遠藤一彦（大洋）

僕はプロ野球に興味を持つようになった小学校低学年の頃から今まで一貫して巨人が大嫌いだ。
理由は単純明快。
えこひいきされているからだ。
新聞社が親会社で、テレビ局も持っていて試合がある日は必ずテレビに映って露骨に偏った実況をし、なおかつアニメまで作って子供たちの人気取りをする。こんなの関東人だったら多くの人がファンになって当たり前だ。
そんな巨人に、クロマティという外人がいた。
こいつがまたムカっ腹のたつ奴で、安打を打つと投手に向かって、お前とは頭の出来が違うんだよと言いたげに自分の頭をコンコンと指差すのだ。
僕にとって、強者の側にいて相手を小ばかにする人間ほど頭に来る奴はいない。
そんなクロマティをストレートで三振に仕留め逆に”頭コンコン”を仕返した投手がいた。
それが遠藤投手だった。
あの時ばかりは本当に溜飲が下がる思いだった。