球ギワの技術
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soultrans
2008年01月29日 02:08 visibility38
去年、浦和とミランの試合を見ていて改めて思ったんだけど、ヨーロッパと日本の違いは、ゲームメイクそのものの精度もあるけれど、それ以上に、球ギワの速さに歴然とした差があった。って何かに書いてあったけど、その通りだった。
あの試合、多分ミランは今期それほどリーグでは思うようにできてないとは言え、それでも全然本気でなかったように見えた一方で、浦和は前半からかなり飛ばしていた。結果として後半にはあっという間にボールキープされるという展開がずーっと続いていた。
ヨーロッパの試合とJリーグの試合で一番違うのは、スピードだ。ボールが動くスピードが決定的に違う。緩急の差というか、その急の時のスピードが圧倒的に違う。それは、技術的なものにもよるだろうけど、結局それはいかに早く判断を下すかということでもあると思う。単純にトラップのポイント、ダイレクトパスのポイント、その速さというよりは、トラップの判断をする浦和とダイレクトパスの判断をするミランという違いだと思う。ヨーロッパのサッカーは最終的にFWがシュートを打てる体勢を作るために、ゲームメイクしているのがよくわかるのだが、日本の場合は、クロスを上げるためにゲームメイクしているような気がいつもしている。安全にゴール前に持っていく術があるはずないのに、リスクを冒さない結果、相手のリスクにならないプレーをしてしまう。これでボールキープ率が上がって、実況の人がキープ率は高いので優勢ですみたいなことを言った日には、頭が痛いッス。まぁ、ミラン戦はキープ率も圧倒的にミランだったと思うけど。
このゴールにつながる球ギワの判断が出来る選手は、ヨーロッパにいる日本人選手たちの方が早い。稲本とか、松井なんかは、特に早いと思う。それは状況を即座に判断できる技術が上がっているということでもある。ただ、パスを出す方の速さだけでなく、受け手の速さも重要で、むしろこっちがなかなかいないこともあって、決定力不足とよく言われるが、決定力に悩むのはどこの国も同じで、実際は判断力不足といえる問題じゃないだろうか、とも思う。
球ギワの速さに慣れなければ、前に出る機会自体を相手に摘み取られやすい。こういう点こそ海外組の利点があるのではないだろうか。スコティッシュ・プレミアやプレミアはもともと早い展開が多いし、イタリアはより堅実に、ミスをしない判断力が求められる。多分ヨーロッパのゲームスピードは基本的に速い。だってみんなゴールを狙ってるんだから。海外組の選手と国内組の選手の差も、浦和とミランの差も結局は球ギワの判断力の速さではないだろうか。
ちなみに、浦和vsミランの話で、ゲームメイクという点では、カカがネネにドリブルを止められたすぐ後に、同じようなシーンであっさりとネネを抜いて得点につなげたシーンがあった。ゲームメイク上の修正の速さ、正確さがはっきりわかるシーンだったと思う。一回目、ネネがカカのスピードに乗るドリブルを止めたとき、さすがネネはブラジル人だな、と思った。けど、二回目に同じような展開でカカがボールを持ってネネに向かっていったときに、さっきとは違うテンポで、つまりスピードを上げてボールタッチも大きくして、ワンステップぐらいでネネを置き去りにした。そのときはやっぱりさすがカカだわ。。と思った。
正直、浦和はミランには勝てないだろうと思ってはいたけど、さらに正直に言うと、浦和はたぶんセリエAでもシーズン通して調子が良ければ中位ぐらいには残れるチームだと思う。そう考えると、もしかしたら、という気もしたんだけどね。。ミランがあれだったし。でも、やっぱり大舞台に強いミランと、まだクラブワールドカップ初出場の浦和では、経験でも大きく水をあけられている。また今年もヨーロッパか、南米か、どっちかまでたどり着いてどっちかを倒して欲しいと思います。多分日本のチームでその確率が一番高いのも、結局レッズだと思うから。
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