
信じる心
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mw
2009年01月10日 18:01 visibility75
胸が一杯で(もともとサイズが小さいので,中に入る気持ちの量も限られているんでしょう)
なにを書いていいのやら、とりとめのない文章になりますが,お許し下さい
W杯の会場ともなった埼玉スタジアム2002
田舎の広島から出て行った皆実イレブンの目にはさぞやまぶしく映った事でしょう。
開始5分くらいは、まさに、「お上りさん状態」だったとおぼしき皆実イレブン
解説の方がおっしゃっていましたが、この素晴らしいスタジアムを見て,やはり少年達は
「おお〜」とどよめいたそうです。しかし、若干35歳、就任二年目の藤井潔監督の言葉がすばらしいではありませんか
「確かに素晴らしいスタジアム、でも、68m×105m のピッチのサイズは一緒。今日の試合はその事に気がついた選手がチームの中に何人いるかで決まる」
その事を覚えていても,身体が反応しなかったのでしょうか 中央の狭いスペースの中に密集して,身体に見合った(?)小さいサッカーを繰り広げます。
それは,創立20年の学校からやって来た鹿島イレブンにとっても、おそらく同じ事だったでしょう。
しかし、さすがに4000数校の中の4校、1000分の1に残った22人です。それぞれのチームが徐々にビッチの広さ(狭さ?)を思い出し、その中で繰り広げて来た自分たちのサッカーを思い出して来ます。
テレビのこちらから見ると、その事に気づいたのは、ほんの少し皆実の方が早かったかもしれませんが、それは、皆実が向かって左,風上から攻めていたせいでそう見えただけかもしれません。
どうも、テレビで見る限り、埼スタの風はずっと吹き続けているのではなく、強く吹いたり弱まったりしている気まぐれ風のようでした。
この日唯一の得点は,県予選9得点、しかしながら、本体会進出後無得点のFW金島君が、ペナルティエリア中央へ入ってきたところを、右サイド2番村田君が上手くタイミングを計って,DFの間を通して入れた早くて低いクロスをワンタッチで打ち切れず、一度膝の中に挟み込んだようなトラップで落として左足で,左隅にはじき込んだ一点です。4試合目にして初得点でした。
この日の前半も、右サイドからあがったクロスを完全にフリーでヘディングしたものの枠を捕らえきれなかったり、シュートをキーパー正面ではじかれたり(鹿島のGKは本当に素晴らしかったですが、、、)好機に得点出来ずに居ました。
しかし、私が,胸を打たれたのは,選手達は皆、それでも金島君を信じて、金島君にボールを預け続けた事です。
それは、試合前のミーティングで監督が『決勝で闘うためには,どうしてもFWの力が必要なんだ』と選手に話し、金島君にも「お前がやるんだ」と話された事を、 金島君一人ではなく,チーム全員が自分の事として聞いていたからだと思います。
金島君が決められなくて決勝に進めなくても、 それは誰のせいでなく、その事を選んだ自分たちのせい、そう思っているかのようなプレーだった気がします。
ローカルテレビで,本戦出場前の皆実高校を特集していました。この大会、一人として引退せず練習を続けた21人の三年生のうち、4人がメンバーから外れています。 監督からユニフォームを渡されるとき、メンバ−から漏れた4人は泣いていました。それだけでなく、メンバーに入った中の数人もやっぱり泣いていたのです。ヒーローインタビューで金島君も答えていました。「(皆実というチームは)三年生21人が一つにまとまって闘っています」
皆実の選手達が、信じて勝利を委ねたものは,埼玉スタジアムを吹き抜ける気まぐれな風ではなく、 3年間共に練習をして,泣いたり笑ったりして来た仲間達,そして,それをずっと導き見守って下さった監督だった
得点シーンでまずベンチに走り、監督としっかりと抱き合った金島君の姿をリプレイするテレビの画面を見ながら、私は,準決勝なのに泣いてしまいました。
後半30分頃、鹿島の応援スタンドに映った鹿島イレブンをお世話されている寮母さんの「既に完全な涙目」にもらい泣きもしてしまいました。
若干35歳と言っても,さすがは県下一の皆実高校を率いる藤井監督、
試合後のインタビューで、目はちょっと濡れて,声は震えていましたが、涙は決勝戦終了まで持ちこたえる事ができたようです。
勝っても負けても、決勝戦後には、藤井監督でも、やっぱり,泣くんじゃないかと思います。
私は12日には、バスタオルを持ってテレビの前に陣取る事に決めました。
涙を絞り切って,正月休みのメタボ肥大化を消化する作戦です(笑)
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- 事務局に通報しました。
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