報われるとき

努力は報われるときがあるから続けられるのだと思う。
昨日の広島戦はそのとおりだと思った。
努力しても結果がすぐでるものでない。
その練習が次の試合に生かされるとは限らない。
でも、そのときが来ることを信じているから努力するのだと思う。

8年間、リーグ戦に先発出場したことのなかった萩原。
GKは怪我など特別なアクシデントがない限り、先発を変えることはほとんどない。
悪くいえば、彼の存在はファン感の主役。
昨年の天皇杯で初先発、ピッチで見るのはサテライトだけだったと思う。
ここ何年かは高橋選手、高桑選手、小針選手、シュナイダー、林とJ1のチームでも目劣りしない選手達ばかりだ。
今年は大学で天皇杯でも活躍した関がルーキー加入。
このGK陣に萩原の出番はまた遠のくのかとも思われた。
一般的に考えれば、8年も先発していなかった選手だから、いつ首を切られてもおかしくない。
サブは130試合以上。
くさってしまうことも考えるだろう。
しかし、彼は天晴れな報いを体現した。努力は一気に花開いた。

対戦相手の広島は首位、連勝中。しかもアウェー。
ベガルタが前節休みで勝ち点差は7。
勝てば、差が4、かろうじて上位争いに残れる、負ければ差が10、首位独走をを許すことになる。
こういう試合で先発することは誰もがプレッシャーを感じたことだろう。
しかし、彼は完封で勝ちを導くことができたと思う。
本当におめでとうといいたい。

広島のポジショニングには正直驚かされた。
中2日で運動量、パスの精度、そして神出鬼没の中盤に要所での決定機を阻まれた。
技術の高さと選手層の厚さを感じた。
やはり、J2ではトップのチームだと思う。
気になったのは森崎(和)選手。
守備のカバーもパスでの組み立ても彼からスピードのある寿人選手、李選手、服部選手、高萩選手の前線は本当に強さを感じた。

ベガルタは一進一退を繰り返しながら、前半を乗り切り、疲れの見える後半に前を圧倒しようとの戦いだったと思う。
相手が中二日ではそれが普通の戦術である。
しかし、広島のポジショニングと守備のうまさにパスの精度、スピードをふさがれ、思い通りにいけなかったと思う。
しかし、後半の勝負どころで、ここでも日頃の努力が成果として表れた。
ロスタイムも残り1分での由紀彦の正確なクロスと中原の得意のヘッドで劇的なゴールとなる。
努力が報われた瞬間である。
途中交代からタフな試合をこれまでも準備を怠らなかった二人のホットラインの披露である。

この試合は努力が報われた試合。
かといって広島が努力をしていないということではなく、努力が報われる結果がちょっとだけベガルタの選手のほうが現れただけだ。
精進はまだまだ続く。
本当に報われる日まで続くのだろう。

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