すべてはシールで閉じられた

  • ニシノ
    2006年07月10日 06:01 visibility51

延長の末、PKまでもつれ込んだ接戦は、すべてのキックを成功させたイタリアが勝利を収め、24年ぶりのワールドカップを手に入れた。

 

大会がはじまって、友人間での小さなゲームでイタリア優勝を予想していた僕にとっては、歓喜の瞬間だった。

 

その気持ちとは裏腹に、試合を見つめながらジダンの素晴しいプレイに感激したい自分もいた。

 

残念ながら、ジダンの脚さばきはキレを見せず、いらだつ時間が長かった。

 

延長後半、ついにジダンの頭がキレてしまう。

 

感情的になってしまい、ああいう行為にいたってしまったが、それについて僕は「恥じるべき行為」ではないと思う。

 

「引退試合」という名の下に、感傷的に試合を見ていた自分を含め、フランスサポーター、世界中の人々をがっかりさせたのかもしれないが、本人は最後の最後まで闘っていたのだと思う。

 

一点目を決めたPK

あの大事な場面で浮きだまを蹴れる選手は、やはり偉大だ。

 

前の試合で、トッティが試みようとしたらしいが、やはり断念した。

 

正直、あまり見せ場のない地味な試合展開ではあったが、いろんなドラマが見えた。

 

試合の行方を握ったのPKのファーストキッカー。

ピルロ以外はいないとおもった。

 

と、同時にファンタジスタをキッカーに指名することが、イタリアにとってアメリカの悪夢を払拭する結果となるのか、繰り返されるのか・・・

 

そんな心配もむなしく、真ん中に蹴りこんだピルロという選手のメンタルの強さに感動。

 

トレゼゲのキック。

大きく枠をそれるのではなく、一点目のPKと似たような。

ゴールラインを超えることができなかったのは、ジダンとの格の違いか。

 

PKを真剣に見ることができず、どうも俯瞰で「ああ、そうなるわな」としか思えなかったのは、やはりジダンの退場で僕の緊張感も切れてしまったからか・・・

 

レッドカードとともに、現役引退という箱のなかに閉じ込められてしまった闘志は、きっちりとシールで閉じて封印された。

 

きっと、その熱を冷ますことなく、いつかその蓋は開かれるはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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