初めての救急車

  • ケン#39
    2007年05月19日 12:03 visibility66


実は先日、生まれて初めて救急車に乗った。

というか乗せられた。
深夜一時過ぎ、病院へ担ぎ込まれる張本人として。

 

 

実を言うとボクは、高校時代に二度ほど、”初めての救急車”を体験し損ねている。

ベーラン直後にぶっ倒れ、”部長先生の車”(んー、残念)で、病院に担ぎ込まれたことが二度。

 

考えて見りゃ25年も昔の話だ。しかも九州は福岡の片田舎。

「ん?あ、それね、それはねぇ・・・」、な〜んて的確な診断を下してくれるような

ハイカラなドクターなどいるわけもなく、心肥大?、不整脈??、低血糖発作???、

・・・・・「ねぇ、先生、ほんとはわからんとやろ?」と言いたくなる様な人ばっかで、

結局は小倉の国立病院で検査を受けることに。

 

いっろんな検査を受けまくり、しまいにゃ、ほら、よくオリンピック目指すような

アスリートが、ホースにつながったマスクを付けてベルトコンベアの上を必死の

形相でダッシュするやつ、”スポーツを科学する”、みたいなやつ?、あれも、

やりました。

 

今から25年も前に、17歳で、”スポーツを科学する”、やってました、ボク。

やるじゃん、ねぇ?

 

で、言われたのが「過呼吸による発作」、というものだった。

「過呼吸症候群」というのが一般的にはあって、これは、全く普通にしている

時に突然呼吸が激しくなって・・・というやつ。

ボクのは、野球やっている時だけ、しかも、ベーランやアメリカンで激しく呼吸

する状態が長く続いたときだけに発作が起こる、という一般的なやつとはちょいと

ひと味違うものだった、らしい。

 

だから、高3の夏が終わってグランドをはなれてからこのかた、5、6年前に

草野球でグランドに戻ってきてからだって、そんなハァハァゼェゼェいうような

ことやるはずもなく、あれから20年以上、発作なんて起こらなかったし、

そもそもボクの場合、普段の生活では起こるはずがないのだ。

 

 

なのに、それがこの間、起こったのだった。

 

その日、朝から寒気がしていたので仕事を休んで一日寝ていたのだが、

夜になって、トイレと水を飲みに起きたときにそれは起こった。

 

何のことはない、ほら、熱がある時って少し息が荒くなるでしょ?”ハーハー。”って。

キッチンで水を飲み干し、「ハァー、しんどいなぁ、今、熱何度くらいだろうか、

ハーハー。」ってやってたら、それがいつの間にやら”ハーヒー、ハーヒー”に

なり、終いにはなんだか懐かしい、”ヒーヒッ、フーッ、ヒーヒッ、フーッ”状態に。

 

横でパニクるカミさんに、「ヒーヒッ、きゅう、ヒーヒッ、救急車ぁ、ヒーヒッ、呼んでぇ、

ヒーヒッ、くれぇー。」、っと息も絶え絶え、の真逆で、息しまくりで頼むと、

次第に遠のく意識。

 

あとは、ところどころ断片的に途切れる記憶。

 

救急車に乗せられ走り出した頃、ふと目を開けると、なぜかプーさんの人形が

そばに置いてあった。
あと、隊員さんが「えっとぉ、どこ行こっか。」、「ん〜、とりあえず〇〇、行ってみる?」

みたいな緊張感のない会話をしていたのと、その〇〇ってのが、たまったまボクの

田舎の隣町の町名と同じだったものだから、薄れ行く意識の中で、「え〜っ、なんで

よりによって〇〇なん?」って思ったのを憶えている。

 

 

この時点では、息が整って手足・口元のしびれが収まり、朝を迎えれば、家に帰れる

”はず”、だった。

 

よもや、そのまま立て続けに、「初めての入院」まで経験するような事態になろうとは

夢にも思っていなかった。

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