に、局地的上昇気流によって、雷雲(積乱雲)が発生する。

 

② 積乱雲がもくもくと成長するのが見えたら、数分後に落雷の危険がある。

 

③ 「ゴロゴロ」と雷鳴が、かすかにでも聞こえ始めたら、そこに落雷する危険がある。

 

④ 雷は雨が降る前に発生し、落雷する。

 

⑤ 落雷の危険は、雷雲が消滅するまで続く。

 

 

 

 

(2)予報・注意報に耳を傾ける

 

雷は、狭い範囲での短時間の気象現象なので、現在の気象観測体制では、十分な予測ができません。しかし、事前に雷が発生しやすい気象状況なのか確認しておくだけで、心構えが変わってきます。

 

 

①テレビなどの天気予報で、「大気が不安定」との言葉が出れば、雷の発生が予測される。

 

②気象庁発表の「雷注意報」をチェックする。

 

 

 

 

(3)雷の接近を知り、事前に避難する

 

今回の一番のポイントである“避難のタイミング”についてですが、雷鳴が聞こえた時には、すでに落雷の危険域に入ってしまっています。

厚い雲で周りが暗くなり、積乱雲の成長を見つけた時には、すでに逃げ遅れてしまっている可能性が高く、激しい雨が降り出してから避難しているようでは、完全に逃げ遅れと言えます。

 

 

 

人間の経験や五感では、残念ながら雷(自然)の危険域は認識できないものです。上記事例のように判断ミスが招いた結果として、損害賠償責任を問われたことも判例で出ており、「もう大丈夫だろう‥」 「もうちょっとやりたい(やらせたい)‥」 「ここで中断すると、日程が終わらない‥」 「どうしよう‥」 この人間の“欲”や“迷い”が、後に取り返しのつかない最悪の結末を導くことになるのかもしれません((((;゚Д゚))))

 

 

 

次は、落雷危険区域に入ってしまっていた場合の『緊急避難方法』について取り上げます(^^ゞ

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