別れ

  • ケン#39
    2007年04月07日 14:51 visibility120

3月の終わりに、高校時代の野球部の部長先生が亡くなった。
突然の訃報だった。
夜、突然倒れて病院に担ぎ込まれ、そのまま逝かれたらしい。

 


当時、甲子園チームを作り上げたコーチ陣が監督さんとの

確執でグランドを去った後も、ただただ黙々とノックバットを

振り続けた先生。

野球部のOBではなかったので、監督さんや他のOBへの

気兼ねからか、決してユニフォームに袖を通すことをしな

かった先生。

何年もの間、ボクら何人もの部員たちに何千本、何万本もの

ノックをし続けた先生。

あと一歩で捕れるか捕れないかの絶妙な距離にノックを上げ、

ボクらがちょっとでも手を抜こうものなら、ノックバットを放り

投げ、地面に座り込んで呆れて見せた先生。


大学1年の夏に練習を手伝いに行って以来、ずぅ〜っと、

ご無沙汰しっ放し だったにもかかわらず、ボクの結婚披露宴

には、わざわざ東京くんだりまで来てくれて、"恒例”の当時の

通知表を披露してくれた先生。

 

その先生が、亡くなってしまった。 

 

 

 

先生、

 

先生がこの世からおらんごとなったち思うと、

なんか、さみしいッスよ。

近々、東京におる同期4人で先生を偲んで飲もうや、

ち言いよりますけん、そん時はぜひおいでてください。

 

そして、これからも、たまぁには東京の空にも

遊びに来られてください。

俺、草野球やりようとでスよ。

雲の上から、俺のプレー見て、「なんかっ、

そのザマは。」ち言うて、あの頃みたいに、

そっちでノックバットほたり投げて呆れよって下さいよ。

  

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