初めての優勝(やっぱり今度も長文です)
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よし
2010年04月26日 14:23 visibility101
▼昨日は夕方からスクール内でのシングルスの大会があった。
うちのスクールでは、上級者クラスの上に、超上級者クラス、最上級者クラスという冗談のような名称のクラスがあるのだけれど、その超上級者クラス、最上級者クラスは参加できないという、上級者クラス以下による大会だ。
エントリーは8名で、4名ずつのブロックに分かれて総当たり戦を行ない、上位2名ずつが決勝トーナメント、下位2名ずつがコンソレトーナメントに進む。
▼おバカな僕は日中に外のコートで4時間もテニスをしてきていた。
シングルスの試合の当日に4時間もテニスをしてくるって、どういう神経をしているのだろうと自分でも思うのだけれど、テニスをする機会があったら逃したくないという貧乏性ゆえ、仕方がない。
しかもその前日には、スクールのレッスンを1時間半、お苦しみのゲーム大会を3時間半やっていて、けっこう疲労感が溜まっているのだけれど…。
▼1回戦目の相手はI田さん。いいスピンサーブを打ってくる人なのだけれど、けっこうネットにひっかけるミスをしてくれるので、こちらは省力テニスを心がけつつも、危なげなく6−1で勝利。
▼2回戦目は中学生のS澤くん。前回、こちらがリードしていたのに、途中からまくられて、結局5−5の1本勝負までいって、最後の最後にS澤くんのミラクルショットで負けてしまっている。
そしたら、今日も似たような展開になってしまう。4−1で勝っていたのに、ぐんぐんとまくられて、ふと気がつけば4−4と並んでしまう。このあとの試合のために体力をとっておくつもりだったのだけれど、そんな余裕はなくなり、本気モードに移行して6−4で勝利。
この試合の途中で左足首をひねってしまう。
カーペットコートというのは滑らないので、急ブレーキをかける時に、足首をひねりやすい。
さいわい、それほどひどい痛みではないので、きっちりテーピングをして次の試合に備える。
▼3回戦目はシコラーキングのI井ちゃんが相手。もう、彼との対戦は飽きたよ。
いっつもいっつも長い試合になって、最後には根負けして負けたりしているのだ。
こっちに体力が有り余っている時には、最初っから攻撃モード炸裂で撃破したりもしているのだけれど。
今日は、日中に4時間も練習をして、しかもS澤くんと長い試合をしたばっかりだったので、攻撃的なテニスは自滅に結びつく恐れがある。うーむ、どうやって戦ったらいいのか?
今日は試しに、思いっきりカットをかけたドロップショットを多用してみる。相手の打ってくるボールに勢いがないからこそできるプレイだ。
勢いのある深いボールと、このドロップショットを組み合わせると、けっこうポイントを稼ぐことができた。
不用意に前に詰めると、ストレートを抜かれたりするので、あまり前には詰めずに、中間的なポジションでゲームを展開することも意識してみる。
結果、6−2で勝利。
かくして、全勝で決勝トーナメント進出が決定。
▼決勝トーナメント1回戦は、勝手知ったるHORさんが相手だ。
HORさんは、どちらかというと波に乗ってガンガン攻めてくるタイプのプレイヤーで、それに対処するにはスライスなどを多用してリズムを狂わせることなのだけれど、今日のHORさんはいつもと違っていた。
いつもならひたすら攻撃してくるくせに、今日はスライスなどを多用して、我慢のテニスをしてくるではないか。
しかも、ちょっと油断すると、ガツンと打ち込まれ、それをなんとか返すと、いつのまにかネットの前に詰めていて、ボレーショットを決められてしまう。
もっと一本調子に攻めてくることを予想していたのだけれど。
なかなか厳しい試合となる。
とにかく、厳しいショットの次には必ずネットに詰めてくるので、そこを餌食にされないように気をつける。ネットに詰めてきたと思ったら、必ず返球がセンターに寄らないように気をつけて、ストレートを抜くことを意識する。
結局、6−4でかろうじて勝つことが出来たが、非常にきわどい試合だった。
▼そして、決勝戦の相手は、超シコラーのSさんが相手となる。
I井ちゃん以上のシコラーで、非常にやりにくい相手だ。
とにかく、たいていのボールはきれいに面を合わせてきっちりと返してくる。しかも、I井ちゃんに比べて、それなりにスピードの乗ったボールが返ってくる。
前回は、まったく打ち合いに付き合わずに、初球から相手のバックサイドめがけて攻撃的なショットを打ち込むという単純な作戦でストレート勝ちをおさめているのだけれど、今日はそうはいかないだろう。
さすがにこちらも疲れてきているので、攻撃の精度も落ちてきている。そういう時にひたすら攻撃的なテニスをしても、自滅するのが関の山だ。
しかし、かといって長いラリーにつきあったのでは勝ち目はないので、やはりひたすら攻撃をするしかないのか。
今回も、ひたすら攻めることに覚悟を決める。
相手のゆるゆるのサーブを、バックサイドめがけて思いっきり打ち込む。
しかし、やはりアウトすることが多い。しかし、それでも攻撃的なテニスを続ける。
さいわい、スピードを乗せたスライスサーブがポイントを稼いでくれて、サービスキープの展開となり、攻撃をミスってポイントを落としても、まったくゲーム差は開かなかった。
