2007年年初に・その2 <2010年南アに向けて>

(続きです)

では、そのオシムとともに我々は2010年南アに行けるのか?南ア本大会でベスト8に入れるのか?(中期的に日本が目指すは本大会ベスト8だろう)

結論を先に言おう。「わからない」だ。今更ではあるが、サッカーというスポーツほど番狂わせがおこりやすいスポーツはない。


昨年末に2010年W杯出場32カ国の世界各地への割り振りが行われた。アジアは2006年ドイツと同じ「4.5枠」だ(5カ国目はオセアニア1位とのプレイオフ)。但し、あのオーストラリアが次回からアジア予選に加わるので、実質枠は0.5枠〜1枠程度削減されたと考えてもよいだろう。

例えばアジア最終予選に進んだ8カ国がA組日本、オーストラリア、イラン、クウェート、B組サウジ・アラビア、韓国、イラク、UAE となった場合どうだろうか?A組の2位以内で南ア行き。3位はB組3位とのプレイオフ。その敗者はニュージーランドと5枠目を争い、ホーム&アウェイ。かかる状況下、日本が「絶対南アに行ける」と誰が言えようか?アジアはレベルが低いといえども、W杯予選は厳しい。

本大会は更に厳しい。アルゼンチン、オランダ、コートジボアール、日本。これが1次リーグの組み合わせだったら99%の確率で日本は1次リーグ敗退であろう(さすがにこの組み合わせになったら休暇をとれてもリスク(犯罪という正真正銘のリスクだ)を犯して南アに行くか迷ってしまう)。この組み合わせはセルビア・モンテネグロが2006年ドイツで回されたグループの組み合わせだ。南アで日本がこのような組み合わせに入る可能性もある。

一方、このような組み合わせだったらどうだろう?アジア最終予選。A組 日本、中国、オマーン、タイ。2010年南アW杯1次リーグ 南ア、日本、コスタリカ、エクアドル。決勝トーナメント1回戦の相手がスイス。この組み合わせが事前にわかっていたら降格覚悟で南アに2,3週間居座る価値もあろう。

要は日本代表の現在の世界レベルでの立ち位置はこのあたりなのである。その立ち位置にいながら「より高い確率で日本代表をベスト8に進めることができる」観点から イビチャ・オシムが現時点で最適の監督だと思う。
まず、代表チームでもクラブチームでも実績を残している(代表の監督とクラブチームの監督は求められる資質が大いに異なる)。また彼は選手(ひいては日本人コーチ、スタッフ)を育てることができ、チーム作りもうまく、勝負師でもある。そして何にも増して彼はJリーグで3年以上監督を務め、日本、日本人、日本サッカーというものを知っている。


これら全てを兼ね備えた人材は早々いるものではないのだ。
ただし繰り返しになるが、サッカーは運不運に左右されやすい番狂わせの多いスポーツだ。だからオシムが監督になったからと言って、「100%南アに行ける」ということにはならない(ましてや本大会ベスト8など!)。この点我々はよく心しておく必要がある。

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