
”あまちゃん”と言われた男(2013-7-02巨人対DeNAイースタンリーグ公式戦観戦記)
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茶柱立乃助
2013年07月06日 07:15 visibility883
―午後4時45分―
(僕は行けませんが楽しんで来て下さい。レポ楽しみにしています。。。)
舎人親方にメールを送りました。
でもその時、、、もういたんです。。。
着いていたんです。
この世でもっとも乳房に名前が近い駅に、、、

そう、追浜駅です。
本来なら予定があって来れない筈が、急遽予定がキャンセルになったもんで電車乗り継いで急いで来ちゃいました。
だって”おっぱ・・・でGとBがムフフ♡”なんて考えたらいてもたっても勃ってもいられません。
股間がど根性ガエルのピョン吉のようになり自然と足が横須賀に向かっちゃうってもんですよ。
足取り軽くウキウキ、ルンルンです。
とりあえず舎人親方にはギリギリまで内緒にしておく事にしました。
最近の親方との関係は倦怠期ぎみですから。
マンネリ夫婦にはたまのサプライズが必要なんですよ。


道すがら仕入れたモスバーガー片手に球場に入りました。
するといきなり目に飛び込んできたのは大きなおっぱいでした。
しかも”和モノ”ではなく”洋モノ”です。
―今日はいつになく外国人の方が多いなぁ。。。
いつもと違う観客席を見ながら首をかしげていると、答えは試合前のセレモニーにありました。



3年間、横須賀スタジアムのベイスターズ二軍の試合に足繁く通っていた米軍横須賀基地司令官のデービット・オーエン大佐が8月いっぱいで退任となり横須賀を離れるそうなんです。
それで今まで応援に感謝の意を表して、ベイスターズが記念のユニフォームを大佐にプレゼントしたのでした。
というわけでいつにもまして外国人、米軍関係者が多かったんですね。
時間は戻りまして、バックネット裏最上段から巨人の練習を眺めていると隆行→祟行→隆行と名前を改名した事でお馴染みの清水打撃コーチがルーキーの大塁に熱心な打撃指導をしていました。


おそらく指導している内容は「スイングが流れてしまってインパクトが弱い。しっかり体の中で打ちなさい」というような事でしょう。
間違っても「下のバットはたしかにお前の方がデカい。でも硬さは俺の勝ちだ」というような話はしていないと思われます。


練習を見るフリをしながら女子達のホットパンツを眺めているとほどなくしてスタメンが発表されました。

先発は驚きの高卒ルーキー左腕田原敬吾でした。
松竜や岸など怪我人多発の二軍投手陣の駒の少なさゆえではありますが、ここ最近の巨人の高卒投手としては異例の早さです。
大体高卒投手の先発デビューは年1回の二軍東京ドーム興行と決まっていましたから。
少しテンションがあがりました。
それと同時に毎度ながら今年の二軍のスタメンを見て思うのは、そこそこ使える中堅やベテラン選手を残しすぎている為に若手が割を食っている感があるのです。
怪我から復帰してからすぐの辻東倫なんかもそうでしたが、中堅、ベテランの調整が優先されてしまって辻東倫が試合に出られないなんて事もありました。
この試合では丸毛がスタメンから外れてしまっています。
二軍は経験のある選手の調整の場であるのもたしかですが、今年はその人数が多すぎます。
おそらく起用している岡崎監督もかなり苦心している事でしょう。
チーム内の世代交代をスムースに進める為にも今年のオフにはある程度思い切った中堅からベテラン選手の整理が必要だと思います。
かつて清武前代表が大道さんやキムタクさんをそうしたように。



二軍のスタメン発表と同時刻、モバイルジャイアンツで1軍のスタメンをチェックすると飛び跳ねたくなるような名前がそこにありました。
”2番ファースト中井”
寝坊遅刻で二軍降格の憂き目にあい、原監督から”あまちゃん”ならぬ”甘ちゃん”と罵られた中井がみそぎを済ませていよいよスタメンで出場なのです。
先日のヤクルト戦で途中出場し、1軍復帰後初ヒットを打った際には
”中井、お目覚めの一打!”
”モーニングショット中井!”
などど新聞に冗談めかして書かれ、23日夜マネジャーから電話で「明日から広島だ(1軍昇格)」と言われた際に「トレードかと思った。」と真顔で語っていた中井がいよいよのいよいよスタメンなのです。
それと同時にこのスタメン中井には正念場、この後のプロ野球人生を決めるかもしれない試合なのです。
しかも相手は巨人の天敵、阪神の能見投手です。
天敵能見相手に活躍出来ればレギュラーとしての足掛かりを掴めるでしょうし、まったく歯がたたなければ再度二軍で今シーズンはもう1軍に呼ばれないかもしれません。
そんな運命を決めるスタメンなのです。
”中井頑張れ!”と、遠く甲子園のある西の空に向かって念を送りました。

