「巨魁」」より: 巨人式BOSでは、2010年ドラフト時点で澤村>>斎藤佑、かつ、宮國>斎藤佑

BOSは、「ベースボール・オペレーション・システム」の略で、選手個々の能力を、客観的な数値で評価分析する手法とのこと。米国で盛んに行われているらしい。

 清武さんは、過去の巨人のドラフトの失敗の大きな要因として、各スカウトの主観や、その時々の監督やフロント上層部の鶴の一声でドラフトでの獲得選手が決められることがあげられるとした。それを打開するために、ヤンキースのBOSを取り入れて、巨人式のBOSを作った。(残っている選手の中から)その点数の高い順番で選手を取るので、「最近の(巨人の)ドラフト当日の選択は楽だ。」という当事者の話とも符合する。流石に、投手と野手では単純な点数の比較は不可能だろうが・・・

 このBOSでは、各項目80点満点で点数をつけ、その平均値で評価する。それによれば、2010年ドラフト時点で、斎藤佑は62、大石が74、澤村が79だったとのこと。斎藤佑の62点は、巨人二位の宮國よりも低かったという。これを元に、澤村獲得を決め、人気のある斎藤佑の獲得要請や、直前の原監督による大石獲得要請を退けたと清武さんは得意げに「巨魁」の中で語っている。

 ただ、この点数方式に頼り過ぎると、たとえば、坂本は獲得できなかったと清武さん自身が認めている。斎藤佑の実力も数値では出ないだろう。2011年の成績は、確かに、澤村>斎藤佑だが、斎藤佑>大石でもある。BOSの成績としては、1勝1敗だろう。

 担当スカウトが違う選手を比較するために点数化は必要だろう。また、監督やフロント上層部(ナベツネ)の思いつきによる獲得要請を排除するためにも点数化は有効だと思う。ただし、それに頼り過ぎてもいけない事も事実だと思う。

 まあ、このほか、「アマチュア選手を長く追跡することが大切。急に成績の上がった選手の結果だけを見て、獲得をしようとすると欠点を見逃すことが多い。」という趣旨の話も大変参考になった。巨人式BOSでも選手を長期においかけることが大事としている。迷スカウトさんなんて、本当に長く選手を追いかけていて、その選手の成長過程を把握することで、「向上心」とか「問題に取り組む能力」とかを把握して評価に加えているものなあ。

 なお、ナベツネさんには、何度かBOSを説明したが、すぐに忘れてしまうので苦労したことも付言してあった。


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