切腹させられた将、伊東勤。

  • Miya
    2007年10月07日 07:56 visibility4809


「大将が腹切って当然」西武・伊東監督けじめの辞任


 パ・リーグ5位に終わった西武は5日、伊東勤監督(45)の辞任を発表した。同監督は同日、成績不振の責任を取って辞任することを、小林信次球団社長に申し入れ、報告を受けた後藤高志オーナーも了承した。

 同監督は福岡での今季最後のソフトバンク戦後、「Aクラス(3位以内)を守れなかった責任はある。戦に負けたら、大将が腹を切るのは当然。球団には感謝している」と語った。

 西武の捕手として1980−90年代の黄金時代の一角を担った伊東監督は就任1年目の2004年に日本一に輝いたが、4年目の今季は5位に転落。25年続いたAクラスが途切れ、クライマックスシリーズへの進出を逃した。

 小林社長は後任に関し、「強い野球を知っている方。1週間以内に新体制を整えたい」と話した。

西武の黄金期をエースとして支え、チーム状況を把握している渡辺久信2軍監督(42)の昇格が確実となった。(ZAKZAK 2007/10/06)

http://www.zakzak.co.jp/spo/2007_10/s2007100606_all.html

 

伊東勤といえば西武の黄金時代を築いた立役者の一人。

前堤オーナーの寵愛を受け、「西武の宝。永久監督でもいい」と言わしめた逸材であった。

入団の経緯からして普通ではない。

1981年熊本工から埼玉県の定時制高校へ転校、同時に西武球団職員として採用された。昼間は職員としての社務の傍ら練習生として活動し、夜は高校通学という生活を送った。これは当時の西武監督であった根本陸夫が他球団に伊東を奪われまいとするための"囲い込み"であったと伝えられる。

 

伊東ならば常勝西武軍団を築き上げるはず。間違いなく長期政権になるだろうと思っていた。

ところがたったの4年間でその夢は頓挫し、球団を追われることになる。

在任中に松坂大輔、松井稼頭央という投打の柱を失い、今季は裏金問題など不本意な逆風に晒された不遇の将でもあった。

 

リーグ戦の順位は2位、3位、2位、5位という成績。これをどう評価するかは人によって分かれるところだろうが、西武上層部に伊東をかばう人間はいなかったのだろうか。熱血漢で球団に対する苦言も常にストレート。それが煙たがられていたことは容易に想像できる。球団としては裏金問題で暴落した球団イメージを一掃したい意図もあるのだろう。しかし、それは現場を取り仕切る監督とは実際何の関係もない話のはず。西武はこの男を安易に手放してしまっていいのだろうか。伊東こそまさしく「獅子の落とし子」なのだ。根本から始まり、広岡・森と続く、西武の常勝DNAを最も色濃く吸収してきたのは他ならぬこの男である。ちょっと息苦しいくらいに熱いところも個人的には頼もしくて好きだった。

 

今回のやり口を見て、西武の将来に暗澹たるものを感じた。本人は来年こそはと雪辱に燃えていたはず。 残念でならない。

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