ドラフト・北海道版黄金世代物語2

  • TTO
    2012年10月27日 23:31 visibility746

全国有数の戦力を誇った北海、投打にバランスの取れていた駒大岩見沢。

<本当に凄かった北海の三遊間>
北海高校は伝統校らしく、守備力、バントなど、元々基本がしっかりしたチームでしたが、その中でも遊撃手・小林、サード・池田の三遊間コンビはおそらく全国屈指だったと思います。
北海道産の三遊間コンビで歴代No.1は、2005年、駒大苫小牧二連覇の時のショート辻、サード五十嵐だと勝手に思っていますが、北海の小林、池田の三遊間も凄かった。
特に池田はサードの動きじゃない。
例えるなら、日ハム・小谷野のようで、とにかく足が止まらない。小林がいなかったら間違い無くショートだったでしょう。こんな選手をサードに置けるところを観ても、この年の北海がいかに選手層が厚かったかが分かります。

そして北北海道の駒大岩見沢。この頃は北北海道では無敵でした。前の日記で書いた、青山、松本の他、3番を打っていた及川はプロにも注目された選手でした。
投手陣も左の坂木、右の沼館という二枚看板がおり、全国でも十分戦えるチームだったと思います。

<力は見せたが。。まさかまさかの展開。あの北海が。。>
さて、甲子園です。北海の初戦の相手は愛知の東邦。トップの山田、4番清水を中心に強力打線と言われていましたが投手陣に柱がおらず、どちらかと言うと北海に分があると僕は見ていました。

ところが。。
試合開始のサイレンと共に鍵谷が投じた144�を先頭・山田がいきなりバックスクリーンへ先頭弾!
3回には2番・小宅がライトポール際へライナーで突き刺し、2−0。その後も鍵谷に完全にタイミングが合っている東邦打線に道内無敵を誇った鍵谷のストレートが次々と捉えられ、計19安打で15点を献上。セットのタイミングを読まれ、楽々盗塁を許すなどやりたい放題。
打線は池田の本塁打などで10点を返すなど力は見せましたが、信条とする送りバントを守備シフトとバッテリーの工夫で封じられるなど攻守に完全に研究されていました。(北海は送りバントが本当に上手く、道内では失敗した所を観た記憶が無い)

結局最後まで粘りを見せたものの、15点が重くのし掛かり15−10で惨敗。
ショックでした。前年まで全国を席巻した、駒大苫小牧に勝るとも劣らぬ総合力を保有し、全国優勝さえ狙えるほどの質の高いチームだったからです。
原因は色々有るし、運が悪かったと言えばそうなのでしょう。

ですが、一番はやはり野球の質の差。東邦側は鍵谷の癖や特徴、捕手・立島のスローイングの遅さ、北海の攻撃のバロメータである、送りバント封じなど、北海を丸裸に研究し、北海の弱点を徹底してついてきました。

逆に北海はといえば、あらゆる角度から攻めてくる東邦にたじたじとなり、鉄壁だったはずの遊撃・小林に凡ミスがでるなど、完全に浮き足立っていました。
北海道ではこういう野球はまだ発達していません。だから、全国の野球に着いていけない。
北海が強かったのは、単純に良い選手が揃っていたから。北海道ではそれで勝てても、甲子園では通用しなかった。

そこが駒苫との差なのです。駒苫は基本的に学校にあまりおらず、全国の強豪と練習試合を沢山やっていたと聞きます。つまり、全国の野球に慣れていた。
そんな事、普通の学校が出来るわけがない。
この敗戦はもう良い選手を集めるだけでは勝てない、そしてやはり、駒大苫小牧は特別だったんだという事実を改めて浮き彫りにしました。

次回は嬉しい誤算、駒大岩見沢の快進撃です。黄金世代の集大成や如何に[e3]

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