バナナが食べたくなる戦い方
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りり
2018年03月18日 10:47 visibility403
糖分が足りない時、人は甘いものを欲しがる。
昨季ELのロストフ戦、マンチェスターユナイテッド所属DFマルコス・ロホが試合中にバナナを口にしたのは覚えている方も多いはず。
この日のモウリーニョは、とりわけ後ろ5枚に近い3バックを敷くロストフ(図1)に対し、イブラを頂点としてその両側にマタとムヒタリアンを並べた3-4-3system(図2)をもちいた。
(図1)
(図2)
イブラヒモビッチの流したヒールを詰めていたマタがゴールに沈め、1-0で勝利したのがこの試合の大まかな流れである。
さて、この話の主役となるロホはというとバイリーを中心とした3バックの一角を担っていた。
5-3-2の形でバスを停め、ボールホルダーにはきっちり詰めるロストフ。
この時、DF3対FW2の状況がうまれている。
しばしマークの受け渡しが乱れ曖昧な対応をするシーンがみられる時間帯もあり、バイリーが身体を投げ出してゴールを守った場面もあった。
本題に戻ろう。
スポーツで糖分を消費するというのは単純に動いているだけではなく、その状況で何かを考えながらというものになってくる。
footballの場合、持続的な運動を繰り返しながら常に状況に応じて思考力を巡らせながらプレーするということ。
極端な話、ただ50m走を10本やるのと何かを考えながら走るのは疲れの種類が違う。
例えば左サイドにはカットインしかしないアザールが、右サイドには縦突破しかしないイニャキウィリアムスがいたとしよう。
当然チェックに入る両サイドの人間はお互いに違う動きで守備をすることになる。
これは単なる運動的な疲労とは異なり、両サイドでタイプの違うプレーヤーがいたとしても、対応のズレが生じないよう考慮しながらプレーすることが必要となってくる。
つまり糖分を消費しやすいというのは、"考える疲労"の意味合いが強い事を示している。
ロストフ戦に当てはめると、先述のように3CBに対してその間に入ってくる2枚の前線へのマークをどちらが受け持つのかを臨機応変にチェックしなければならない。
しかしこれぐらいやって当然の世界がプロ。
ただロホの場合、ユナイテッド自体が4バックをとることが主流であることに加え3バックに慣れきっている訳ではない。
こうなるとただ単にモウリーニョからの指示と同じことをするだけでなく、普段とは違う動きを自らの判断でこなさなければいけない状況になってくるということ。
加えてこの試合はポグバに変えて途中からフェライニが投入された。
ここでもタイプの異なる中盤とブロックを敷くとこになるため、またポグバとは違った声掛けや寄せといったものをせざるを得ない状況になってくる。
そうした細かいところで"考えてプレー"している故にバナナが欲しくなったとしても決しておかしなことではないだろう。
結論からするとこのスポーツに「同じ」という言葉は存在しない。
新しく、また何かのアクションを起こし起こされ、それに対応しなければならない人間がいるものであり、それが勝利に繋がっていくため、時には"バナナが食べたくなる戦い方"をするかもしれない。
是非ロホには頑張ってもらおう。
そしてスモーリングにはその何倍もの量のバナナを与えたいものだ。
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