ハートの強さと飛び道具(俊輔FK考察)

すみません。
録画観戦を選択しましたので。
僕も朝のニュースのスポーツでのワンカットしか見ていないんですが。

俊輔がゴールを決めました。

決まった瞬間のあのサポーターの、
「イエス!」だの「ワォ!」だの「ウォー!」だの入り混じった、
男くさい野太い歓喜の声援を聞けば、そりゃぁ鳥肌も立とうかと。

予想通りのFKからの得点。
予想外な俊輔の感情爆発的なガッツポーズ。
というところでしょうか。

俊輔のテクニック、そしてFKが世界水準であるのは充分に知られているし、
とりわけFKは、
それはどんな試合のどんな場面でも俊輔の「間合い」でプレイできる時間である。
どんな劣勢でも、押し込まれていても、
簡単に1ゴールを奪える絶好のチャンスでもあり、
体力負けしてプレッシャーに潰されていても、
積み重ねた練習や普段の自分を発揮できる自由を得られる場面であり。

俊輔のCL初ゴールがFKであることは、多くの人が容易に予想できたことだろうし、
勿論、喜ばしいことではあるが、さほどの驚きでは、ない。
(またメディアはそればかり取り上げるのだろうし、
特にスポルトは、時にスポーツを伝えるの体を成していないと思うが)

しかし願わくば(もう願いは届かないのですが)、
それをW杯で、どうして見せてくれなかったと嘆くのは、
天邪鬼過ぎる、辛口過ぎる批評だろうか。

ただ単純にFKをという意味ではなく、その気迫をという意味である。

あの戦いがあってこそ、悔しさを糧に、バネにして今日のFKがあるんだと、
そういう声もあるだろう。
体調が悪かったことを考慮すればという声もあるだろう。

けれど、もっと魂や気迫や根性を、
まさに今日見せてくれたその咆哮を、雄叫びを、
ドイツでもっと表現して欲しかったと。

やっぱりサッカーって、スポーツって、負けたくない気持ちが一番なのである。
技術や戦術を補って尚お釣りがくる「ハート」の強さというのは、
僕の嫌いなゲルマン魂を語るまでもなくこれまでも多くのシーンで、
多くの人たちが目にして感じてきているだろうとも思う。

元々俊輔には、「まず髪を坊主にして気合い入れて来いっちゅうねん!」、
と言いたくなるのが、調子の悪い時の見る側の感じる傾向である気がするし、
とりわけ彼の場合はメンタルに不調が起因することが多い。(と思われる)

クオリティーはCLの方が高いという事実の一方で、
W杯に賭ける選手自身の気持ちの深さ、そこで受ける評価の重み、
について話したばかりであるが、
逆説的に言えば、ニッポン代表のドイツでの戦いぶりは、
彼らの凄まじいまでの気迫に文字通り、気圧されていた、
のではないかと、露わになった俊輔の感情にそう思うのだ。

俊輔の切り返しは、あのセリエAの中でさえ、
相手DFをキリキリ舞いさせるほどであるのだから。

俊輔のFKが驚きを放つことなど、我ら日本人とっては驚きでも何でもないのだ。
彼にはそれだけの、それくらいの技術は充分にあるんだよと、
それくらいに構えてあげよう。

さて、問題は試合全体の中味である。
スピードへの対応、当たりの強さの中でのボールタッチ、
周囲との連携へ対する意識と反応の速さと運動量、などなど。
それをチェックする方が断然、大切である。

録画を見よう!
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