妄想・仮想後半戦〜blue birdの着地点〜vol2

  • miyashu
    2006年06月15日 23:14 visibility47

九石ドームに蒼いざわめきが帰ってきた。
奇しくもブラジルDAYと冠された2ヶ月ぶりのホームゲーム新潟戦。

大分サポーターにとって、この時期の新潟戦には昨年の苦い思い出がある。
先制し、1−0で前半を折り返しながらも後半、ファビーニョに縦横無尽に切り裂かれ3失点。
W杯で日本代表がオーストラリアに屈辱的な逆転負けを喫したとき、この試合を思い出した大分サポーターも多くいたことだろう。

ブラジルDAYにあやかってかどうか、スターティングメンバーにはエジミウソン、トゥーリオのダブルボランチ。
トップは高松・オズマールという布陣。
ブラジル人トリオがそろって名を連ねた。

ゲームは序盤からサイドの攻防がしのぎを削った。
高橋はより攻撃的なプレーを見せ、相手陣内深く切り込んだが、カウンターで空いたスペースを使われる回数も多かった。
大分の右サイド、対する新潟の左サイドは高速カウンターの応酬でスタンドをわかせた。
高松にボールを集める大分は、しかし、オズマールとの連携がとれない。
オズマールの消えた時間帯が増える。
いいクロスがあがっても、ターゲットが高松1枚では新潟DFも押さえどころを心得てしまう。
トップ下の梅崎もオズマールとの呼吸が合わず、精彩を欠いた。
唯一、オズマールが光ったのは、トゥーリオがあがったときの絶妙のワンツー。
さらにトゥーリオのシュートのこぼれ球を難しい体勢から柔らかいタッチでシュートしたときだった。
しかしそれも、GKのファインセーブに阻まれてしまった。

ゲームはスコアレスドローで、勝ち点1を分け合った。

次節アウェイ浦和戦を0−2で落とすと、トリニータの苦悩の日々は始まった。
川崎、福岡、広島、清水の4戦を2分け2敗で終えた。
オズマールはずっと先発で起用され続けた。
得点は激減し、C大阪戦から清水戦までの7試合でわずか4得点にとどまった。

サポーターは、戦犯を求めた。
そして当然のごとく、オズマールの名をあげつらい、先発起用を続けるシャムスカへの批判も増えていった。

8月26日、アウェイ新潟戦。
オレンジに染まるビッグスワンの一隅に青の闘士が集う。
関東から、関西から、そして大分から、トリニータを信じてはるばるここにやってきた。
「GOAL!オズマール」「これからだシャムスカ」のダンマクもただならぬ最後通告の雰囲気を漂わせていた。

後半から降り出した雨は、強くピッチをたたいた。
雨の浮いたピッチ。うなだれたダンマク。
ブーイングの気力さえなくしたサポーター。

敗因は多くある。
それはパズルのように複雑に組み合いリンクしあい、抗いようもなくずるずるとチームを負けゲームへと導いていく。
オズマールのプレーは悪くない。キレもスピードも徐々に回復し、来日前にニュースで流されたあのオズマールの片鱗を見せるプレーも数多くなっている。
しかし、トリニータは魔のサイクルに入っていた。
抗えば抗うほど自分自身を縛り閉じこめていくような魔のサイクルに。

シャムスカはインタビューに答えた。
「選手はよくやっている。ゲーム内容も悪くない。
選手個人個人が批判されるべきゲームではない。」

しかし、鬱積しつもりにつもった不満は矛先をどこかへ向けなければ気が済まない。
マスコミの論調に意を得たとばかり、オズマール糾弾論、シャムスカ更迭論は急速に渦を広げていった。

シャムスカを神とあがめた1年前。
あの浦和をアウェイで打ち破った奇跡のゲーム。
手のひらを返すとはこのことだろうか。
ホームで迎える浦和戦はシャムスカを裁定する試合となった。

九石ドームのゴール裏にはダンマクが1枚だけ。
「シャムスカは神か」
いろいろな意味を含んだダンマクだった。
2006年8月30日、午後7時2分。
キックオフの笛は吹かれた。

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なんかねえ、第2回目書いちゃいました。
なにを目指しているんでしょうねえ。
果たして結末はあるのか???

ちなみに第1回目です。

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