もう一枝あれかし

”もう一枝あれかし”  あさのあつこ著  文芸春秋
筆者の時代小説は好み。
甚三郎始末記など、5短編。
 どの話も、切なく、ほろ苦い感じが残る。
相手を想っていても、報われない女の悲しい結末「風を待つ」、
 愛した女の想いを受け継ぎ、滅びた村を復興させようと思ったが故に、
  思わぬ方向に進み、事件が起きる「花散らせる風に」。
自分を信じ、正しい道を進んだと思っても、思わぬ展開になり、
 命を落とすことになる。
  それでも、相手を恨まず、後悔はしないという生き方が、
   美しくもあり、切ない。
唯一、切ない中にも希望をもたせてくれる「もう一枝あれかし」が特に良かった。
 

 

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