白昼の叫び声。

「もう、やめて!」


驚いて声のする方に目を向けました。

叫んだのは公園で一人、昼御飯を食べている女性。



僕はその公園の側に車を止めて、窓を開けて弁当をほおばってました。



何事!?



見ると女性はたくさんの「平和の象徴」ことハトポッポーに囲まれてました。



ドン!!

と、公園の木のテーブルを叩いてハトポッポーを追い払おうとする女性。


ハトポッポーは動じずに、相変わらず首を振りながら女性のまわりを歩いています。


「嫌いなんじゃーや!!」

怒りくるいながら立ち上がる女性。


立ち去るのかと思ったら今度は別のベンチに腰をおろしました。





数分後…。




女性のまわりには先程と同じ様にハトポッポーが囲んだ状態に。

両者のにらみ合いが続きます。


どうするんかな…?

卵焼きを食べながら見ていたら、先手をうったのはハトポッポーでした。
女性の足元でバタバタと羽ばたきました。

「んもーーーーー!!!!」

女性もバタバタしました。

頭から怒りマークが見えそうな勢いでしたが、また立ち上がるとまた少し離れたベンチへ着席。


どうしてもこの公園で食事を終えたい。そんな強い意志が感じられました。





数分後…。




案の定、二度見たあの状態に。



女性は何かを諦めた様に無言で立ち上がると、広い公園の一番離れたベンチへと歩いていきました。



その後はしばらくそこに座ってましたが、僕が目を離した隙にいなくなっていました。


きっとそこで食事を終えたのでしょう。
女性はよくやりました。

ハトポッポーから逃げ続けましたが、最後まで公園に居続けて、尚且つ、一度もハトポッポーに食べ物を与えませんでした。


ハトポッポーの負けですね。

あれほど首を振りながらアピールを続けたのに食べ物にありつけませんでした。



その後、場所も時間も変わって、車を走らせていると、またハトポッポーの群れを見かけました。


広島駅前だったんですけど、あの辺りはハトポッポーも多いし、群れなんて珍しくないんですけど、驚いたのは群れの中心にいたお婆ちゃん。


頭のすぐ上を飛び回るハトポッポーを気にすることもなく立っています。


さっきのことがあったので、僕はお婆ちゃんもハトポッポーを追い払おうとするんじゃないかと変な期待をして見ていたんですが。

まったくそんなことなく、信号が変わるのを手押し車をにぎったまま静かに待ってます。



信号が変わって歩きだすお婆ちゃん。


その後をついていくハトポッポー。



その状態がもうなんかアニメの世界というか、ドラキュラの回りをコウモリが飛んでいるみたいな…

とても現実離れした感じでした。






僕はある答えにたどり着きました。





お婆ちゃんのペット?






「20羽くらいのハトポッポーを連れて歩くお婆ちゃんのいる風景…」




珍百景、登録お願いします!!






あの公園の女性が心折れてハトポッポーに食べ物を与えたとき…



このお婆ちゃんの様になるんだな…。


なるほど。





妙に納得してしまいました。

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