今シーズンの飛躍が予想される育成3年目の荻野貴幸

  • 舎人
    2013年03月12日 00:57 visibility1350





















土曜日の試合の話の続き。今日は3年目の内野手荻野についてです。2010年のドラフトで巨人は育成で野手を5人も獲得しました。和田、荻野、財前、川口、丸毛といった面々です。このうち和田は高卒、丸毛は長打も狙えるマルチタイプとそれぞれ特長を持っていましたが、後の3人、荻野と財前、川口の3人は右打ち左打ちの差こそあれど、3人とも俊足攻守の軽量小型の内野手でした。この3人の中で最も守備が上手かったのは川口だったと思います。まるで小坂のように地面に吸い付くような動きで難しいゴロをさばいていました。ところが、川口は本人の希望もあり1年で退団、昨年は荻野と財前の2人だけになっていました。しかし、財前はどうもミスの多い選手で、しかも、試合を左右するような致命的なミスを犯すことがあり、いつの間にか外野へ追いやられていました。そのために3人の中で最も打力があったものの、期待された内野守備が見込めないために昨年限りで戦力外。3年目の今年まで生き残ったのは結局、荻野1人になってしまったのでした。

 

守備が川口、打力が財前だったとしたら、荻野が3人の中で最も目立っていたのは走塁でした。そつのないセンス抜群の走塁を武器に、荻野は同じ年に育成入団した野手の中で最も早くイースタンに抜擢されます。それだけでなく荻野は走塁同様に守備においても基本に忠実なプレーをしていました。派手さはないもののミスの少ないスタイルは首脳陣も評価していたのではないかと思います。しかし、1年目の荻野は5月が終わった頃にケガをしたらしく、離脱してしまいます。そして残りのシーズンを半分以上残して棒に振ってしまったのでした。

 

2年目は心機一転、春先から二軍本軍に呼ばれ、イースタンでも起用されたものの、総合力ではまだレギュラーは無理だと判断されたのか、その起用のほとんどは代走や守備固めといったものでした。しかし、第二二軍ではショートのレギュラーをしっかりとこなし、2011年の15試合で打率.159(44打数7安打)から、昨年は23試合で.282(78打数22安打)と徐々に力を付けて行ったのでした。

 

荻野年度別成績(イースタンリーグ)



2011年

10試合 07打02安 0点 0本 3盗 0四死球 05三振 打率.286 長打率.286 出塁率.375

2011年

34試合 17打03安 0点 0本 7盗 1四死球 04三振 打率.176 長打率.176 出塁率.222





























このように荻野は改善の傾向は見られたものの、打力に大きな課題を抱えてきました。元々、荻野の打撃フォームは、しっかりとグリップエンドまでバットを握り、バットを寝かせたフォームでした。それが2年目に大きくスタイルを変え、こぶし2個分空けてバットを握るようになり、さらにバットを立てて構えるようになったのです。それを3年目の今年は、このスタイルを継承しつつもバットを再び寝かせて構えるようになったのでした。

 

こういった工夫が功を奏したのか、今年は見に行った2試合で荻野はいづれもヒットを放っています。3日の試合では内角に喰いこんでくるような厳しいコースのストレートをおっつけるようにレフトへヒットを放っていましたが、9日の試合では低めのストレートを鋭いスイングでセンター前に打ち返していました。「荻野のスイングってこんなに鋭かったっけ!?」そんなため息がこぼれるものでした。また試合では最も得意とする走塁を存分にアピールし2盗塁、セカンドの守備でも思わず「上手い!」を声が出るほど見事な足回りのプレーを披露していました。

 

センス溢れる走塁やしっかりとした守備はきっと一軍でも通用すると思います。後は打撃をどこまで伸ばせるかどうかですが、何か掴みつつあるとしたら、支配下の可能性もあると思います。藤村とタイプが極めて近いので、ミスばかりしておぼつかない藤村に大きな刺激を与えるとことと思います。

 

動画は例のごとく茶柱さんが撮影したものを私が編集してアップしました。ヒットシーンと盗塁、セカンド守備と、出来る限り荻野の今が伝わるように作ってみました。

 

荻野貴幸 センター前ヒット、盗塁&セカンド守備 2013年3月9日 ←New












































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