夏の終わり

  • ケン#39
    2007年08月10日 10:59 visibility80

ちまたでは夏の甲子園大会も始まり、気候の上でも、40を越えたボクには

ゲッソリするほど夏真っ盛り。

 

けれども、7月の地方予選が始まって以降、梅雨明けが日本地図を南のほう

から徐々に上っていくように、毎日、何十人何百人という高校球児たちが、最後

の試合に敗れ、次から次へと夏の終わりを迎えて行く。

 

今、甲子園にいる彼らも例外なく、一校一校、夏の終わりを迎えて行く。そして、

最後に勝ち残った一校が、最も長く彼らの夏を楽しむことが出来るのだ。

 

ボクも高校時代、そんな夏の終わりを三度経験した。

 

1年の夏、・・・・・

泣いた。ベンチにも入れず、スタンドからの応援だったけれど、あれだけ怖くて

遠い存在だった先輩たちが、肩を震わせて号泣する姿にもらい泣きした。これが

高校野球なのか、と実感した。

 

2年の夏、・・・・・

泣いた。13番を着せてもらって、ちょくちょく試合にも出してもらい、ランナーコー

チャーにも立った。むっちゃくちゃ悔しくて泣いた。

 

そして、最後の夏、・・・・・

泣かなかった。泣けなかった。

ボクの最後の打席はチームにとっても最後の打席だった。監督さんはその打席

に代打を送った。2年生の16番を。ボクは3年になってからバッティングの調子を

落としていたので、それまでもちょくちょく代えられていた。けれど、いつもそれは、

レフトを守るボクの後ろを守ってくれていた13番を着るボクの同期にだった。

 

彼がボクの代わりに打席に立ってくれていたなら、たとえ結果が同じであっても

泣けただろうに。

そいつと二人で、声をあげて思いっ切り泣けただろうに。

 

試合が終わってすすり泣くチームメイトの中で、一人ボクだけが、ボー然としていた。

 

そんなふうにして、ボクは最後の夏を終えた。

 

*ちなみに、そうやってボクは、夏休みが始まる前に、夏の終わりを迎えたわけ

だけれど、その夏休みはぬけがらも同然に過ごした。な〜んもせずにただボーっ

として過ごした。

 

唯一、同期のチームメイト全員(15人)で、河合奈保子のコンサートに行った。

コンサートなんて生まれて初めてだった。

 

いやぁ楽しかったね。野球部員が15人でしょ?ハンパじゃなく野太い声が通るの

なんのって。そこいらのファンクラブかなんかの集団の声なんて目じゃなかったね。

スマイル・フォー・ミー、いっしょに唄った、いや、おらんだねぇ。(*おらぶ=叫ぶ)

むっちゃくちゃ楽しかった。

 

 

今年、最後の夏を終えた高3生たちよ、

 

河合奈保子って知ってるか?

いや、そうじゃなくて、

 

とりあえず、夏休みは目一杯楽しんどけーっ!

 

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