FWが消える時代?

  • soultrans
    2008年07月13日 01:02 visibility53

今や、サッカーは中盤の底からゲームを組み立てる時代。ファンタジスタの芸術性は消えて、チームをより機能的に効率よくコントロールするために、最も重要なポジションは、ボランチ、ディフェンシブハーフ、またはセンターハーフのポジションまで下がった。

 

それはつまり、3だろうが4だろうが5だろうが、6だろうが、チームにおけるMFの役割が変わりつつあるからだとも言えるし、時代を経るにつれ、サッカー自体のプレースタイルが変化しているからだとも言える。半世紀も昔(もっと前?)はFWが5人でDFが2人、みたいなスタイルさえあったのに対し、今現在は、1トップを組むチーム(や両サイドに張り出したウイングもFWと含めた)3トップのチームが多く、2トップを採用するチームも、いずれか一方がより前にでて、もう一人は少し下がったりする、要はMF的な役割を担っているチームが多くなっている。こないだのユーロでも、このいずれかのケースが多かったと思うけど。。ほとんど観てないからなんともいえないけど。

 

で、昨日たまたまエコ特集をやっていたクーリエ・ジャポンを買って読んでたら、1ページだけ、サッカーに関する内容がたまたま(だと思うけど)載ってて、その内容は、スコラリ監督が5年ぐらい前に、いずれ4-6-0のシステムになるだろう、ってなことを言っていた、というものだった。

 

これって、確かに当たりつつある。と思いました。

 

ちなみに、クーリエ・ジャポンは、海外の新聞・雑誌などの既報記事を編集する(だけ)というざっくりな国際情報誌だが、この記事は、イギリスのオブザーバーという新聞(ガーディアンの日曜紙らしいbyWikipedia)の記事で、記事の内容はとても興味深かった。

 

以前にも書いたけど、サイドプレーヤーはディフェンスのフォロー〜攻撃を一手に引き受け、その重要性が依然として高い状態だ。

その一方で、中央で待機する選手、たとえばFWは、前線で張っていて、ボールが来た時にしか仕事しない、では、現代のサッカーでは通用しないようになってきている。そしてFWがMFの仕事をする、ということ以上に、MFもFWのように点を取る、ということがより強い意味を持ちはじめ、高いレベルのチームにおいてはそれが現実に起こりつつある。それがマンUのCロナであり、ローマのトッティであるという。

 

昔、FWが多かったのは、ゴールに近いところ人を置いて、取られたら取り返す、というようなことが潜在的にはあったのではないかとすごく個人的には考えているのだけど、それがゴールするため、さらには勝つために必要な人員配置、システムを整理する過程で、DFが増え、MFが増えていったんだと思う。

 

そしてゴールする方法、勝つ方法の主眼は、「ボールを持ってからどのようにゴールへ達するか」に変化し、そこからさらに、「相手の攻撃を防いでボールを効率的に奪うには」といった変化を経て、現在のシステムが存在しているのではないかと思う。そう考えると、時代毎に、重要なポジションが後ろに下がりつつあることに気づく。サッカーではFWが依然として得点に最も近い存在で、重要な選手であることは確かだが、近年は特に中盤、しかも中盤の底にいる(あるいは攻撃的MFの後ろにいる)選手がゲームのカギを握る存在として取り上げられることが多い。

 

それと同時に、 以前のファンタジスタ、攻撃的MFの役割は、よりFW寄りになり、セカンドストライカーやシャドウストライカーと呼ばれる2列目の攻撃を担うポジションとなっている。簡単にいえばFWも兼務することが多くなった。組立の役割が後ろの選手に下がった分、より攻撃的な部分に集中することが求められるようになったと言えるんじゃないだろうか。

 

そうすると、たとえば、攻撃的MFのほうが、FWよりも球持ちが良かったり、パスも出来てシュートも打てれば、実はFWよりも効率的なんじゃない?みたいなことがありうる。

そしたら、そんな選手を前線に置いて、再度を足の速い選手でカバーして、中盤の底からゲームを組み立てる選手が存在して、でDFを4枚横に、、みたいな戦術、意外と考えられるのではないだろうか、今ならば。

 

逆に、5年も前にこう言っているスコラリ監督って、やっぱすげぇ、みたいな話にはなるんですけど。

 

ちなみに、このクーリエ・ジャポンに、僕が先日出かけた日本vsバーレーン戦のTV番組で川渕さんがこの4-6-0について言及したらしいとかが補足で書いてあったけど、ボールが回せても、ゴールに到達しなければ、いくら優秀なMFが日本にはたくさんいたとしても、勝利するのは決して楽ではないと思うけどね。。

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