ビゼーの「カルメン」にのって
-
ミオヂ
2006年08月14日 19:07 visibility602
ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!
マイケル・リッチーって死んでたのか!しかも5年前の2001年だと?
知らなかったぁぁぁぁー。ヒマなので色々ググってた私はちょっとショックです。
マイケル・リッチーなんて外人選手いたっけ?メジャーリーガーか?と思ったあなた、知らなくとも無理はない。この人、野球選手ではありません。
映画監督です。
我が,マイフェバリット野球映画
「がんばれ!ベアーズ」の監督です。
ショックなので今日は
「がんばれ!ベアーズ」(1976年 アメリカ映画)
について書いてみよう。
市会議員が地元社会に尽くしてます!な言い訳と自分の息子のために作らせた少年野球チーム、ベアーズにて、野球を知らない子供とダメダメな監督が当然,負けまくってしまったので助っ人2人(美少女ピッチャー&DQNスラッガー)入れて特訓!で、強くなる・・それだけの映画なんだが好きなんだよなぁ。
詳しいストーリーはたいていの人は知ってるだろうから書かない!・・・いや、いまじゃ知らない人の方が多いのかなぁ・・。
とにかく話を進める。
この映画でいいなぁと思ったのは、監督のバターメーカーを演ずるウォルター・マッソー。
練習前に(車に乗ってるのに)クーラーボックスから缶ビールを出して、2.3口飲むと、缶の中にバーボンをどぼどぼと注ぎ込み、それをまたウマそうに飲んでしまう。練習前なのに。
ワイルド,と言うよりはスゴく大雑把、アル中っぽい飲み方である。ちなみに、このカクテル「ボイラーメーカー」と言うらしい。
そんな監督だからベアーズの子供に「俺はテッド・ウイリアムス(メジャー最後の四割打者)を三振に切ったことがある」というマイナーリーグ時代の武勇伝 を再現!とマウンドに立ち「まずは内角にスクリューを・・」と振りかぶったら酔ってるんで、そのままぶっ倒れてしまい、マウンドに集まった子供に「しょーがねぇオッサンだな!」と言われてしまうダメっぷり。
ちなみに、この人、この映画以外では「サブウェイ・パニック」の地下鉄管制官の役が私は好き。
で、次に助っ人美少女ピッチャー、アマンダを演じたテイタム・オニールについて語ろう・・と思ったのだが気が変わった。
この映画で一番私が、笑うと同時に同意してしまったのがこのキャラクター。
ベアーズが最初の試合で 無茶苦茶に負けた時、チーム唯一の黒人でハンク・アーロンを神と崇める子供がいじけて木の上に上って降りてこない。
それを見たバターメーカーが「おい!そのくらいでなんだ!ハンク・アーロンが何回三振したと思っているんだ!」と怒って言うと「×××回です!」とその横で正確な記録をことごとく冷静に答えてしまうオギルビーという野球データバンク少年。いや、思わずニヤリとしてしまうキャラクターでした。
しかし、この人、プレイヤーではなくスコアラーなんである。
最初の試合でもオギルビーが冷静に 「これでエラーが20個目ですね」とかいいながらスコアブックつけている横で,バターメーカーが無茶苦茶な試合に「もう勘弁してくれ」てな表情をしてるのが何ともおかしい。
野球は全然出来ないのに、野球、無茶苦茶好き、野球の知識は目一杯。しかも、メガネ。
子供の時、広島の朝日会館で観て思ったもんである
「お前はわしか?」
今観ると、この映画,ベアーズの選手たちのキャラの書き分けが実に鮮やかなのだが、男の野球ファンに絶対いるタイプをよくもまぁ、メンバーの中に入れたもんだなぁとそのキャラ造形に感心してしまう。
その他、この映画今見返すと「あれ?」と思う部分がいくつか。
ベアーズをはじめとするチームのユニフォームの背中には背番号がない、のだ。(腹側のチームロゴの下には番号がある)
あるチームはファミレスだったり、タコベルなどのスポンサーの広告が入っているのだ。
これは「ウチの企業は子供野球を応援しますよ!」の企業アピールのための広告らしい。ちなみにベアーズは「保釈金保証会社」の広告。ギャグになってるんである。今みたいにユニフォームに広告が入るのが当たり前ならともかく、この映画1976年製。当時の日本であまり理解されないギャグだったんだろうなぁ。
で、またユニフォームだが、ベアーズの所属するリーグのほとんどのチームが 当時のはやりのニット地のプルオーバー(前にボタンのないタイプ)なんである。そんな中でベアーズのユニはボタン外にそってラインが入り(ラケットラインって言うの? )地味なえび茶にまたクラシカルなロゴ。かなりレトロなユニだ。
今ならこのデザイン「お、渋い!」と言われるとこだろうが、当時は単なる時代遅れ。
これ観て、ベアーズは、市会議員の都合で急遽作られたチームだったんで、こんな流行遅れのユニしか用意できなかったと言う意味のギャグだったのか!と今更気づく。(それを示唆するシーンもちゃんとあった)
ちなみに、ウッチャン初監督作品「ピーナッツ」のユニはこのベアーズのまるパクリ。いや、これはオマージュと見るべきか? それともインスパイヤ?
で、強くなったベアーズが決勝で当たるチーム、ヤンキースのターナー監督はビッグ・モローが演じております。
「トワイライト・ゾーン 超時空の体験」撮影中、ヘリコプター事故で死んでしまいましたな。 そのパートを担当したジョン・ランディス監督は「ブルースブラザーズ」などの傑作を撮っていたのにこれ以降,凡作連発で未だスランプ状態。モローの呪いなんでしょうか・・。
で、勝利至上主義のターナー監督と、途中から「野球は楽しいもんだ!」と悟ったバターメーカーの激突は残念ながら、ベアーズの惜敗。
この映画の「勝つ事以上に大切なものが野球にはある」なメッセージは考えようによってはきれいごと過ぎるが、決勝戦で生まれて初めてフライをキャッチできた子供が試合後、バターメーカーに「今度はバッティングを教えて」と、頼むシーンには、ひねくれ映画マニアの私もグッと来てしまうんである。この幕切れなら、ホント素直に受け取れるのである。
しかし、ラストシーンでバターメーカが「お祝いだ!」といって子供に缶ビールを配るシーンがある。キャラクターの出た実にいいシーンなんだが,あれ、いいのかなぁ?
そんな訳なので、お盆ですんでリッチーの魂も現世に帰ってきてますんで、こんなの書いてみました 。見たこと無い人はお盆休みにレンタルしてみてねー。リッチーのいい供養になります。
・・・・アメリカ人にお盆って関係あるのか、なんて考えないでね。
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件