
選手ははたしてお客様なのか?(その3)
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たこ
2008年04月09日 20:52 visibility31
2003年11月23日。その日は曇り空に雪が舞い、冷たい風が吹く、とても寒い日でした。そんな中でもビッグスワンには朝9時の段階で既に1万人余の人達が集合。予定を30分早く開場し、あっという間に4万2223名の人達を飲み込んだビッグスワンは、とても異様な雰囲気に包まれていました。
『絶対、今日J1に昇格する!』
推測ではなくそれは確信。そんな歴史的な場面を見ようと言う人達は、スワンの中はもちろん、入りきれなかった人達のためのパブリックビューイングがスワン横に設置されていて、そこにも多くの人が歴史的瞬間を見守っていました。
午後1時。選手はみな手をつなぎ、一つのつながりになって入場。うち何人かは髪の毛をばっさり切った坊主姿。選手のこの試合にかける意気込みが否応にも伝わってきて、私はこの時既にぼろ泣き状態。隣にいたおじさんに思わず心配されたぐらいでした。
そして試合開始。異様な盛り上がりと一体になって応援するサポとは裏腹に、試合自体は静かに、とても落ち着いた入り方。しばし淡々とした展開で、このままいくのかなと思ってた矢先の前半10分、上野の先制ゴールが決まり、場内は歓喜の渦に。見ず知らずの他人同士が肩をたたきあい、向かい合って大声上げて喜び合う。まさにサッカー観戦の醍醐味!
しかし、ここから大宮の猛攻に耐えながら追加点を狙う一進一退の展開が長く続き、サポも気が気でない状態。特に終盤になると大宮のバレーと黒崎のツートップを中心とした猛攻が続き、新潟はひたすらチーム一丸でそれらの攻撃を跳ね除け続ける。この頃新潟サポはひたすら祈り続けた。早く時間が過ぎることを・・・・。そして・・・・・・・、タイムアップ。あの素さんが『新潟サイコー!!』とまるで少年のようにはしゃぎ、多くの選手がサポーターの情熱を、多くのサポーターが選手の奮闘を讃えあった。2003年、
J2優勝というおまけつきで、新潟の『おとぎ話』第一章は完結した。多くの歓喜の涙とともに。
しかし、この年は、選手とサポーターとの関係というところでも一つの分岐点になっていました。
(つづく)
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- 事務局に通報しました。
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