ねた
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UWAHAKI
2013年07月01日 13:43 visibility60
梅雨空の合間の、太陽が顔を覗かせた日である。
絶好の野球日和だ。
そんな天気に逆らうように、トレーニングジムで孤独に自分と戦う行う男がいた。
――外で運動はしないんですか?
彼は一瞬こちらに視線を向けたがすぐに視線は何もない空間に戻っていった。
「この時間帯に外で走ると、不審な目で見られるんです。平日ですし、小学生が下校中なので……」
黙々とウエイトをこなすのは、昨シーズンVBSから移籍してきた上場投手(20)だ。
昨シーズンから不本意なピッチングを続け、今シーズンの防御率も24と精彩を欠いている。
――防御率24という数字は?
「実力不足を思い知らされましたね。
中途半端に勝ち星を貰わなくてよかったです。
まだまだ何もかも、(実力が)足りないなと」
話しながらも、彼がウエイトを止める様子がない。
「球速が(ないから)、コントロールが、変化球が…と言い出したら止まりませんから…。今は(一人でもやれる練習を)やるしかないですね」
トレーニングの途中、オレンジ色のジャージを着た青年に睨まれたが彼はそれを笑顔で受け流した。
「社員さんですね…ここでアルバイトしている人はただでこのジムの施設を使えるんですけど…最近はバイトよりこっちがメインで…」
そういうと、マシンについた汗を拭いてからゆっくりと立ち上がった。
――帰るんですか?
「今から泳ぎます。クロールが肩や腕の動きに良い影響があるらしいので」
そういうと彼はそのままプールに向かっていった。
今年20になったばかりのまだまだ元気盛り。
この若さも、彼の武器となるだろう。
- 事務局に通報しました。
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