もともとサービスに威力のないSさんだが、今回は途中から山なりのポヨポヨサービスを多用してきて、けっこうそれに悩まされた。
普通なら楽勝パターンのサービスなのだろうけれど、一気に攻撃しようというときに、この山なりのサービスは攻撃しにくい。
いかにも攻撃心を誘われるサービスなのだけれど、高くはずんだボールを打ち込もうとすると、ミスってしまうことが多くなってしまう。
仕方なく、高いバウンドが落ちてくるまで待って、それを強打せずに返して、そこからゲームを組み立てることとなる。
それでも4−3で先行。
ところが、チェンジコートの際に、Sさんはスタスタと自分の荷物を置いてある隣のコートへと行ってしまう。
Sさんは足を攣ってしまうことがよくあるので、足にグルグルにサポーターを巻いているのだけれど、隣のコートのベンチでのんびりとそのサポーターのまき直しを始めてしまうではないか。
ひとこと、こちらの了解を得てからにして欲しいぞ。
待たされること数分。
ここで、自分の中にあった何かがスーッと引いていくのが分かった。ギリギリ保っていた緊張感、集中力がみごとなまでに消えていってしまう。自分の裡にあった熱いものがスーッと冷めていってしまう。
やばいと思ったけれど、自分の中をどう探しても、闘争心がまるで見つからない。
こんなのは、初めてだ。
ようやく戻ってきたSさんは、今度は座り込んでシャツを着替え始める。
そのあとは、Sさんのヘロヘロサーブに対して、まったく精彩を欠くリターンのミスを連発して、あっという間に4−4。
追いつかれてしまっても、ぜんぜん闘争心が戻ってこない。
それでもなんとか気力を振り絞ってサービスでポイントを稼ごうとする。
最初の1本を取ったところで、Sさんが「ポイント、いくつでしたっけ?」と聞いてくる。
このSさんは、試合の途中でポイントが分からなくなって相手に聞いてくるということが、1試合に4〜5回は必ずある。しかも、対戦相手がポイントを教えると、「えー、違うんじゃないかなあ」などと言って、試合が中断することもしょっちゅうなのだ。1試合に1回は必ずこれで試合が中断すると言ってもいいくらいだ。
この試合でも、すでに何度もポイントを聞かれているし、そのうちの1回はこちらの言ったポイントに納得がいかないようでしきりに首を傾げていた。
本人は「ラリーが長くなって、分からなくなっちゃうんですよ」と言っているが、今回はまだゲームが始まったばかりだよ。
「フィフティーン・ラブです」
そう教えるが、どうしてもイラっとしてしまう。
ちなみに、今回の試合で初めて気がついたのだけれど、このSさん、自分が勝っている時には、ちゃんとポイントを声に出して確認しているのである。レシーバーサイドの時にも、ちゃんとポイントを口にして自分で確認しているのだ。
どうも、負けてくると夢中になってポイントが分からなくなってきてしまうものらしい。
そして、サーティオールから左のラインを狙った僕のショット。
僕の目にはラインに乗ったように見えたから「よっしゃあ!」と快哉の叫びをあげる。
ところがSさんは、「いまの入ってましたか?」と聞いてくる。
もちろん、僕の目には入っていたと見えたから「よっしゃあ!」と叫んでいるので、「はい」と回答する。
というか、セルフジャッジで相手に「入っていましたか?」と聞くか?
しかし、本人はその回答に納得できず「えー、入っていたかなあ?」と悩み始める。
もう、こちらのイライラは我慢の限界近くまできているというのに、「ラインの少し向こうだったように思うんだけどなあ」などと、言い出す。
「セルフジャッジですから、自分の思うようにジャッジしてください」
「えー、どうしよう」
本人はしゃがみこんで、迷っている。
「入ってましたか?」
また聞いてくる。
「セルフジャッジですから、そちらで判断してください」
「えー、困ったなあ」
「セルフジャッジですから」
「セルフジャッジですから」を何度も何度も繰り返して、ようやく「じゃあ、アウトにします」というのが、最終的な判断でありました。
もう、完全にやる気がなくなってしまう。
それでも、なんとかそのゲームはとれたからよかったのだけれど、これでゲームを落としたのでは非常に不愉快になるだけということが分からないのかなあ。
不愉快な気持ちを引きずったまま試合を続けて、それでもなんとか6−4で勝つ。
ベンチに引き上げたところでSさんに、「即座にコールできずにジャッジに迷った時には、インとコールしないとトラブルになりますよ」と苦言を呈する。
「そうなんだけどさあ、よしさんが入っているって言うから」
「相手がなんと言おうと、毅然とした態度でジャッジしないと。ああやってさんざん悩んだってことは自分のジャッジに自信がないってことだし、そのあげくにアウトを宣言されたのでは相手が不愉快になりますよ」
そう言っても、いまひとつ納得はしていなかったみたいだけれど、ジャッジであそこまで延々と悩まれて、そのあげくにアウトを宣言されたのは初めてだ。
▼というわけで、最後の試合がなんとも不愉快なものになってしまったのだけれど、優勝であります。初めての優勝であります。
テニスを始めて5年、シングルスを始めて2年で、とうとうここまで来てしまいました。
いやあ、嬉しいなあ。
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- 事務局に通報しました。
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