2012年のUEFA - 待望のEUROが開催

  • au
    2012年01月04日 09:16 visibility172
ポーランドとウクライナで開催されるUEFA EURO 2012が、おそらく今年最も待ち望まれるイベントだが、欧州サッカー界全般の発展に向けたUEFAの取り組みは年間を通して進められていく。


7月1日に行われるUEFA EURO 2012決勝の舞台となるキエフのオリンピック・スタジアム ©Olexandr Zadiraka

4年ごとに欧州最高峰の代表チームと選手が集まるUEFA欧州選手権には、世界中の関心が集まる。2012年はこの大会が開催される年だ。

6月8日から7月1日までの間、スポットライトはポーランドとウクライナで開催されるUEFA EURO 2012へと向けられる。思い出に残る試合、忘れられないゴール、そして新たなスターの誕生をもたらすこの大会では、16チームが憧れのタイトルを争う。スタジアムで自国のチームを応援する数千人のサポーターが、感情をジェットコースターのように起伏させる一方、世界中で数百万人のファンがテレビやその他のメディアで試合を楽しむことだろう。

共催国のポーランドとウクライナは、思い出に残る大会にしようと全力を尽くしている。UEFA理事会が2007年に下した、欧州選手権を東欧で開催するという決定は十分に報われており、両国は大会への準備の最終段階を慎重に進めている。ハードワークが実を結ぶのは大会期間中だけではない。両国は将来を見据えてインフラを整備しているのである。

「この二国にとってのメリットは」とUEFAのミシェル・プラティニ会長はベネツィアで開かれた12月のUEFA理事会会合の後に語った。「インフラの質という面で30年先まで見通しが立ったことだ。両国は通信網、一般道路網、高速道路網、空港を新しいものに変えようとしている。いずれも巨額を投資してきた」

「EUROは3週間で終わってしまう」とプラティニ会長は続けた。「しかし、これらのインフラはこの先何十年も残る。両国にとって素晴らしいことだ。あとは選手たちがいいプレーをすれば、サッカーにとっても素晴らしいことになる」

12月にキエフで行われた注目の組み合わせ抽選では、あらゆる面で特別な大会となることが約束された。しかし、7月1日にキエフで開かれる決勝が終わり、歓喜が静まっても、時間は決して止まらない。今度はフランスで開催されるUEFA EURO 2016に向けた準備が進められることになる。

華々しいUEFA EURO 2012以外にも、UEFAは欧州サッカー界の発展へのたゆまぬ努力とともに、そのビジョンと目標を推進していく。UEFAは、欧州のクラブサッカーの安定を守るためのファイナンシャル・フェアプレー規則を実施している。この規則は、各クラブに対して一定期間内にブレークイーブン要件(支出を収入以内に抑えること)を満たすことを義務付けるもの。例えば、このコンセプトに基づき、各クラブは繰り返し収入を超えて支出することができなくなる。

サッカーの本質は、八百長工作、不正行為、違法賭博などの脅威にさらされている。「八百長工作・不正行為の撲滅に向けた取り組みが今後数年にわたりUEFA、UEFA会長、そしてUEFA理事会の最優先課題となるのは間違いない」と最近、UEFAのジャンニ・インファンティーノ事務局長は語った。「サッカーを守ることは我々の仕事であり、不正行為に対して敢然と立ち向かい、サッカー界から撲滅すべきこのガンと戦うことは我々の責任だ」

「試合の結果が始まる前から決まっているという印象をファンや子供たちが持つようになれば、それはサッカーやその他のスポーツの精神に悪影響が及ぶ」とインファンティーノ氏は付け加えた。「八百長工作と効率的に戦えるようになるため、我々はできることを何でもするつもりだが、法執行機関や当局の支援も必要になる。連携して問題に取り組み、一丸となり毅然とした態度で行動しなければならない」

UEFAは、特に賭博不正検知システムを活用した数千試合の定常監視を通し、不正撲滅に向けた取り組みを引き続き強化していく。また、欧州全土で各国当局およびUEFAと連携するUEFA加盟サッカー協会の健全性監督官の協力を仰ぎ、サッカーの健全性を脅かしている犯罪組織や個人の排除および懲罰に努めていく。

2012年には、この欧州サッカーの統治機構にとって前向きなことも数多く待ち受けている。ユーストーナメントの本大会では明日のスターが発掘され、女子サッカーの発展も加速する見込みだ。UEFAの奨励の下、各国サッカー協会と傘下のクラブは、選手、審判、監督、あるいは単なる観客としてでも、より多くの女性をサッカーに呼び込むための多くのプロジェクトやアイデアを、生み出すことを期待されている。

草の根活動は、サッカーの木において根が健全なら枝も健全になるという理念に基づき、依然としてUEFAのビジョンの基礎の一部を成している。5月16日の第3回UEFAグラスルーツ・デーでは、53の加盟サッカー協会で草の根サッカーを祝福するさまざまなイベントが催される。

1954年の組織発足時から常にそうであったように、各国サッカー協会は今後もUEFAの業務の支柱であり続ける。サッカー協会は、ハットトリック・アシスタンス・プログラムを介して成長と発展のための支援を受け、KISSプログラムとスタディ・グループ・スキームを通して欧州サッカー界全体の発展のためにノウハウを交換し、3月にイスタンブールで開かれる第36回UEFA定例総会ではUEFAが欧州サッカー界の道筋をつける手助けをする。

UEFAは2012年に社会的・人道的活動も積極的に推進していく。EURO本大会ではさまざまなプロジェクトでリスペクトの旗を掲げ、欧州の主要な社会問題に取り組むとともにその認知度を高め、ポーランドとウクライナの人々の生活にプラスの影響を与えていく。暴力や人種差別に対しては、言語道断の姿勢で立ち向かう。十分な価値を持つ組織や運動には、UEFAから100万ユーロ(約1億円)のチャリティー・チェックを贈呈する。UEFAの社会的責任を果たすための活動では、サッカーの力と人を団結させ、紛争地域で癒しを提供し、子供たちに際限ない喜びを与える力を強調していく。

新しい魅力的な1年でも、UEFAは欧州サッカー界の重要な一部としての役割を担い続ける。その価値観に基づき、UEFAは「サッカー第一」をモットーにサッカー界のための活動を推進していく。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。