とその時、階段から見覚えあるおじさんが見えました。
ご存知舎人親方です。
プロ意識の高い親方の事ですから当然1番レポのしやすいバックネット真裏の茶柱がいる方の席に来るもんだと思いました。
しかしながら舎人親方は茶柱の意に反して、少し観客席を見渡した後すぐ1塁側のなんて事ない席に座ってしまったのです。
―あれれ??珍しい、、、親方らしくないな。。。
慌てた茶柱は急いで親方の所に行き、後ろから「おいコラ!」と呼びかけました。
ビクッとしてこちらを振り返った親方の顔は”鳩が豆鉄砲くらった顔”というか”息子だった筈の子供が娘になって帰ってきた親の顔”というか”門田がブーマーとハイタッチして脱臼してしまった時のチームメイトの顔”というか、とにかく驚いた顔をしていました。
茶柱「へへっ、きちゃった♡」
と、東京ラブストーリーの赤名リカ 風で親方に言ってみました。
すると親方は「なんだいたの!?」と凄く驚いていました。
茶柱「親方、レポしよ♡」
とこれまた東京ラブストーリーの赤名リカの名台詞「カンチ、セッ◯スしよ♡」風に言い織田裕二には似ても似つかない舎人親方を茶柱の席に誘いました。

もう試合開始まで5分でしたが急いでレポ屋の用意を済ませて準備万端。
ふと前に目をやると、僕達の前には今シーズン初めて、試合中にコレステロール値の高い物を食べ、1リットルの小岩井のミルクコーヒーを2本飲み干す、あのメタボの同業者の方がいました。
大きな指で器用にキーボード付きのタブレットを操作しています。
あの方は横浜ファンなんですかねぇ、、、気になる所です。

主審から「プレイボール」と元気な声がかかりました。
が、マウンドにいる巨人先発の田原啓吾は元気が無いというかあきらかに表情が硬いです。
おそらく今日のスタンドにはご両親やらお友達が沢山来ている事でしょう。
硬くなるなという方が無理かもしれません。
―なんとか無難に立ち上がってくれるといいが。。。
そんな茶柱の願いも虚しく田原はいきなり2者連続で四球を出してしまいました。
こりゃイカンとばかりに先輩の内野陣が田原を落ち着かせようと声をかけにいきますが、効果はさほどなく、続く宮崎、後藤の3,4番にあっさり連続でタイムリーを打たれてしまいました。
そして5番井出の大打球はレフトポール際へ・・・・・・・・・・・・・・切れた!ファウルかぁ、、、良かった、、、と思ったのも束の間なんと塁審がグルグル腕を回しているではありませんか!
なんとホームランの判定です。
1軍ならビデオ判定で覆ったかもしれませんが、ここは二軍です。
素直に判定に従うしかありません。
いきなりの5失点です。
今シーズン何回見たかわからない初回の大量失点で、一気に我々のテンションはガタ落ちになりました。
しかしその時です!
なんと1軍の方で中井が第1打席で能見から見事なレフト前ヒットを打ったのです。
一気にテンションがMAXまであがりました。
茶柱「中井やりましたねぇ!」
舎人「嬉しいねぇ」
親方は中井の活躍に目を細めています。
正直この時点で目の前の試合にはさほど興味が無くなってしまいました。
選手達はまずまずみんな均等に活躍したんですよ。
松本は猛打賞だし、大田はマルチヒットだし、橋本は相変わらず好調だし、土田の調子が戻ってきたなんて嬉しい話題もありましたし。
実際試合は終わってみたら5対6と惜敗でしたから。
でもね、単打ばっかりでしたし、大分相手のまずい守備に助けられた事もあってなんか締まりのない試合だったんですよね。
だからなんかフワフワした感じで最後まで見てしまいました。

それよりも今日は遠く甲子園で躍動する中井の打席が待ち遠しくて、待ち遠しくて。。。
第2打席四球
第3打席センター前ヒット!
第4打席右中間ツーベース!!
そして、、、
第5打席レフト前ヒット!!!
ついにきた!
中井4安打5出塁の大爆発!
ずっとこれを待ってた!
隣の舎人親方も感激の面持ち。
カーラジオから流れる中井のヒーローインタビューを聞きながら2人で拍手。
二軍ファンにとって最高の夜、至福の時間。
そして翌朝見たスポーツ報知の中井の記事見たらまた泣けた。
先月11日のG球場の練習に寝坊し、1時間の遅刻。即、2軍落ちとなった。
「人に会うのも嫌だった」とボロボロの精神状態で帰宅すると、台所に足を運んだ。
「オムライスを作ったんですが、卵をひっくり返すのに失敗してひどかった。自分は何してるんだろうなと思いながら食べましたね」。
今年から一人暮らしを始めたが、料理はほぼ未経験。
傷心の中、トライした自炊で気を紛らわすしかなかった。
これまったく同じ状況が僕もあったんですよ、だから凄く気持ちがよくわかって。。。
ライブで滑って落ち込んで帰ってオムライス作ったら卵うまく返せなくて”こんな事も出来ない俺ってなんだろう”って。。。
でもファンの方と中井の姉ちゃんが優しくて良かったねぇ。。。
支えになったのはファンの声だった。
「応援してくれる人に謝った方がいいと思って」とフェイスブックの自身のページを更新して謝罪の言葉を並べた。
だが、批判のコメントはほとんどなく「頑張って」などが大半だった。
「ありがたいです」と感激した。
「普段はサバサバして男っぽい」という姉からはメールが届いた。
「夜眠れないかもしれないけど、また寝坊しないようにね。時々、姉っぽい姉より」。
胸が熱くなった。「頑張らないといけない」―
中井はもう大丈夫。
もう二軍で中井は見たくない。
ルーキーの年から中井を撮影している舎人親方も、もう中井は撮影したくないって。
もう充分だって。
中井君頼んだよ、頑張るんだよ。
レギュラーまでもうすぐなんだから。。。






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