日本が素晴らしいから、次の仕事先を探すのは難しい


――就任から3年たつが、これまでで一番苦しかった時期はいつか?

 あまり考えたくない(笑)。日本ではとても快適に、いい生活を送ることができている。日本代表(監督の任期)を終えたあと、わたしはどこに行けばいいのか。当然、プロの世界だから、何が起こるか分からないが、日本の長所や素晴らしさを把握した上で、よそに目を向けるのは難しいのではないかと思う。試合後にピッチを一周しながらテクニカルスタッフと話したのだが、これだけのサポーターに囲まれてしまうと、次の仕事先を探すのは難しいと思う。

――今日、W杯出場を決めるまでの2年間で、チームとしてどう成長したか。また監督としてはどう変わったか?

 このチームのベースは、運良く就任してすぐにアジアカップがあったので、そこである程度は築くことができた。当時は、10年のW杯で結果を残したメンバーもいたし、その前の予選でいい仕事をした1つ前のグループもいたが、そこから世代交代を図ったのがアジアカップで、非常に難しい作業ではあった。

 そのころから比べると、今はより縦を突けるボールが多くなったし、相手を飛ばせるようなパスも増えてきた。サイドの使い方もある程度の整理がついたし、以前よりもチャンスを演出できるようになった。しかもピンチに陥らずに、チャンスを作れるようになった。ここ数日、スタッフとも話をしたのだが、わたしが就任してから今日の試合まで、失点に関してはほぼ形が決まっていて、3つがオウンゴールだ。今日の失点もオウンゴールではないものの、似たような感じだと思う。また、数的有利でありながらも、カウンターで失点を食らってしまうケースがある。それでもより多くの得点を取って失点が少ない、バランスのとれたいいチームと言えるのではないか。ただやはり、これだけチャンスを作っているので、ゴールの確率を高めることが今後の課題だと思っている。

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