<続>名古屋に足りないものがあった甲府
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ラスタマン
2006年10月24日 06:18 visibility104
名古屋はケガの古賀の代わりに秋田が入る。カビラ慈英が「千枚畳」と表現したこのタフガイ、好きな選手である。愛知学院大学という地方の大学出ながら黎明期のJリーグ、ジーコのいたアントラーズでまず右サイドバックでレギュラーを務め、その後ストッパーにコンバート。アントラーズの黄金期に「アントラーズカテナチオ」の中心を担い、90年代後半には日本代表でも不動のCBで活躍した。フィジカルもメンタルも強く、「ストッパー」という言葉がぴったりの選手である。出色の出来だったのが97年のジョホールバル。イランのダエイと120分間に渡り戦い続け、我々を天国へと導いてくれた。ダエイとヘディングで競るたびにグランドに倒れこんだ(それほど渾身のヘディングだった)。その姿は本当に感動的だった−−−。
えっと、甲府と名古屋の戦いだった。
1−1の後、甲府の中盤から左のオープンスペース(甲府から見て)にロングボールが出る。それをバレーが追い、秋田がマークにつく。しかしバレーは全く逡巡せずに中へドリブルで切れ込み右足を一閃。名手楢崎がセーブしようとするも全くボールに速さについていけず、ボールはゴール右上に突き刺さった。
この日、名古屋に足りなかったものはこの「逡巡(しゅんじゅん)しない」動きだった。
パスを受けてもダイレクトでまわすことは少なく、ワンタッチでも0コンマ何秒から数秒の間は足元にボールを置く。そして甲府のプレスを受けてしまう。「タメを作る」のは重要だが、この日の名古屋はタメというよりも単に判断が遅かっただけ。その原因は選手全員の動きの少なさ(甲府に比較して)にあった。それをすべきは中村直であり、杉本であり、金であるが、この日は甲府のアクティブな動きの前にかすんでしまった。
選手個人では本田。前半からの不可解な左サイドの深い位置でのポジショニング。監督の指示はあったろうが、あんな位置に本田がいても相手は全く怖くないし、サポーターは面白くない。どうして個人の判断で前に上がらないか、また中に切れ込まないのか。U21の代表候補で北京に挑もうという男がコレではいただけない。1点目の失点も彼がゴール前で宇留野にしっかし競らなかったから。元々が天才肌の選手であるが、毎試合コンスタントにいかに力を出せるかがこの選手の課題であろう。
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